タダ働きという感覚

10月12日金曜日、晴れ

晴れ、てたよな……?

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PTAの仕事のため午後半休。

なんだけれど、1時間タダ働きしてしまった……。
この「タダ働き」という感覚、ほんと久しぶりだわ。

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僕の勤める会社の働きかたにはベーシックスタイルとカジュアルスタイルという二択がある。(※マネージャー層除く。彼らには出勤の義務さえないことになっている。けれど一般の社員より早く出勤していたりする)

ベーシックスタイルは月間フレックス制度。月間の平日日数、かけることの7時間45分(休憩時間45分除く)の在社時間を、1ヶ月の間で不足しないよう勤めること。
加えて1日のうち6時間のコアタイムが定められていて、この時間は会社にいること。
休憩時間は必ず取得したことになるので8.5時間かける20(概ね20日9台)の170時間程度を在社時間として捧げることになる。

カジュアルスタイルはコアタイムのどこかに出勤した記録がついていれば、あとは在社時間の縛りはないという夢のような制度になっている。

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僕はいま、就労制限が課せられているためベーシックスタイルでの勤務となっている。そして残業時間にも制限がついている。(残業しないようにしなさいってことね)

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半年前の僕はカジュアルスタイルで働いていて、そして月間、80時間の残業時間がついていた。おかしな話だけれど、残業しなくていいという制度の中で残業シホーダイになっていたんだ。
なおその80時間は昼休み45分と、残業開始前に自動でさっぴかれる15分、あわせて1時間を除いて、だ。(そして僕は休憩時間も惜しんで、出勤前に買い込んだパンやらカップ麺やらを食べて席に座ったまま仕事を続けていた)

月間20日として1日あたり4時間。そしてここには算入されていない休憩の1時間。あわせて5時間を超過業務として実行していた。会社で。

つまり13時間は会社にいたってことだ。(15分単位で丸められるので、まあだいたいそんなところになる)

通勤片道1.5時間程度なので合計16時間を仕事のために使っていた。

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上司は、ゆるく「無理なら無理と言ってね」と言っていた。けれど、まあ、僕にはそんな言葉は届かなかった。(これについて、いまはあまり話したくない)

結果として二度目のドクターストップがかかり、3ヶ月の休職を経て6月に復帰。いまは就労制限つきで勤務している。

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冒頭、1時間損したという気持ちというのは、今のベーシックスタイルでの半休制度のあり方による。

半休は、コアタイムのうち前か後ろの4時間「まで」の欠けた時間に充当される。僕のコアタイムは10時〜4時になっている。
つまり午後半休を取った場合、後ろから4時間削って12時以降の「欠けた」勤務時間を補ってくれる。

なにが問題かというと、僕は今日、13時までコードレビューをしていた。
仕事した時間は(起きられなかったので出勤がコアタイムギリギリで10時になっていたこともあり)10時から13時の3時間。
けれど半休は13時から16時までの欠けた3時間に充当される。
つまり12時以降、どれだけ働こうと10時出勤16時退勤という見えになる。9時に出勤して12時まで働き、そして午後半休なら9時〜16時扱いになるのに、だ。
同じ3時間働いても、結果として賃金に反映される時間が異なる。

「充当」っていうの、罠だよねえ。

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そして、
そして、だ。

カジュアルスタイルで働きホーダイになっていたことを思い返すに。
少なくとも僕は、枷が外されたら、どれだけでも仕事を続けるだろう。

高度プロフェッショナル制度が議論されていることについて。
世の中には僕のように、お金がもらえなくても捧げてしまうようなアホがいるだろうとおもう。

そしてそういうのは早晩体か、心か、あるいは両方かを壊す。

企業の論理として、そりゃあ稼ぎたいだろう。そして第三次産業あたりまでくるとコストはほとんど人件費として消える。だったらこれを一定額に抑えて働かせホーダイにできたら、利益あがる。そりゃまあ、そう見えるだろう。数字だけなら。

でもなあ。

やめておいてほしい。
ロクなことにならないから。

壊れるやつが弱い。壊れても替えがいる。
人は育てるものでなくて、育ったものをどこかから仕入れる。

そういう暴論で虐げてきた結果が、いまのデフレ大国ニッポンでしょう?
あなたがた企業が壊してきた人間を修理するコストを、誰が払うの?
それでもまだ「ボクの責任じゃないから」ってほっかむり決め込むの?

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