見出し画像

【メモ】2024.02.17 ロックお笑い部-Extra-@豊洲PIT


フジファブリックとアジカンが大好きで、一刻も早く次のライブの予定を入れたい
かつ
お笑い芸人のライブもいつかは見てみたいと思っている

こんな私の願望を一日で満たす催しが行われるということで、即座にチケットを申し込んだ今回のライブ。

4組しか出演していないはずなのに、なぜか内容は7本立て!
カオスかつ貴重すぎるライブでした。

注・ここから7000字以上の長文が続きます…。



1.ミキ

・トップバッターとして登場したのはミキ。登場した瞬間から会場の空気感を自分たちのものにしていた。
・ほぼノンストップで3本くらいのネタを披露していたが、どのネタも面白かった。ものすごいテンポ感で喋っているのに、全くそれが狂うことがないのが凄い。兄弟ならではのネタができるのも強みなんだろうな。
・お笑いと音楽が融合したライブの面白いところは、芸人さんが出演アーティストに絡めたネタを披露してくれること。亜生さんが「未来の破片」をゴッチ風に歌ってみたり、
亜「アジアンカンフージェネレーションとフジファブリックの好きな曲ありますよ!」
昂「なになに?」
亜「アジアンカンフージェネレーションの徒然モノクロームと、フジファブリックのリライト!」
昂「アジアンカンフージェネレーションみたいなフジファブリックとフジファブリックみたいなアジアンカンフージェネレーションだな!」
みたいなネタがあって、アジカンとフジのファンがほとんどを占める客席は大盛り上がりだった。
・さっきと同じネタのなかで、「アジアンカンフージェネレーションのスリラーと、フジファブリックのBeat It!」「アジカンがこんなこと(ムーンウォークの動きをする)しないやろ!」みたいなくだりもあったのですが、これが後々少しずつ回収されていくことは、この時点ではまだ誰も知らなかった…。
・とにかくあっという間にネタは終了。会場の空気をあっためた状態で、フジファブリックへとそのバトンを受け継ぐこととなる。


2.フジファブリック

・徒然モノクロームから爽やかなスタートを切ったフジファブリック。楽園で完全に会場のテンションをぶち上げる。
・楽園が終わった後、Beat Itのイントロを少し弾いてから「フジファブリックでーす!」とあいさつする山内さん。ミキのネタを見たあと、舞台袖でこっそりと練習していたことをのちにミキのふたりに暴露されていた。
・LIFEはミキとのコラボが実現。大阪出身の山内さんは、ミキとコラボすることができてとても嬉しいと語っていた。実際にミキのふたりに挟まれてめちゃくちゃ嬉しそうにしていた。
・ミキが出囃子にいつもフジファブリックを使っているということから実現した今回のライブ。しかしこの日のミキは出囃子にユーミン(よしもと芸人統一の出囃子らしい)を使用していて、フジファブリックにさんざんいじられていた。
・今回のコラボはフジファブリック側から昂生さん宛てに「コラボやりませんか?」という話が来たことから始まったらしい。昂生さんがフジの大ファンである亜生さんに「こういう話が出てるんだけど、なにかやりたい曲ある?」と聞いたら、20曲くらい候補が送られてきたらしい。昂生さんは「そんなにできるわけないやろがい!」と怒っていたが、亜生さんのファンっぷりがよく表れていてよかった。
・LIFE歌唱中、ラスサビ前に山内さんが「ひとりきりでいればそれでいいか~~♪……でもひとりじゃやだよね~~」と突然ボケだす。突然止まる音楽に大きくコケるミキのふたり。山内さんがさらにだらだらと話すので、サポドラの伊藤さんがスティック叩いて合図を出し、強制再開。
・去年9月にEASTでワンマンがあったときもここのフレーズで「まあ~ひとりのほうがいろいろ安いし~、楽だしな~~」とかぶつぶつ言っててすごくゆるくて好きだったので、またこういうのが聞けて嬉しかった。
・今回のセットリストのなかで特別異彩を放っていたのが今月末に発売されるアルバムに収録される新曲、KARAKURI。ブログを書いている人間として最悪な表現ではあるが、とにかくヤバい曲である。
・曲頭から何が起きているのか分からず、呆然としている間にまた場面がガラリと変わり呆然。そんなことを繰り返しているうちに冒頭のフレーズに帰結し、曲は終了。そんな感じだった。演奏が始まる前に山内さんが「この曲難しいんだよな~気合い入れないとできないんだよな~~」とか言いながら指をポキポキさせていたので期待はしていたが、想像していたものの100倍は次元が違かった。
・今までもフジは不思議な楽曲を多数リリースしてきたが、今回はそれらとも一線を画すものだと思う。いったいいつまでこのバンドは新しさを探求し続けるんだ。PORTRAIT、本当に凄い作品になりそう。
・異次元のKARAKURIが演奏されざわつく会場。異常な空気感のなか、あっちこっちに散りそうになった観客の心をひとつにまとめ上げたのは、振り付けのあるFevermanとミラクルレボリューションNo.9の二曲。いつ聴いても楽しい。


・「20年も続けられるってすごいことですよね」と山内さん自身も言っていたが、本当にその通りで。紆余曲折を経て前に進み続けてきたバンドだからこそ、その演奏にはこの上ないエネルギーと気迫を感じるのかもしれない。フジファブリックの記念すべき20周年イヤーがますます楽しみになった。


1.徒然モノクローム
2.楽園
3.LIFE feat.ミキ
4.KARAKURI(新曲)
5.Feverman
6.ミラクルレボリューションNo.9
7.SUPER!!

3.フジファブリック加藤さんによる不思議なトーク

・フジのステージが終わって間もなく始まったのは、ロックお笑い部公式Xでも予告があった「加藤慎一の不思議なトーク」。各地で怪談を披露するトークライブを行う加藤さんが、なぜかこのライブで不思議な話をすることになった。
・加藤さん曰く、怪談というものは単に怖い話というわけではなく、怪異な話=少し不思議な話 全般を指すらしい。そんな前置きを踏まえ、加藤さんは2つの怪談を話してくれた。
・加藤さんが話し始めると照明が暗転し、加藤さんだけがスポットライトで照らされ、それっぽいBGMが流れはじめた。観客もそのいかにもな空気感に、静かに笑い出す。
・一つ目は「Do you remember?」というお話。短かったけど、最後にクスりとなるような展開だった。
・二つ目は、知り合いのあさみさんという人が体験した不思議な出来事についてのお話。写真や動画をモニターに映しながら話が進むのだが、これが普通にどころか結構怖い。次々と映し出される不思議なものに、観客のざわめきも止まらない。
・そんな話を淡々と話す加藤さん。話し方がとてもうまいので、怪談に一切興味のない筆者もつい引き込まれてしまった。


4.アジカン伊地知さん×フジ金澤さん×かが屋によるクッキングコーナー

・加藤さんの怪談が終了し、観客全員が「次はかが屋のネタだ!」と思っていたところでモニターに映し出されたのは、「アジカン伊地知潔 フジファブリック金澤ダイスケ かが屋による クッキングコーナー」の文字。またも会場がざわめく。終始こんなに客席がざわめくライブは今までに見たことがない。
・会場にはエプロンに身をまとった4人が登壇。突如料理コーナーがスタートした。
・加賀さん「まさか初めての豊洲PITで料理することになると思ってませんでしたよ!」 そりゃそう。
・消防法(?)などの関係でライブハウスで料理はできないという話を聞いたことがあったので、筆者もこれには驚いた。IHなら大丈夫なのだろうか?
・このライブはどうやらS&Bが協賛として入っているらしく、この料理コーナーはS&Bの調味料の宣伝の一環として行われたようだ。行列ができていて食べるのを逃してしまったが、会場の外にはキッチンカーがあり、伊地知さんと金澤さんがS&Bとコラボしてプロデュースしたメニューも販売されていた。
・まずは料理経験のない加賀さんが、伊地知先生のレクチャーを受けながらS&Bの調味料、レモンペッパーチキンの粉を使ってお肉を焼くことに。
・金澤さんがビデオカメラで調理の様子を撮ってモニターに映してくれたため、後方でも問題なく調理風景とわちゃわちゃした様子をみることができた。
・ロックとお笑いと怪談を短時間に摂取した我々は、この頃あたりから頭のネジがはずれ始めており、加賀さんが手袋をはめるだけで拍手喝采、袋に入れたお肉をもみ込むだけで「おおー」と歓声が上がってまた拍手喝采、というわけのわからない状況に。
・お肉を焼いている間に、伊地知先生が「残り一分くらいあるので、この間にショートコントでも…」とかが屋に無茶ぶり。この後につくったガパオライスの待ち時間も含め、かが屋は計二回のショートコントを行った。ひとつめはタクシーのネタ、ふたつめは待ち合わせのネタだったのだが、両方ともリアルにギリありそうな切り口からのコントで面白かった。
・二品目は応用編、ガパオライス。伊地知先生が下準備の際にレモンペッパーチキンの粉を入れ忘れるというプチアクシデントなどがありながらも、めちゃくちゃおいしそうなガパオライスが完成。
・このタイミングでカメラ担当は加賀さんに交代。料理をする賀屋さんの顔や、IHコンロの電源が繋がっているコンセントのアップを映すなど、やりたい放題。
・ガパオライスを賀屋さんが実食する際に、お肉を床に落としてしまう。それを見た加賀さんが「おいお前さあ、神聖な豊洲PITに肉を落とすなよ!」とツッコんでいた。
・無事にガパオライスを口に入れた賀屋さん、「うまかや!!!」とそのおいしさを表現。どうやらテレビではスベってしまったようだが、この会場にいる人たちは笑いへのハードルが低く正常な判断ももはやできていない。多くの笑い、歓声、拍手が響き渡っていた。
・その後に実食した金澤さんも「うまかな!!!」とひとこと。とても微笑ましい光景だった。
・事前予告なしに始まったコーナーだったが、ある意味これが一番面白かったかもしれない。

退場時にエスビー食品の調味料も貰えるという神ライブでした


5.かが屋

・カオスな企画が二つ終了し、ついにかが屋のステージがスタート。
・アジカンとフジのステージを見るのが初めてで嬉しいと語る加賀さん。アジカンの大ファンで、ライブ参戦歴もある賀屋さん。10年ほど前、賀屋さんはたまたま自分の誕生日に開催されたライブに足を運んだことがあるらしい。
賀屋「10年くらい前なんですけど、俺のためにアジカンがライブやってくれて…」
加賀「そんなわけないだろ!!たまたまお前の誕生日にライブがあっただけだろ??」
という一幕もあった。誕生日にライブが開催されると、自分のために!?と勘違いしてしまうこの気持ち、オタクあるあるなのではないだろうか。
・当初は座りながらやるコントをいくつか組み込む予定だったらしいのだが、奥にいる観客がステージを見ることができないということに気づき、急遽立って行うコントを増やしてくれた。やさしい。
・一本目に行ったコントは賀屋さんが加賀さん演じるボイトレの講師にソラニンの歌唱を習うという内容。ふたりでソラニンを歌う光景が面白くてみんな爆笑。
・二本目に行ったのも音楽関連のコント。上京目指して作曲を頑張る青年が、渾身の一曲に「東京」「虹」「HANABI」などの競合が多いタイトルばかりを選ぼうとしてしまうという内容。オチが「江の島エスカレーター」だったところがアジカン愛を感じて面白かった。
・その後はピザ配達のコント、電車のコントを披露してくれた。当初やろうとしていたものから変更があったのにも関わらず、そつなくコントをやり切るふたりに、ただただありがとう…という気持ちになった。


6.ASIAN KUNG-FU GENERATION

・ついにアジカン!とみんなの期待感が高まったタイミング会場が暗転。SEとしてまさかのスリラーが流れ、会場中が大爆笑。これ、まじで誰が提案したんだろう。スリラーが流れる中で登場するアジカンなんて、この日が間違いなく最初で最後。
・そして一曲目はこれまたまさかのソラニン。かが屋のふたりは事前にセトリを知って絶望したらしいが、あのコントがあったからこそ、この日のソラニンは一段と輝いていた。

・個人的に驚いたのは三曲目にブラックアウトが演奏されたこと。調べてみたところ、この曲が演奏されるのは昨年3月に行われたCody・Lee(李)との対バン以来約1年ぶりらしい。筆者はブラックアウトがアジカンのなかでも3本の指に入るくらいには好きなので、鳥肌が止まらなかった。

・MC中、「今日一番いじられてたのってアジカンじゃなくて俺だよね?」と不満を漏らしながらもなんだか嬉しそうな表情を見せる後藤さん。
・言わずもがなの名曲、リライトも演奏され盛り上がりが増す中、間奏の後にいったん音楽が止まる。ここでなんとかが屋が登場。
・かが屋が行ったコントは、なぜかアジカンが後ろにいるなかで大喜利をすることになった芸人、というもの。後ろにアジカンがいるというとてつもないプレッシャーのなか、

加賀「アジカンのボツにした曲、そのタイトルは?」
賀屋「うあ、え、あ、アネモネの咲く春に…」
加賀「それは実際にボツになりそうになった曲だから!本来は『マジックディスク』に収録される予定だったんだけど一回ボツになって、そのあと『ランドマーク』に収録されたやつだから!」

加賀「アジカンが改名を発表、ダサいと言われたそのバンド名は?」
賀屋「え、あ、え、、、……ゴーゴーシーチキンボーイズ」
加賀「それは実際に候補に挙がったバンド名だから!ゴーゴーシーチキンボーイズとアジアンカンフージェネレーションという究極の2択!!アジアンカンフージェネレーションでほんとに良かったわ…」

などとマニアなアジカンネタを披露し、笑いを誘う。
・その後賀屋さんがバンド名のお題でガチ大喜利に挑戦。賀屋さんが「サバ缶」と答えると同時に絶妙なタイミングでCメロから音楽が再開。
・曲終わりに加賀さんがもう一個しょうもない答えを出して変な空気になったままコントは終了した。アジカン愛がものすごく伝わるコントだった。
・本編終盤、「フジファブリックかっこよかったよね…」「フジファブリックは俺たちがきったねえライブハウスでやってたときから一緒だった同士だからさ…いろいろあったけど、いや、いろいろありすぎたけど、ずっとかっこいいバンドだよね」と後藤さんがフジファブリックについて語る。
その後、「さっき潔とダイちゃんが料理してるとき、俺はヤキモチ妬いてました」と会場をクスりと笑わせつつ、「アジカンが壊れそうになったとき、ダイちゃんが助けてくれたんだよね…」と呟く。
・長年続いているバンドも、全てが順風満帆に進んだからここまできているわけではない。数々の苦難の道を通り抜けながら、なんとかしてでもバンドを続けたいという強い意志を持って活動してきた軌跡が、この日のステージまで繋がっているということなのだと思う。ASIAN KUNG-FU GENERATIONと、フジファブリック。この二組が過去に存在したバンドではなく、今を生きているバンドであることに感謝しかない。
・「今日は音楽聴いて、お笑い見て、おいしいごはんを食べて…。とても幸せだったと思うんだけど、その裏にある大きな不幸せにも目を向けるのが俺たちのロックンロール」この言葉の通り、アジカンの音楽が向いているのは常に現実である。このバンドは今に至るまでずっと、現実に目を向け、これからのことについて考えるきっかけをリスナーに与え続けている。
・ブラックアウト然り、この後演奏された転がる岩…や解放区然り、今回のアジカンのセットリストは、いつにも増してメッセージ性が強かったように思う。ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドの本質的なかっこよさをいつにも増して感じ取ることができたステージだった。

1.ソラニン
2.Re:Re:
3.ブラックアウト
4.荒野を歩け
5.君の街まで
6.リライト
7.転がる岩、君に朝が降る
8.今を生きて
〈アンコール〉
9.解放区


7.アフタートークからの、かが屋・賀屋さんハッピーバースデー

・ここでついに全アクトが終了。この時点で開演から4時間以上が経過してた。開場時間と合わせて考えると、5時間近く立ちっぱなしという状況である。
・アジカンが退場して間もなく登壇したのはかが屋。その後フジファブリックの三人も後を追う形で登壇し、トークを繰り広げた。(ちなみにミキは次の仕事のためすでに会場を後にしていた)
・山内「先ほど袖からかが屋さんのコントを見させてもらっていたのですが、僕達の曲に『東京』『虹』もありまして……」
かが屋「どっちも大好きです!!(ふたりそろって頭を下げる)」
・その後、出番を終えたアジカンのメンバー(喜多さん除く)も登壇し、しばらく談笑。
・途中でかが屋のふたりが「あれ、喜多さんがいないですね?どうしたんでしょう?」と喜多さんがいないことに気づく。ステージ上のメンバーたちも観客もざわざわ、きょろきょろし始めたタイミングで、ケーキを持った喜多さんが登場
・実は、この日から2日後の2月19日は賀屋さんの誕生日。これはそのお祝いケーキである。好きなバンドのメンバーがいる中で誕生日を祝ってもらえることに動揺を隠せない様子の賀屋さん。
・会場にいる全員でハッピーバースデーソングを歌うことになった。加賀さんが「なんて呼んでほしい?」と賀屋さんに聞くと、賀屋さんは「そうや(下の名前)で…」と気恥ずかしそうに答えていた。
「ハッピーバースデーディアそうやく~ん♪」という大合唱が豊洲PITに響き渡る。
・最後に記念撮影が行われ、最高の4組によるロックとお笑いの祭典は満面の笑みのまま幕を閉じた。


おわりに

ロック、お笑い、怪談、料理と、盛りだくさんすぎる内容で開催された今回のライブ。
いろいろとカオスな空間ではありましたが、さまざまな壁を乗り越えながらもここまで歩を進めてきた二組のバンドの姿、そしてそのバンドのいちファンでもある二組のお笑い芸人が彼らへの愛をぶつけまくる姿を見ることができて本当に楽しかったです。

いろいろなことがありすぎてかなり長文になってしまった…ここまで読んでくださったみなさん、本当にお付き合いありがとうございました…

ではまた。

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?