02 おさるのジョージ、平和な日常と面白い物語

4歳の息子はNetflixで「おさるのジョージ」をよく観ている。ぼくもおさるが好きだ。おさるの魅力は勧善懲悪ではないこと、そしてポジティブなこと。

実はあまり詳しく知らないまま一例として挙げるけど、例えば自分が観たアンパンマンはだいたい勧善懲悪の構図だった。悪いことをするバイキンと、それをどうにかするアンパン。たくさんの人に愛されている素晴らしい作品であることは重々承知だけれども、ふと思う。バイキンにも彼なりの理由がないのだろうか?話し合いの余地は一切ないのか?そしてアンパンに魅了されたキッズは、うれしそうにアンパンチとアンキックをしてくる、ぼくに。結局のところ最後の解決手段は暴力なんです、という悲しい社会の縮図にも思えてどこか切なくなる。

その点、おさるは平和。度々やらかすけれどおさるに悪意はないし、それをみんな知っている。自分だったら、このおさるマジかよ…と思いそうな場面でも、ジョージ!きみは素晴らしい!とポジティブに受け止め褒め称えてくれる。ジョージの自己肯定感はすごいだろうし、あらゆる子供があんな環境でのびのびと過ごしたいと望むんじゃないだろうか。

もう一つ、賢いこざるは問題解決に前向きだ。ジュースを効率的に搾る方法、車イスで探検に行く方法、日々直面する問題を一つひとつ鮮やかに解決していく。そんなおさるの影響か、最近の息子も問題解決に前向きだ。先日妻の眼鏡が壊れた。朝起きるとフレームが曲がっていた。妻とぼくはわーわーしていたが、すかさず息子は「くんくん(ぼくのこと)の眼鏡を貸してあげたら?あんまり使ってないでしょ」とか、「テープでつけるから!眼鏡屋さんに行かなくても大丈夫だよ!」とセロハンテープをつけてくれた。我が家の愛おしいこざるにほっこりした。

面白い物語を紡ぐのに必ずしも対立が必要なわけではないことをおさるは教えてくれる。といったことをツイートされてる方がいてすごく共感した。そんな世界が成り立つことを信じたいし、子供にも見てほしい。

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