放送大学 グローバル経済史('18) メモ4. 近世グローバル経済と日本

17世紀オランダ最強伝説。

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放送大学 授業科目案内 グローバル経済史('18)
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グローバル経済史(’18)

4 近世グローバル経済と日本

オランダ黄金時代(17ー18世紀)。南部のフランドル地方は毛織物で栄えたがその利益をスペインハプスブルク家が押さえていたため独立戦争となった。スペインの攻撃でアントワープが陥落し北部ホラント州に人々が避難したためこちらが発展して行った。特にアムステルダムはライン川と北海を繋ぐ要衝で貿易が発達した。
東インド会社は世界初の株式会社として知られるが株主総会がなく、議会より独占的貿易権を与えられた特許会社であり現代の株式会社とは統治機構が異なる。イギリス東インド会社より2年遅れで1602年に成立したが資本力では上回っていた。また従業員はオランダ人だけでなくドイツ人、スウェーデン人、インド人や中国人水夫やインドネシア系兵士、アジア人奴隷などがおり、各地に商館や軍事拠点を有したため、世界初のグローバル企業と言える。
貿易の一つ目の柱は大西洋三角貿易であり、ヨーロッパ(銃、ビーズ、貝、綿布)ー>アフリカ大陸(奴隷)ー>アメリカ大陸(砂糖、タバコ、カカオ、コーヒー、綿花。などプランテーション作物、ラム酒、労働力は奴隷)ー>ヨーロッパ。スペイン、ポルトガル、後にオランダ、イギリス、フランスなどが行った。
2つ目はアジア圏の三角貿易である。当初は香辛料の輸入のためであったが銀の消費量を抑えるため、アジアーヨーロッパ貿易とアジア間貿易を組み合わせる。ヨーロッパ(銀) <-> アジア(香辛料、綿織物、砂糖、コーヒー、茶)およびインド(綿織物)ー>東南アジア(砂糖、鹿革、鮫革、蘇木)ー>日本(銀、金、銅、海産物)ー>インド。東インド会社は資本力を活かしてアジア側にもバタビアを中心に商館、船団を持っていた.これによりイギリス東インド会社を上回った。
鎖国体制化の日本では交易のため4つの窓口があり(長崎-中・蘭、対馬-朝鮮、薩摩-琉球、松前-蝦夷),幕府の統制下で交易がおこなわれていた.なお長崎では東インド会社の三角貿易のために実質的にはアジア貿易も行われていた点に注意.オランダ商館ではインドネシア人などの奴隷が商館長の家事などを行っていた.18世紀には金、銀の産出量が落ち貿易量が減少したため,労働人口の農業へのシフトが起きた.各藩は年貢収入を増やすため新田開発を行ったので人口が増えた。ちょうど同時期にイギリスでは産業革命(Industrial Revolution)による資本集約的な増産が起きており,日本の労働集約的な増産(Industrious Revolution, 勤勉革命)と対比される.18世紀後半には金、銀の輸入国に転換した。

感想

オランダ独立の経緯をよく知らなかったのでググったりwikipedia見たりで浅く調べたところ、ハプスブルク家がオーストリア側とスペイン側に分裂した後、ネーデルラント全体がスペイン・ハプスブルク家の支配下にあって、反乱後支配下を脱した北部7州が現在のオランダ、アントウェルペンを含む支配下に残った南部が現在のベルギー、ルクセンブルクに相当するとのこと。対立理由としてはスペイン国王フェリペII世による経済的自由の制限や宗教対立(カルヴァン派が広まっていたのに対しカトリックであるスペイン国王側が弾圧していた)が挙げられている。またネーデルラント連邦共和国は共和制というわけでもなく、総統は反乱指導者のオラニエ公ウィレム以降、ほとんどオラニエ=ナッサウ家の独占だったらしい(現在のオランダは王国)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%8D%81%E5%B9%B4%E6%88%A6%E4%BA%89

あと、カルヴァン派は近代ヨーロッパ史ではたびたび出てくるのだけど、以下の[要出典]とされている部分「得られた富の蓄財を認めた。この思想は、当時中小商工業者から多くの支持を得」という理由で、カルヴァン派人口の増減が地域の経済的な浮沈を左右するというニュアンスがある模様ですが[要出典]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3

オランダの目線で見ると、日本がそこで出てくるのかよ、という感じで日本史とリンクしてて面白いですね。長崎に出入りしていた船もオランダ人だけでなく実働部隊はアジア人が多かったのだろうと想像されます。

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