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トルマリン続き

トルマリンの多様性、そんな話をしていた。トルマリンのペンダントトップがある。カイヤナイトの上に取り付けられた透明なトルマリンはカイヤナイトという名のブルーの筏の上にちょこんと乗っかったお客さんのよう。これら2つの石たちはどちらも青いが見た目もかなり違う個性を持っているし、それらの性質も似通ってはいない、おそらく。このデザインを選んだアーティストは何を考えていたのだろうか?購入したたかまのパワーストーンのお店、再訪してみようか。

ちょうど1年ほど前に初めて四国の高松を訪れた。直前に日本の43都道府県で行った場所を色塗りするのがSNSで流行っていて、私もやってみたところ4つほど行ったことない県があると知った。高知、香川、福井、そしてあとひとつが思い出せない。この4つを順に訪れてみようとその時に思いついた。直後にちょうど高松で行われたアートのワークショップに参加したので、残りの県はあと3つ。

香川県は近くて遠い地方(くに)だった。学生時代に大阪に6年住んでいたのにその間一度も四国へ渡ったことがなかった。近畿地方は大阪、京都、奈良、兵庫、そして滋賀と和歌山でひとまとまりだから、地域の経済圏はほぼその中で完結していてそこから出ていくことはあまりない。特に高校生の頃は学校と家の往復の毎日。水泳の近畿大会は近畿地方の県内で行われたし、大学も大阪だからわざわざ海を渡って瀬戸内海を横切る機会はなかった。当時、体育会系の水泳部に香川出身の香川くんという法学部の同級生がいた。故郷の丸亀をいいところだとことあるごとにみんなにオススメしていて、行ったこともないのに琴電の存在をハッキリ覚えていた。なんであんなに香川いいとこ、来い来いと言っていたのか、訪れてみてわかった気がした。光のさす方向にある場所。

江戸時代ならば歩いて江戸をたち、そのあとどうやって高松へ行ったのだろうか。調べてみたら面白そうだ。トルマリンの話から脱線した。話を元に戻そう。トルマリンは電気石と呼ばれており、圧力、熱、摩擦などで静電気を帯びる性質を持つ。宝石としての価値も様々で、ブラジルで発見されたパライバというネオンブルーに輝く石が高価な宝石として知られている。

トルマリンは天の啓示をキャッチするひらめきの石などとも言われている。アメリカインディアン、今なら先住民族とかもっと正確な表現で呼ばれるべき人々はこの石をひらめきを与える聖なる道具として活用していたとのこと。

手元にいくつかある資料のトルマリンのページを眺めてみると、いろんなことが書いてあるが、科学的な説明もここに加えておこう。圧力を加えると電気が流れる性質のことだ。今回ご紹介した電気石や石英は圧力を加えると電位が発生する。つまり片方がプラスにもう一方がマイナスになる。これは18世紀にフランスの物理学者ピエール・キュリーが発見した現象で、圧電効果(ピエゾ効果)と呼ばれる。逆に電気石や石英に電流を流すと、鉱物が振動する。この現象を利用したのが水晶振動子でクォーツ時計やデジタル回路などに使われている。皆さんも台所のコンロに火をつける時、使っていますよ。毎日料理をするたびに。

思えば大学を卒業後に就職した会社で、水晶振動子の分類を自動的に行うx線回折装置を担当したのを覚えている。懐かしいなぁ。取締役のMさんが元技術者である時期に集中的に使い方を教えてもらったなぁ。単身赴任で1人肉じゃがを作っていたおじさん。肉を入れ忘れてジャガイモだけになった肉じゃかをジャガと呼んでいた。その話を社内のエレベーターで聞かされて、返答に困ったことを社内の同期に話したことが記憶に残っている。

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