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大切なことに気がつくのはいつもちょっと遅い。

毎年11月最終週から12月頭ぐらい手帳を新しいものに変える。
年をまたいでいる案件も多いのでそのほうが都合がいい。
来年の手帳は11月27日から使うので、今年の手帳とのお付き合いもあと1週間だ。なので、なんとはなしに今年の仕事のことを振り返っていた。

社会人になってから仕事が安定しているということはまあない。
12月ぐらいになると、「今年も無事にライターとして年が越せそうでよかった…」とどこに向かって、というわけでもないけど拝みたくなる。
ちなみに、12月の段階で来年の1月・2月ぐらいの仕事が決まっていると一番心穏やかに正月が迎えられる。

ただ、今年と同じようにしていれば来年も同じように仕事が来るというわけではない。去年より今年、今年より来年、来年より再来年……とステップアップをする、否、ステップアップするための努力を重ねないとあっという間に無職になってしまう。現状維持は緩やかな衰退だ。

才能がない人は努力するしかない、というけれど、才能がある人というのはたいてい努力も得意で、凡人の並大抵の努力ではとてもじゃないけれど足元にも及ばない。それが年を重ねれば重ねるほど身に沁みる。一年の間に何度も心が折れる。今年は特にバッキバキに折れていた。その中でいくつか心に刻み込んだものがある。

・「私はがんばった」と自分に向かってちゃんと言える。
あんまり頑張ってないのに褒められたとしても納得はいかない。全力でやってないからなんとなく後ろめたさがある。褒められなかったら、まあそりゃあ全力出してないから当たり前だな、って納得してしまう。
でも、めちゃくちゃ頑張った結果、あまり評価されなかったとき。悔しい、と思うと同時に絶対認めさせてやる! とやる気が出る。不思議なことに。
それに、がんばっていることを見てくれている人は必ずいる。そういう人は絶対に言葉にして励ましてくれて、やる気になる。

・楽しい仕事をしよう。
自分が楽しい、おもしろい、と思えるものでないとやっぱりいいモノはできないな、と改めて気がついた。今年は贅沢なことに、ちょっとあまり向いていない気がする……というお仕事は断らせていただいたりした(ほんとにちょこっとだけなんだけど)。でもそうすることでより仕事に前向きになれた気がする。

・自分はまだ伸びしろがある、と信じる。
・自分最高! イケてる! ノッてる! と思った瞬間につまずく。最高なわけがない。
「もうダメだ……私なんて頭打ちだ……」と思うことがたびたびあるんだけど、そのときはじゅんいちダビッドソンさんの「のびしろですね~」って真似するようにしてる。声に出すの大事。

・私は、私。
いい加減、慣れてきつつはあるんだけれど、私がやっている仕事について理解してくれる人は少ない。長く付き合いがある人でも、私が何をやっているのかよく分かっていない場合がほとんどだし、仕事の話をしても「???」となっているのが分かるので無意識のうちに口を閉ざす。もともと自分のことを分かってもらおうという欲求はさほどないのだけれど、理解されていない状態が続いていると、ちょっぴりアイデンティティが揺らぐ。
なので、「私は私! 何を言われても気にしない!」と心を強く持つのは大切。これも声に出して言ってみよう。「私は私!!」
(まあ、長年の付き合いがあるのに仕事を理解してくれない人については大してこっちに興味がないんだな、というのは気がついてはいる)

・会いたくない人には会わない。
一見、何の関係もないことのように思うけれど、思いのほか人間関係によるストレスは心に影響する。そのせいで今年の秋にとうとう心のバランスを崩してしまった。なので来年以降は会いたい人にだけ会うようにしよう、と決めた。大人の特権だ。会いたくない人たちとの接点を避けることで相手を傷つけてしまうかもしれない、とこれまでは思っていた。でも会いたくない人を慮って自分が心を壊していたら何の意味もない。

若いころって突飛なことばかりしようとして大切なモノを見逃しがちだな、ということを最近になって実感する。何でも基礎ができていないと、というけれど、人生の基礎ができあがるのって40代を越えたあたりになのかもしれない。


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