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新米プロダクトマネージャーのタスクマネジメント奮闘記

こんにちは、IVRyでプロダクトマネージャー(以下PdM)をやっている宮嵜です。

私は新米PdMとして働くなかで、「タスクマネジメント」に苦労し、その改善に取り組んできました。

そこで、私と同じようにタスクマネジメントで課題を抱える人の参考になればという思いで、

  • タスクマネジメントが上手くいかないのはなぜか

  • どういう対処をして、タスクマネジメントを改善するか

について書いていきます。

このnoteは、IVRy 紅白Advent Calendar 2023 の白組・10日目の記事です。白組9日目は、べいえりあさんの「Generative AI for Everyoneから、古のNLPエンジニアの心に刺さったこと8選」でした。白組11日目は、GOD-odaさんの記事が出ます。乞うご期待!


はじめに

簡単な自己紹介

2023年6月にIVRyに入社し、PdMをやっています。IVRyに入社する前は、SaaS比較サイトの立ち上げなどをやっていました。

「プロダクトマーケティング」と呼ばれている横断的なプロジェクトを担当しており、マーケやセールスのチームとも連携しつつ、既存プロダクトの機能改善やサービスサイトの改善を行っています。

なぜタスクマネジメントの改善に取り組んだのか

「タスクマネジメントができていないと組織の中での信頼残高を失うことになる」、それが私がタスクマネジメントの改善に取り組んだ理由でした。

自己紹介で書いたような役割を担うなかで、私のこれまでの働き方に比べ、関わる人の幅が大きく広がり、タスクの量も増加しました。

そういった状況下で、ざっくりとした優先順位でタスクをやれるだけ倒していくような仕事の進め方をした結果、

  • やると言ったこと、任せてもらったことがやりきれていない

  • 自分のタスクの遅れが、プロジェクトの遅れなど周りの迷惑につながる

ということが発生してしまいました。

当たり前のことではありますが、自分のやるべきことができていない状態でチームの信頼を得られるわけがありません。

結果として周りの協力を得るためのハードルが上がり、自分のやりたいこと・やるべきことを前に進めるのがさらに難しくなるという悪循環に陥っていました。

このような悪循環を断ち切るために、現状をあらため、チームの信頼を得る必要があると考えたのが、タスクマネジメントの改善に取り組んだきっかけでした。

IVRyでのタスクマネジメントの仕方

私の抱えていた課題について書く前に、前提としてIVRyでの基本的なタスクマネジメントのやり方を紹介します。

IVRyでは「プロジェクト制」という少し変わった組織運営を行なっています。
詳しい運営方法や狙いは以下のnoteをみてもらいたいのですが、簡単に言うと、特定のゴールのために様々な職能のメンバーで構成されるプロジェクトチームを複数組成する運営を行っています。

このプロジェクトには、スクラムの考え方が取り入れられており、エンジニア以外のメンバーであってもスクラムで使われるようなタスクマネジメントを行っているのが1つの特徴です。

具体的には、チームでカンバンボードを作成し、1週間のスプリントでタスクを積み込み、スプリント終わりにすべてのタスクを完了することを目指すような形で運営されています。

タスクマネジメントにおいて抱えていた問題

上記のようなチームのなかで、私が積み込んだタスクを完了しきれず、それがプロジェクト全体のスケジュールの遅れにもつながってしまうという問題が生じていました。
そこで起きていることを整理するなかで、以下のような事象が発生していることが分かってきました。

1つのタスクにかかる時間を過小に見積もっている

タスクを積み込んだときには1時間で完了できると見積もっていたタスクに3時間以上かけているといったことが発生していました。

タスクを積み込むときに抜け漏れがある

スプリントの始まりで想定可能だったタスクを積み込めておらず、スプリントに積んでいないタスクに時間を割いてしまっていました。

自分で完結しないタスクを計画的に進められていない

自分で完結するタスクは、最悪直前に自分が頑張れば巻き返すことも可能な場合もありますが、何かの意思決定やディスカッションなど、自分以外の誰かと進めるタスクはそうもいきません。
このようなタスクに着手するのが遅れた結果、計画通りに完了できないということが起きていました。

問題の背景にあった本質的な課題

上記のようなことがなぜ起きてしまうのか、それを考えるなかで私が行き着いたのは、根っこにある共通の課題として「タスク自体を理解しないままタスクマネジメントしようとしてしまっている」という考えでした。

タスク自体を理解するとは

もう少し丁寧に言うと、何をするタスクなのかを解像度高く理解することです。

例えば、「ある機能改善の要件定義」というタスクがあった場合、現在の機能の利用状況の調査や、機能リリース後の販促方法の検討など付随するタスクが多くあります。
また、要件定義自体についてもレビューをもらうための素案作成、レビュー、レビュー後の修正のような形でより細かいステップに切ることが可能です。

そういった実際にやることの解像度が低いままタスクを切ってしまっていたので、

  • 実は思ったよりやることが多くて時間がかかる

  • やるべきタスクにスプリントの途中で気づく

  • 着手するタイミングになって、自分だけでは完結できないタスクだと気づく

ということが起きてしまっていたわけです。

タスクマネジメントで改善したこと

「タスク自体を理解できていない」という課題に対して、以下のようなことを行いました。

1. タスクを細かく分解する

タスクにかかる時間の見積もりが最大でも2時間に収まるくらいの粒度まで、タスクを分解することを行いました。
分解しようとする過程で、具体的にやるべきことが明確になりますし、1つ1つのタスクの単位が小さくなることで、時間の見積もりのブレ幅を抑えられます。

2. タスクの完了の定義、やることを明記する

どのような状態になることがそのタスクの完了なのかを、明確に定義することを行いました。

また、その完了の定義を満たすためにやることを箇条書きで整理しました。
やることの整理の際には、自分以外の人がみても実行できるような内容にすることを心がけて整理を行いました。

3. タスクの依存関係とサイズを踏まえて、スケジュールをガントチャートに落とす

タスクとタスクの間には、あるタスクを完了しなければ次のタスクを行うことができないという依存関係があります。

タスクを細かく分解し、やることを明確化することで、タスクの依存関係とサイズ(タスクにかかる時間)がみえてくるので、それをガントチャート形式でスケジュールに落とし込むことを行いました。

1週間のスプリント内で着手順番を決めるための取り組みであるため、日単位でスケジュールを設定します。

4. 現実的に消化可能なタスク量になるように調整する

ここまでタスクの整理を進めると、大抵の場合、想定していたより多くの量のタスクが積み上がります。
私の場合、通常のスプリントで消化している実績の2倍程度の量のタスクが積み上がる、なんてこともよくありました。

そこで最後にタスクの絞り込みを行います。差し込みが入ってくることも考慮して、これまでの自分の実績の8割程度の量になるように積みます。

優先度が低いタスクを落としていくわけですが、それだとどうしてもやるべきタスクを積みきれない場合もあります。
その場合はチームの他のメンバーに助けを仰ぎます。
本来的には自分がやれる量を増やしていくべきですが、直前になって助けてもらうことになりより、あふれそうなことがみえた時点で事前に相談する方が良いという考え方で、きちんとアラートをあげるようにします。

タスクマネジメントの改善をして

改善を行う前は、やりきれなかったのは自分の頑張りの不足だと考えて、精神論に留まり、具体的な改善のアクションをとることができていませんでした。

しかし、現在ではできなかったときの要因が、

  • XXXというタスクが積み込みの段階で抜けていた

  • YYYというタスクにかける時間を甘く見積もりすぎていた

のような形で明確になるため、具体的な改善のアクションを切ることができるようになりました。

今でもスプリントで積んだタスクをやりきれないことは起きてしまっているのですが、同じ失敗を避けるための改善サイクルが回っていることが、チームのメンバーからの信頼を得ることに少しずつつながっていると感じています。

今後に向けて

きちんとタスクマネジメントをして、自分がやるべきことをやるのはあくまでスタートラインだと思います。
自分のタスクを進め方を考える中で、徐々に「自分がどういう進め方をすれば、チームとしてより進めやすくなるのか」を意識できるようになってきました。

チームのために自分がやるべきことを判断し、チームの一員としてより貢献することが、今後の目標です。

最後に

同じような課題を抱える方の参考になればという思いで長々と書いてしまいました。
ここまで書いたように、自分の課題に向き合ってどうやって改善していくかを考えることができたのは、IVRyのメンバーにたくさんのフィードバックをもらい、1on1で相談させてもらったからでした。

IVRyでは、経験豊富なメンバーに対してもフィードバックが当たり前に行われるような環境で、バリューとして掲げている「To-Be Oriented」が体現されている組織です。

やる気さえあれば成長できるすごく恵まれた環境だと思います。興味を少しでも持ってくださった方は、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう!

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