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目標達成の後遺症:エネルギー切れの謎

熱情の果ての疲労感

バーンアウトという言葉があります。ある強烈な目的意識をもって活動したのち、成果に結びついた瞬間に燃え尽きて気力も生命力も枯渇してしまうような現象です。

先日僕の元に元社員で現一端のインフルエンサーとして稼いでいる子から「バーンアウトして、気力もやる気も目的意識も芽生えなくなった」と相談がきました。実は僕の元にはこの手の悩み相談が昔から結構きます。意識高く頑張っている人たちに多いので、誰でもアクセスできるブログ記事にして振り返れる形にした方が役に立つかなと思い執筆することにしました。

まずは僕もこれに悩まされたという話から聞いてください。エネルギーに満ち満ちた変人が共感性のない戯言を言ってるだけだと思われたくないので。

無休の努力で手に入れたもの

僕は22から32歳までの10年間、平均睡眠時間2時間レベルのハードワークで身を粉にして働きまくりました。グラフィックデザイナーからWebディレクターになって、映像ディレクターになって、プロデューサーになって、経営者になってと年単位でジョブチェンとキャリアをステップしながら登り続けていきました。

この間に文無しのホームレスから、グループ年商30億まで成長させて、自分が1年のうちに好き勝手に使える金額も0円から6億円くらいまでアップしました。仕事をする上で動かせる人の規模も自分1人から700名くらいまで増えました。

住む場所も埼玉県朝霞市の志木駅から歩いて程なくするとポツンとある当時にしても珍しいドラえもんの世界のような土管のある公園から、わかりやすく六本木のタワーマンション高層階になり、自然を求めて湘南の高級マンションに移ったのちタイはプーケットのどデカい高級ヴィラを転々としながらサーフィンと音楽を日々楽しむスタイルになりました。

食べるものもアリとか草から人間の食べるものになり、値段など確認もすることなく好きなものを好きなだけ頼めるようになりました。平均睡眠時間2時間のハードワークから解放されて自由な時間だらけで暇になりました。この成長を外の世界の人たちはビジネスマンとしての成功ぽく評価しました。

成功の裏の虚無感

でも現実は、渇きに渇いていてほぼ虚無。欲しいものもないし承認欲求も薄れまくって存在意義を探して日常を彷徨く徘徊者みたいなものでした。やりたいことはやりたいと思った瞬間にできるし、いっちょあがっちゃったな感がそれまでにストレスフルにハードワークしていた日々とギャップがありすぎて味気なくてつまらなくて退屈に感じていたのです。間違いなくハッピーではなかったと思います。

それが32歳前後の頃の僕の状態でした。

僕の商売人人生はもともと、何者にも依存しない自由な音楽活動を望んで金を稼ぐために、のちの活動にも役立ちつつ自分の社会的機能をアップデートできそうなデザイナーという職を選んだところから始まりました。

だから音楽活動ができる状態とバーンアウトが結びつかないとおもえるのですが、海のすぐそばにアトリエも作ったし、防音室も入れて機材も揃って24時間気の合う仲間といつでも何時間でも音楽創作ができるようになると、何者にも依存しない自由な音楽活動という目標が叶っていることに気づき束の間の安堵に浸ったのち、物悲しさが襲いかかってきたんです。

湘南の海辺でのアート制作
渋谷TSUTAYA O-WESTでのワンマンライヴ

金もある。時間もある。やりたいこともできる。3拍子揃ったところでバーンアウトは訪れてしまうわけです。

それを察した僕は、対策を講じることになります。そこから僕はあらゆる実験や検証を通してバーンアウトを起こす人の傾向とソリューションを見出すことに成功し、自分の人生に活かすことでこれの再発を阻止してきました。

深層心理でのリスクとスリルの追求

僕の考えるバーンアウトしやすい人の傾向はシンプルです。深層心理で「リスク」や「スリル」を求めている人です。

傾向がやっかいなんです。自分を含むこの手の人らはたいてい「安堵ある日常」を求めていますが、いざ「リスクやスリルを伴った非日常」が現れた際には天秤が後者に傾きます。

つまり深層心理でリスクやスリルに惹かれてしまうわけです。そしてこれは経験してしまえば慣れてしまうので、そのレベルはエスカレートしていきます。そうならざるを得ないのです。

だから逆に目的達成後にリスクやスリルに欠ける日常が続くと、バーンアウトから抜け出せなくなって鬱っぽくなったりしていきます。

だからといって無闇にリスクやスリルを追うと、正しいカタチの目的(目的意識に満ちた目的)がないまま、手段が目的化している状態なので大きなダメージを招きます。暴走しているのとなんら変わらないわけですからね。

僕もバーンアウト時「シンプルなリスクテイク」をソリューションとして検証して5億円失いましたw 手段が目的化した最悪の事例になりました。

その頃は何度も海に心を洗ってもらいましたw

とはいえ、バーンアウト中の人は必ずと言っていいほど目的意識に満ちた目的を見失っている状態なわけですから、リスクテイクしようとすればそれはすべて暴走になると言えます。さらにはそれにスリルを感じてしまっていたら完全にギャンブラーと同じ思考回路なので破滅の道にしか進みません。

でも、それがなんとなくわかるくらいの知的さがあるからこそ、むやみやたらなリスクは取らないわけです。しかしリスクやスリルのない日常に深層心理では退屈を感じて渇いていってしまうわけです。常に感情と論理がパラドックスに陥ってるので混乱状態から抜け出せないんですよね。

新たな目的の探求と方針転換

でも実はシンプルな方針転換でこのパラドックスから抜け出すことができます。

それは「目的意識に満ちた目的をリスクテイクして掴み取るアクション」を第1フェーズとすることです。

バーンアウトするような人は目的意識に満ちた目的さえあれば馬力が出るので、その後のことは考えずとも勝手に道がひらけていきます。大事なのはその目的意識に満ちた目的を見出すことです。

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