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意外と教科書は読み返さないものです。

教科書は学生時代や試験を受けるときには読みますが、それ以外のときは、なかなか読まないと思います。特に資格試験の場合は取得後に読み返すことは少ないと思います。

私は普通科の高校に行っていたため、各造園学科の教科書の内容はわかりませんが、造園技能士の試験講座を受ける際に配布される、造園組合連合会が発行し厚生労働省職業能力開発局能力評価課が監修している「造園施工必携」という本があります。

これは内容がとてもいいのでこれから植木屋を目指す人にはぜひ読んでいただきたいです。造園施工管理の内容と違い現場で必要な技術や知識が丁寧に説明されています。剪定に関しても、「野ずかし」などのやり方がきちんと書いてあります。ぜひ読みこんで技術をモノにしてもらいたいと思います。


造園の教科書に強く影響を与えているもので「築山庭造伝」というものがあります。江戸時代中期に最も広く普及した作庭書で、前後編から成ります。著者は北村援琴で、享保20年(1735年)に著されました。

造園の古書自体が少なく、技術は口伝として継承されてきたので、書物として残っているものを参考にするしか無いためです。内容は風水や陰陽道の考えが強く出ているのと、昔の言葉のため意味やニュアンスが違うので言葉のまま受け取ると違う理解になる恐れがあります。

教科書は、古書の内容の「まとめサイト」みたいになっています。
ある程度仕事を覚えてから読み返すと、内容の意味が変わってきます。
この部分は説明してないなとか、今までやってきたことの再確認ができたりします。基本に立ち返るというのはとても大事なことですし、内容の理解度によって自分がどれくらい技術、知識が向上しているかの目安にもなります。


機械や技術の進歩によってできることが大きく増えてきました。
その為技術というものを、ある程度の頻度できちんと理解し考える必要があると思います。
例えば、滝を作る際に今はコンクリートやFRPで自然を模した岩盤を作り、水を循環させることができるようになっています。江戸時代は石を組んで滝を作る以外の選択肢はなかったと思います。
昔の技術を学ぶのと同様に、新しい技術も学び応用し続けることが植木屋を未来に繋げていく手段だと思います。

教科書を読み返してみてはいかがでしょうか?