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「暗黙」のわからなさ② ~問題文がわかりません!!!~  006

こんにちは。「このはな療育室」の、さつきです。

療育中、一定時間、机にむかう時間を設けています。
これは、プリント課題を用意して、
小学校へむけた書字や、算数の先取り勉強をすすめる時間、
ではありません。

鉛筆の持ち方、手と目の協応動作の確認などを、
OTの視点から評価することはもちろんですが、
あえて、すこし難しいプリントを用意して
周りにいるスタッフに、
「手伝って」「わかりません」「どうやるの?」等、
ヘルプを自ら出す力

終わったら、
「できました」と伝える力を育てる為に
設定している場面でもあります。

また、プリントのような
これから、小学校生活でよくでてくるものを通して
お子さんの苦手さや、うけとりのずれを評価する、
それを、保護者に丁寧にお伝えしながら、
小学校に向けどのような支援が必要か、を一緒に確認していくことを
私たちは、年長さんの時期の大切な課題と捉えています。

先週、こんなことがありました。

知的には遅れのない、高機能のASDのお子さんが
10までの数字がふたつ、ならんでいる
(たとえば、2・5   8・4  など)
プリントをみて、
「ものさし、ちょうだい」
といいました。
プリントに書かれたもんだいは、
『おおきいほうの数字に、まるをつけましょう』
というものでした。

お子さんは、
数量の概念ではなく、実際に書かれてある数字の『おおきさ』を
問われている、と思い、
「ものさしで、ちゃんと測らないと、、、」
とおもったのです。

こんな、受け取りのずれが、しばしばASDのお子さんは
おこります。
真面目に取り組みたい性格のお子さんにとっては、
ちゃんとやっているのに、
周りの先生からは、ふざけているように感じ取られるシーンが
きっと、たくさんあるのでしょう。

お子さんが、しばしば
わかってもらえずに理不尽さを感じる状態や、
「困り感」について、
保護者の方と、丁寧に確認していくことは
療育者の大切な使命だと、思っています。


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