Ryo.K

これから映画から観る生き方講座や、ビジネスについて発信していきます

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最近の記事

悔やみ謝る。「アイリッシュマン」解説

アメリカの必需品を運ぶトラック協会の院長であり大統領の次に権力があったと言われるジミーホッファとそれを殺したと告白したボディガードシーランの物語。 ーテーマー悔やみ謝る事。人間としても宗教的にもこのテーマが扱われています。 マーティンスコセッシの映画では共通して描かれており、レイジングブルでは私生活で危害を加えてしまった場合リング上で無防備に殴られ許しを得る為に罰を受けてるかのようです。 ーなぜマフィアが雇われるのかーそれは企業でストライキが起きたときにそれを潰す存

    • 男女の愛ではなく人間同士の愛「ブロークバッグマウンテン」解説

      友情が愛に変わる。失楽園の話。 「強い男」としての理想像―カウボーイ、ロデオ、そして父親 失楽園という物語失楽園的にこの映画を解釈すると、アダム=イニス、イヴ=ジャック、神=アギーレ(雇い主)となり、 イニスがコヨーテを仕留めた話の中で「リンゴ並みのタマだった」と言ってることから、 知恵の実=タマということになります。イニスとジャックは、アギーレの言いつけを破って、夜、羊番をしなかったため、 アギーレの怒りに触れ、楽園=ブロークバック・マウンテンを下ろされ、 以来2度と

      • 自由の為に嘘をつく「バリーリンドン」解説

        「美しい者も醜い者も、今は等しく皆あの世」 自由を求める為に嘘をつき続ける。 アメリカからイギリスに渡ってきたキューブリックはイギリスの階級社会に直面しそれに対する皮肉もあからさま。地位や権力のために戦ったバリーだが違う、階級社会をなくす戦いをすべきだと言いたかったのかもしれない。 ーテーマー主人公はエドモンド・バリー。英国の植民地だったアイルランドで貧しい青年バリーはヨーロッパを旅し、数奇なめぐり合わせの結果、バリー・リンドン卿としての地位を獲得していく。映画は2

        • 謝罪の映画「ローマ」解説

          監督の子供時代の実際のお手伝いさんの映画でありその人に捧げた映画です。 万引き家族に似た貧富の問題 ーテーマー女性と先住民の差別。捨てられた女性の苦しみと団結、希望を示している。 ー冒頭の長回しー冒頭では床が映り主人公は下ばかり向いて過ごしています。水が張られそこには空が映り飛行機が見えます。これは飛行機のような最先端な乗り物がある中で主人公は手で洗濯をしたり廃れた世界に住んでるという対比になっています。 ラストシーンは空が映る対比にもなっています。 ーなぜ白黒

        悔やみ謝る。「アイリッシュマン」解説

        • 男女の愛ではなく人間同士の愛「ブロークバッグマウンテン」解説

        • 自由の為に嘘をつく「バリーリンドン」解説

        • 謝罪の映画「ローマ」解説

          売春婦との関係は?カオナシの正体は?「千と千尋の神隠し」

          無料公開中✨ 日本の誇りであり宮崎監督の最高傑作「千と千尋の神隠し」 ー神隠しの意味ー引っ越し先へ向かう途中に立ち入ったトンネルから神々の世界へ迷いこんでしまうというストーリー。神隠しというのは人間がある日忽然と消えうせる現象(ラストに親から勝手に急にいなくならないでと言われている)。神域である山や森で、人が行方不明になったり、街や里からなんの前触れも無く失踪することを、神の仕業としてとらえた概念。これにより千尋は神の仕業で神の世界に連れてかれ、生きることの大事さ

          売春婦との関係は?カオナシの正体は?「千と千尋の神隠し」

          AIが一般になった世界はどうなるか?「A.I.」解説

          原案キューブリック 脚本監督スピルバーグ 最大のテーマ「ロボットは人間になれるか。そもそも人間の定義とは」 ピノキオのテーマも含んでいる スピルバーグのテーマである、親に受け入れてもらえない子供の心情や家庭崩壊。 キューブリックのテーマである、居場所のない人たち。 手塚治虫の鉄腕アトムにおける差別され排除され愛されることを知らないロボット。この共通したテーマが今作には出ている。 ーテーマ「人間とは何か」ー「人間は生きてる意味を探るために芸術や数学を生み出し

          AIが一般になった世界はどうなるか?「A.I.」解説

          愛の持つ力「ミッション」解説

          愛の持つパワーとは ーテーマー愛する者達のために共に戦うべきか、愛する者達のために戦わないか。 **ー信仰・希望・愛ー **いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。父(神)によって信仰が成立し、子(イエス・キリスト)によって罪の赦しという希望が人間に与えられ、愛によってこれを守る。そして愛こそが偉大なパワーを誇る。 ーラストー虐殺された主人公達と民族。愛の為に戦っても戦わなくても権力に殺され土地を奪わ

          愛の持つ力「ミッション」解説

          娘に愛されたい父親の物語「バードマン」解説

          「そして君は人生で求めてきたものを手に入れれたのかい?ー得られたー何が欲しかったの?ー誰かに愛されたと言われたかった。愛されたと感じたかったことだ」 ジャンルは8 1/2やオールザットジャズ、仮面ペルソナ。ここがわかれば監督、映画の意図がわかる。 死ぬことにより生まれ変わり進化する。 さらにファイトクラブ、マルホランドドライブなど似た系統の映画へのオマージュも見られる。 ー超能力・バードマンの正体ー主人公の心の中。他人とは違うんだという気持ちを比喩的表現で表

          娘に愛されたい父親の物語「バードマン」解説

          "神"は本当に存在するのか?「2001年宇宙の旅」

          科学的に"神"なる者を定義した映画 猿から進化した人間の次なる進化の先は神である。 猿は猿を殺すことで人間に進化した。だから今の人間も戦争を乗り越え克服することで次に進化する。 宇宙人は我々をみている。そして人間が進化するためには戦争を克服しなければならないというテーマをこめている 宇宙人が地球を見守っているが次の段階に進化するためには戦争を克服しなければいけないというテーマでもあるらしい。 この映画に明確な主人公はいない。AI、人間、宇宙人が主人公な

          "神"は本当に存在するのか?「2001年宇宙の旅」

          戦争を笑いに「博士の異常な愛情」解説

          とても怖いブラックコメディ。元々は世界滅亡の原作をキューブリックがコメディにして作られたもの。 博士の異常な愛とはただの邦題で本当はDr.ストレインジラブという名前の博士の題名。とにかく男の小さな理由で世界が破滅するとても怖いブラックコメディでした。これもまたキューブリックの戦争反対への思考やメッセージ性が強く描かれていた。 核戦争の恐怖に迫った作品だがあえてコメディにしたところがまた天才ですね。 ー性行為との関係ーこれはSEX映画として見たほうがいいとのこと。

          戦争を笑いに「博士の異常な愛情」解説

          純粋に勝るものはない「狩人の夜」解説

          子供の純粋さに勝るものはない 1,心の純粋な者達は幸いである。彼らは神に会えるだろう。 2,その者の栄光も野に咲く花の美しさにはとても及ばない。 3,人を裁いてはいけない。 4,偽預言者(説教師)に気をつけろ。 デヴィッド・リンチ、マーティン・スコセッシ、コーエン兄弟などに強烈な影響を与えた傑作。情婦の名優チャールズロートンの唯一の作品。興行的には失敗したもののテレビに安く売られ放映してるうちに火がついたカルト映画。 作りや形式は「ヘンゼルとグレーテル」に似たグ

          純粋に勝るものはない「狩人の夜」解説

          黒澤明、スティルバーグ、スコセッシ共同映画「夢」解説

          黒澤が実際に見た夢を夏目漱石の夢十夜を元に描いた作品。メッセージ性がとても強い作品です。 テーマは「死」主人公が子供から大人に成長するにつれて変わっていく死生観を一章一章で描いているのだと思います。 原発だったり戦争だったり死に対する恐怖を描きまさに「悪夢」と化しています。しかしラストの死は暗いもので無く明るく死を受け入れようというメッセージが感じられます。歳をとった黒澤の死に対する受け入れ方が成長した瞬間でもありました。 普通の映画だと思ってみると一貫した

          黒澤明、スティルバーグ、スコセッシ共同映画「夢」解説

          映画史を変えたヒッチコック「サイコ」解説

          56年前に作られたにもかかわらずこのクオリティー。全く色褪せず名作と言われる意味がわかります。 「人は皆、罠にかかっていて、そこから逃げだせない。もがいたところで、互いに傷つけ合うだけ。少したりとも動くことはできない」 ーヒッチコックよりー「この映画の中で最も暴力的なシーンだ。それからは、映画が進むにつれて、暴力的なイメージはしだいにすくなくなる。最初の殺人の衝撃の記憶だけで、そのあとのサスペンス・シーンを恐怖にみちたものに盛り上げるには充分だからね」  更に、ヒッ

          映画史を変えたヒッチコック「サイコ」解説

          チャップリン集大成「ライムライト」感想

          希望がなければ、瞬間を生きればよい。素晴らしい瞬間だってあるのだから。 全体を通して語られる切なさ。 『ライムライト』は、権威を嫌い、人生の真実を求め続けた チャプリン自身の哲学を感じることができる作品です。 ーチャップリンの集大成ー今作では脚本、監督、主役、作曲など全てをこなし、コミカルな映画ではなくシリアスな人生観について描きました。初の素顔での撮影でもあり、アカデミー作曲賞ももらっています。 ータイトルの意味ーライムライトとは昔電球が発明されてなかっ

          チャップリン集大成「ライムライト」感想

          史上最高の戦争映画「炎628」解説

          今起きている事件、この映画でいうとユダヤ人迫害を引き起こした人間の根源は子供から始まる。それを根絶やしにするのがナチスの考え。 子供の未来はヒトラーであっても奪ってはいけないというのが主人公の考え。 ここにこの映画のテーマが見える 「子供から全てが始まる。生かしてはおけない。貴様らもみんな死ね。貴様らの民族に未来はない。共産主義は下等人種に宿る。絶滅させるべきだ。必ず遂行する必ず遂行する!」 クエンティン・タランティーノは『炎628』を映画史上最高の戦争映画にラン

          史上最高の戦争映画「炎628」解説

          常識を超えて自由へ「イージライダー」解説

          日常や常識からの脱出。 「みな自由自由と口にはするが、本当に自由な奴をみるのが怖いんだ」「君に“自由”を見るんだ。自由を説くことと、自由であることは別だ。アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気でする。個人の自由についてはいくらでもしゃべるが、自由なやつを見るのは怖いんだ。でも冗談にも、奴らが自由じゃないなんて言っちゃだめだよ。そんなことを言ったら、みんなは人殺しをしてでも自分達が自由だってことを証明しようとするだろう。違う自由がそこに現れると怖くてしょうがないんだ。」

          常識を超えて自由へ「イージライダー」解説