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北米最大の展示会でみた、飲食の世界最新トレンド #1業界・プロダクト編

みなさまお待たせしました。
岩本です。

Rishi Teaという北米最大のお茶サプライヤーに出張中に、
偶然出会った展示会。聞けば、北米で一番でかいそうで、色々トレンドをまとめてみようと思いました。飲食業界で頑張る日本の皆様に届けばいいなぁと思ってます。

Fancy Food Showについてはこちら!

#1業界・プロダクト編です。


#1業界 :アルコール風味のノンアルコールが急成長

ワインやジン、お茶、コーヒーなど香りや味を保ちながら、ノンアルコールにする企業がたくさん出て来ましたので、その例をいくつか載せておきます。


①「ワイン→水」

O.Vineというイスラエル発の会社が発売しているWine Waterという商品。このショーでも最も注目を集めたブースの一つでした。

独自の蒸留技術を育み、ワインで使うぶどうの皮を発酵、蒸留。通常ワインで見られる香りや色、味まで限りなく再現した「水」です。
驚きだったのは、そのクオリティー。
濃厚で香り高い水でびっくりしました。

通常バージョンとスパークリングの2種類×赤白ロゼがあり、幅広い種類を楽しめます。ワインが飲めない人でも、飲みたくない人でも、気持ちよく楽しめる、「水」です。
現地のメディアでも、シャルドネを使った本格派ワインイノベーションが起きたと話題になってます。

こういうのが出てくると、ミレニアム以降の世代は、もうお酒を日常的に飲まなくなるんじゃないかなと思ってしまいます。



②「お茶→スパークリングウォーター」

お茶の効能をインヒューズした、スパークリング水「PHOCUS」です。

カフェインの飲みすぎは危険ですが、人間生きる上で、カフェインは重要な栄養素です。朝どうしても起きれない、そんな時に血流を促進しより集中ができるようになります。ただ、アメリカではコーヒー・レッドブルなどしかそのカフェインの摂取方法がなく、その代替案が求められていました。その文脈で抹茶が市場にはまり、ブームが起きたというのも事実です。

「PHOCUS」は、お茶カフェイン入りのスパークリングウォーターで、
テアニン・カフェインが豊富に含まれる万能ドリンクです。

「ビール→スパークリングKOMBUCHA」

ビールのマーケットはKOMBUCHAがディスラプトしようと企んでいます。

昔起きた黒酢ブームの現代版の様な感じで、酸っぱく健康に良さそうなジュースが受けています。このKOMBUCHAにホップなどを混ぜてあげると、IPAの様な苦味と香り、酸っぱさが相まってとても美味しかったりします。
健康に良くて酔わないクラフトビールのような感じです。ミレニアム世代以降はお酒は飲まないが、その様な体験はしたい、という世代として有名で、まさにKOMBUCHA BARのようなのも出てくるのではないかと思います。
健康によく、その雰囲気を味わえる。効能的にもリラックスできたら、正直お酒もいらなくなるのでは、、、と思ったりもします。


④「ジン→ノンアルコールボタニカルスパークリングウォーター」

「HARVESTED FROM TREE」はかなり色々なところで見かける合言葉でした。今年この会社は、サントリーと組んで日本に進出するそうです。フルーツの香りがして、さっぱりしているスパークリングウォーター。飲んで健康、甘くない。需要結構ありそうですね。

「TREE WATER」
こちらも同じような会社です。缶で展開しています。

「ナチュラルなトニックウォーター」
ボタニカルな文脈でかなり伸びてます。トニックウォーターも砂糖なしのナチュラルな味に。


#2業界 :スパークリングは継続的に成長

KOMBUCHAのおかげもあり、スパークリング市場は継続的に伸びていきます。日本市場も右肩上がりに成長を続けていると思いますが、世界市場も伸びていきます。
昔は甘いものを炭酸にすると感じなくなるからとコカコーラをはじめ、甘いドリンクが広がっていましたが、今回は健康に良さそうなもの、特に薬草や漢方、発酵製品などとスパークリングの組み合わせが成長してくると思います。どんなに不味いものでも、スパークリングにすればなんとなく飲める気がして来ますからね。薬草のコーラなどを作ってうまくブランディングしたら今年はアメリカで弾けるような。


#3業界 :ビーガン・Non-GMOなど

飲食はやはりビーガン、Non-GMO、グルテンフリー、合成着色料なし、甘味料不使用がかなり強いです。
展示会のほとんどがそれらを満たしてました。そもそも、ビーガンは当たり前なお茶ですが、ブランディング上仕方がないのでしょう。飲料メーカーが上記の条件を宣伝文句にしてました。

ソーダメーカーもビーガン需要を確保しようと必死です。
SODAはグルテンフリーでビーガンだろ!笑と思ってしまうとことですが、それはさておき、ビーガンという言葉も日本とは異なり、かなり当たり前に、どんな食材にも使われるようになっています。



#4プロダクト :ナイトロ

日本でもやっとスタンダードになってきたナイトロです。こちらのブームは一時期よりは落ち着いたものの、まだ市民権を得ています。
また、ナイトロでなくてもサーバーから注いでほしい需要があるような気がします。

例えば、KOMBUCHAもサーバーから。


La ColombeというニューヨークのSOHO地区をメインにスタバに勝るカフェチャーンもナイトロが多数+水、スパークリングもサーバーから出てきます(ちなみにセルフサービス)


#5プロダクト :Umami系商品

今回の出張ではお茶の説明や、イベントをやりながら各地を回りましたが、UMAMIを知らなかった人はいなかったです。GeishaやTsunamiくらい国際語になりつつありますね。
現地にとってはいまだに新しい概念なので、とてもトレンディーです。Umamiを知ったかぶりする人たちがたくさんいるので、いまこそビジネスチャンスです。笑 僕がもしダシや旨味重視の会社をしてたら今年Globalにいくかもしれないです。Umamiラテとかめちゃバズりそう笑

展示会では、その典型例としてやはり抹茶が強いです。
品質は本当にひどいですが、Matchabarはいまだに若手に人気です。
彼らはUmamiとカフェインをメインに販売をしています。

抹茶は開業コストがやすいため、このように新しいブランドがたくさん出て来ます。Matchafulは、最近ニューヨークでポップアップを終えたばかりの新しいブランド。静岡産の抹茶を使っています。
農家さんと直接取引だそう。どこだろう。

Matcha+Mindful+Full(たくさん)の意味らしい。女性の社長で、とても優しくいい人だった。

老舗のお茶屋もUmamiで抹茶を販売。その名もU-Matcha。
お客様がUmamiを知ってないと使えないギャグ。それだけUmamiが市民権を得ているということか。

Umamiで忘れられないのがマッシュルーム。レイシやしいたけのスナックを販売しており、かなりブースに人が集まって来ていた。SHAKESHACKのブームなどもあり、マッシュルームはジャンクな業界でもかなり地名度が上がってきた。いい市場になって来ました。

#6まとめ

どうしても長くなってしまったのでまとめますが、
大きな業界の変化として明らかに感じた点は、
ノンアルコール市場が拡大し、アルコールなどの嗜好品市場に組み込まれてきた点です。

つまり、人々がアルコールもノンアルコールも気にせず、美味しくて健康にいいものを求め始めたということです。
図にすると、この四角形の真ん中の部分を作った人が次の市場を手にすることになりそうです。

飲料業界の変遷です。
・コーヒーに飽きた人々が、カフェインを求めて他の飲料に。
・健康ブームにのりKOMBUCHA市場が急成長。酸っぱいドリンク×スパークリングを大衆が受け入れる様になった。
・健康ならば、と効能がインヒューズされたスパークリング、お茶が登場。
・同時期にアルコールよりもノンアルコールを欲している人が増え、ワインやビール、カクテルのノンアルコール版が台頭(ノンアルコールジンなども開発されています)
・お酒の味がするのに、ノンアルコールで、効能もめちゃくちゃいい。という魔法の様なプロダクトが誕生。
・マリファナの成分を抽出したスパークリングが展示会に出展。
・二日酔いのソリューションを探すのではなく、そもそも飲まなくてもマリファナなど、身体に害の少ないハイになる方法を使い、リラックス&リフレッシュ。味はお酒なので、飲んでる感じがする。
という風に市場が変化してきています。


かなりたくさん書いていたのですが、
質を担保したくなって来たので、飲食編はここで切ります。
またデザイン編、小売編を公開しますので、その時までお待ちを!

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