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伝達関数の形

前回は伝達関数からPID制御の特徴を考えてみました。
ところで伝達関数ってなんでしょうか?

私は小学校のころ剣道をやっていましたが昇給試験には形という試験があります。戦いではなく基本の動きをできるかどうかを審査されます。
空手では戦って勝ち負けを決める格闘技の競技と、形の美しさを競う競技の2つあったりします。

伝達関数とはある入力を入れると出力がどうなるかをわかりやすく?表現したものになります。現在ではMatlab/Simulinkなどで伝達関数を設定するとシミュレーションできたり、自動でソースコードができたりします。
ある意味、英語の構文に近いものです。
つまり、わかってしまえばこんなに便利なものはないということです。

そんな伝達関数ちゃんにも同じく基本の型があります。
今回は基本形を紹介したいと思います。

基本形は2種類存在します。
1次系
$${\frac{y}{u}=\frac{1}{1+sT}}$$

教科書でよく出てくる形です。これは電気回路ではローパスフィルタを伝達関数で表現したものになります。

2次系
$${\frac{y}{u}=\frac{\omega_n^2}{s^2+2\zeta\omega_n{s}+\omega_n^2}}$$

これも教科書でできます。よくわかりませんよね・・・。見てもはっ?って感じ。

$${\zeta=1}$$のとき
上の1次系とほぼ同じ意味になります。

これは電気回路では2次のローパスフィルタと言われ、結局特性はローパスフィルタと同じです。ただし、ちょっとだけ1次系より高周波成分をカットできます。

1次系はカットオフ周波数から20dBでゲインが下がっていきます。
2次系はカットオフ周波数から40dBでゲインが下がっていきます。

ただそれだけです。
ですが結局同じローパスフィルタであることを知っていることが重要になります。

いろいろな制御対象を伝達関数で表現するとどうしても1次系だけでは表現することができない物が多いです。2次系までわかっていると世の中の物理現象はたいてい数学的に表現できる(と言われています。)
だから教科書に載っているのですが、この理由は書いていないですし、先生も授業でサラッと流します。先輩に聞いても何でかわからないのです。ただそう言われていたからです・・・。

それぐらい重要なことなのですが、それはなぜか?
ローパスフィルタの周波数特性を実現することが制御の究極の理想だと私は考えています。これをバターワース特性といいます。

共振周波数を持たなく、ある周波数範囲で入出力特性を0[dB]を実現することが理想です。これはオーバーシュートがなくある速度以下で制御すればかならず目標値に追従するからです。

入力の速さ(周波数)を要求値として持っておけば妥当なコントローラ設計ができるというのは、他人や上司、先生を説得するにも明らかに有効です。

今回は伝達関数の基本形を紹介しました。

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