絵が下手で自信がなくても漫画家になった、こしののクオリティ担保術



今回、自分の漫画の制作過程をTwitterで実況してみようと思ったわけです。

なんで、こんなことを?

実は最近、漫画制作についてアドバイスをする場面がおおくなってきたわけです。

「漫画倶楽部」や今度「マンガ新聞」さんでやる「ネーム教室」とか。

で、どうアドバイスすればいいのか?と考えても、ぱっと出てこない・・。

それなら、描きながらいつも自分が気にしていることを描きながらつぶやけば、記録として残り、アドバイスしやすくなるかと思い、自分の制作過程をTwitterにのせていきました。

ん?まてよ。

こんなもんでも、もしかすると役立つ人もいるかもーーー!!

と、思いここにまとめてみました。

ちょっと長くなりますよ、読む人は覚悟して。笑


今回は連載してる「はなうた」という看護師漫画をサンプルにしました。

8P物の読み切りです。


「制作過程いきまーす」

まず私は、ネームから原稿にアタリ(下描き)を描き

スタッフに背景を先に描いてもらいます。

「あれ?」枠線ないじゃん!

枠線はあとのデジタル仕上げの時いれます。

昔はもちろんアナログで引いてましたが

実は、枠線を手描きで描くのって時間も手間もかかる。

スタッフの労力おさえるためと

手描きはカスレが出たりもしますので

枠線が汚いとそこに目がいって、漫画を読む目がとまることがあります。

もったいない・・・。それが嫌でデジタルにしました。


背景を描いてもらう時、人物のだいたいのアタリも入れてもらいます。

原稿に「線」が入っています。

これは「パース線」といって背景を描く時必要な線です。

「パース線」を描くことでモノの大きさや人物の大きさの

基準ができるわけです。

机に比べて人が大きかったり小さかったりしたら変なのでそれを防ぐためです。


全頁入ったあたりから、私がペン入れしていきます。

この「パース線」は私の人物ペン入れにも役立ちます。

「パース線」があると人物の顔や体を描く時の基準線になります。


線を引かないと左右で「目」の上下が合わなくなるんですよ!

手癖です。それを防ぐためです。

ほんと、何年たってもこの癖はぬけません・・・。

わりとこういう人多いと思うけど・・・。

[

パース線を引く時便利なのが「パース定規」

こちらです。


おっと、なにかおかしい・・・

ちょっと首が太いかな。首からの出かたがおかしいかな。

ホワイトいれて、ペン入れし直し・・・。

こんな感じか。

わりと、自分の絵を信じていないので描きながら「違和感」探しをしています。


で、私の顔入れれはここで終わります。

「え?髪の毛は」

それはスタッフにまかせます。

「なんで?」

理由はは簡単、わたしより、早くて上手いからです。

時間短縮は連載を続けていくうえで、とても大事だと思っていますので

ずっとそうしてます。

で、こうなります!

不思議、自分のバタ臭い顔の絵も髪の毛を入れるとかわいく見えます。

キャラクターの個性の半分は髪の毛で決まると思っています。

重要だと思っているので、スタッフにお願いします。

いろんなスタッフが描くと、どうしても描く人の個性が出てしますので

一人のスペシャリストに任せています。

なので、クオリティも担保されます。

そのスタッフが休むと、作業できないリスクもありますが・・・そこは調整できるよう早めの進行にしています。


さて、次のコマ。

フキダシ多いです。読みにくいコマです。

少し工夫をします。視線誘導ってやつです。

左側のフキダシがもし上についていると、視線が凸凹して読みずらくなるので流れを意識してフキダシを入れます。

漫画は「流れ」で読むのでなるべく、なるべくスムースに。

どうしようもない時はありますが・・・


ちょっと一息、もぐもぐタイム

休憩終了・・・。

おっと、たまにこういうこともあります。

スタッフが人物のアタリを入れてくれたのに、このポーズはやっぱり違うポーズにしよう・・・と思った時です。

そこは、アタリを無視し描きます・・・スタッフゴメンねー笑

そうすると、どうしても違和感が出てくることがあります。

この場合座ってるイス。人物は前のめりなのでもっと後ろにいくはず・・・。

この場合は

昔は、描きなおしてもらっていましたが(とっても手間な事やっていました)が最近は「デジタル様」がいるのでお願いします。

デジタルならば、描きなおさなくても、コピー、ペーストでイスを後ろに引いてくれます。もちろん多少の描き足しは必要ですが・・・。

さてさて作画は進みますが・・・

おっと、なんか厄介なコマがあります。

だいたい、モブ(漫画の登場人物じゃないその他大勢の人)はスタッフに描いてもらいますが、動きのあるコマはとても個性が出るので、自分で描きます。(描いてもらうこともありますが、効果線などは自分で入れます)

でも厄介なので後回し。

大きい人物から入れてこ!

まず、好きな気分のる絵から描いていくとスピードも上がります。


あ、忘れてました。

メガネをかけている人物を描く時のポイント

下絵からメガネも描いておきましょう。

偉そうに言いましたが、スタッフから教えてもらっいました。

「メガネは体の一部ですから」と

ホント、ウチのスタッフは優秀なので色々教えてもらいます。

「先生」とか呼ばれてますが、どっちが「先生」だか・・・。

スタッフとはなるべくフラットな関係を保ちたいと思っています。何でも言える環境。

私はこの環境が描きやすいです。

基本、絵が下手なのでバランスや形がくずれた人物を描いてしまうことがありますが、その時スタッフが指摘してくれます。これもクオリティの担保につながります。

上の2枚の絵の女性の髪形を見てわかると思いますが、表情に合わせて髪型になっています。

私はネームをあらかじめスタッフに読んでもらうので、話の流れをわかって作画してくれます。

私が指示出さなくてもやってくれるので助かります。

クオリティ担保にと同時に時間の節約もできます。


あ、これ・・・

焦る顔です。わざと汗いっぱい描いてみましたが・・・

昔、担当さんに汗かきすぎといわれたことがあります。

「汗」は記号として、使われますが、「焦った顔」を汗でごまかさず、顔の表情で描いてください、リアルでこんな汗かく人います?

たしかに・・・

浦沢直樹先生も焦り顔に「汗」は使わなかったと思います。

今も「汗」描きますがね。だいぶ少なくなったと思います。

まだまだかな・・・。


次、きました、アクションシーン!

下手なりに気合は入れます。

一応、人物の大きさ、動きの目安のため「パース線らしきもの」を引いて

なるべく、動きが出るように・・・

「どん」という音をいれなくても、「どん」な感じが出るように。

こんな感じでになりました。

最終的には、ここにスピード線や「どん」を入れていきますが・・・


で、そろそろ厄介なコマいきますか・・・

女性が医療現場に入って、動きについていけない・・・というコマです。

事前に手前の女性だけわりとシンプルな線で描きます。

で、後ろは動いているのでわりと「粗めに」

女性の周りに白ふちいれます。

「ぽつん・・」

手前の女性と後ろの動いている人達の落差をだすことで、女性の場違いかんをだしました。仕上げでもっと落差をだしますけどね・・。

なんとか8ページ描き終えました!

すべてのペン入れがおわ原稿をスキャンして

デジタルでの仕上げ、トーン貼りになります。

描いてなかった枠線をいれます。

トーン貼りの前

ここで大事なのが、「ゴミ取り」です。

スキャナーした時に入ったゴミたや原稿の汚れを取っていきます。

点線で囲んだところが「ゴミ」けっこうあります。

地道に消して、きれいになった原稿にトーンを貼っていきます。

ゴメン、ちょっと写真ぼけてるね。

この辺は、指示書(原稿コピーにトーンを指定)だけ出して、私はほかのことやってたりします・・・。

とか何とか言っているうちに仕上げが終わります。

一度プリントアウトして、赤ペンをいれます。

時間がある時は、セリフもいれます。

フキダシにちゃんとセリフが入るか確認するためです。

フキダシの中の文字は大体同じ大きさでそろえられています。

漫画を注意してみるとわかると思いますが、同じ大きさの文字でそろえたほうが読みやすいとされています。

なので、セリフを入れてフキダシの大きさが足りてるか(大きすぎてないかもあります)調整します。

もちろん強調するときは大きくしたりしますが・・。

赤ペンをいれたものを元に画面上で最終チェックをしていきます。

上の画面はフキダシの大きさをデジタル処理でなおしています。

細かい修正が終わると完成です!!

現在納品はデジタルなのメールでピュッっと送ります。

昔はね、何時間も担当さんを仕事場で待たせていたりしたのですが、今はありません。


私はけっして、絵の上手い漫画家ではありません。

いや、下手です

ネームを描くのは好きですが、正直、絵に全く自信が持てず作業としてはきついです。


それでも、なんとか10余年漫画家としてやってきました。

私なりに絵を魅せる工夫は最低限してきたつもりです。

だから、ここに書かれていることはすべてではないですが

工夫の一部を書いてみました。

他の漫画家さんなら当然やってきてることかもしれませんし、もっと工夫をされている方も大勢います。

なので、これは、これから漫画を描いてみたい方へ

少しでも参考になればと・・・。

絵が下手とか自信はなくても、わりと漫画家にはなれるものです。笑

こうしてできた私の漫画たちです。

よろしかったらぜひー!!

今回使った漫画「はなうた」単行本です。現場のナースさん達を取材し描いてます。

石原さとみ主演でドラマ化。明るく、元気で前向きな主人公が組織の壁にぶつかりながら成長していきます。ほぼ私のデビュー作

マキダイさん主演でドラマ化。破天荒な医師が「病気」を、そして「人」を治療する。私のお気に入りのシリーズ

とにかく気合で描いた作品!!超プロフェッショナルだからこそ抱える問題をテーマに!

只今連載中なのはこちら!!サラリーマンの経験を活かし喜怒哀楽たっっぷり描いています。

そんな私のツイッターはこちらフォローよろしくね!


最後に今回描いた「はなうた」のネームを載せます。

言っときますが、字とか絵とかむちゃくちゃ汚いので,ほんと興味のある方だけどうぞ!

それと、上記の文章少しは役にたったぜー!

または、少しは応援してやるぜーって方!

絶賛お願いいたします!!( ´∀` )

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オッーーーーー!!
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こしの漫画の作り方

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コメント3件

ネーム見て泣いてしまいました。
こしの先生、このnote公開はもはやパイオニアです。良質なドキュメンタリー番組を観てるような臨場感で一気に読みました!!
さんきゅーーー!!
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