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100日後に年越すオレ 68日目「れ:レスラー人生」

”いろは順”エッセイの十七日目、本日は”れ”です。

"れ”で選んだ題材は、「レスラー人生」。子供の頃からプロレスを見てきた身としては、色々語りたいことがありますね~。

いきなりですが、名作「レスラー」の話からしましょうか。2008年公開のこの映画は、ライムスター宇多丸さんはじめ多くの著名人が絶賛したことでも有名な作品。

かつてスターだった中年のプロレスラー(ミッキー・ローク)が、試合後に心臓発作で倒れ、医師から引退を宣告され、自身の人生を見つめ直す物語。ヴェネツィア映画祭金獅子賞、ゴールデングローブ主演男優賞受賞。(Wikipedia)

これがまたいいんですよね。これぞレスラーの生きざまっていう感じで。ネタバレになるのであまり書けませんが、ラストシーンで必殺技を繰り出すときに浮かべる笑み。これぞレスラー、と感じてしまいます。自分はリングの上でしか生きられない、だからこそ全てを賭けて戦う・・・。

奇しくもこの映画の日本での公開日が、日本のプロレスファンにとって忘れられない日である三沢光晴さんが亡くなった日というのも、何とも言えません。

という流れでこのまま三沢さんの話になってしまうわけですが、正直今でも信じられず、また信じたくない事実であるのですが、それによりレスラーを守る動きが加速し、様々な保証が付くようになったことは、せめてもの功績なのかもしれません。

【2009年6月14日デイリースポーツ紙面より】 日本プロレス界の頂点に君臨する現役レスラーで、プロレス団体「ノア」の社長を務める三沢光晴さん(46)が13日午後8時45分ごろ、広島市の広島グリーンアリーナで行われた大会の試合中、相手の技を受けて頭を強打。心肺停止状態となり、広島大学病院に救急搬送されたが、広島県警によると、同10時10分に死亡が確認された。

業界トップの選手の競技中の死亡事故というのは、F1におけるアイルトン・セナも思い出します。二人とも仲間たちからも尊敬されていた選手であり、トップの技術を持つ人であっても、たった一瞬のミスで命を失ってしまうという事実は、ファンにとってもスポーツを見るという行為自体を考えさせられました。

さてだいぶ暗い話になってしまったので、あえて明るい方向の話にして締めようと思うんですが、レスラー引退のタイミングというのはとても難しいですよね。だって何度も引退できるんだもの。日本人で一番多いのは大仁田厚でしょう。これまでに7回引退していて、そして7回現役復帰を果たしています。今も現役です。ある意味”引退”自体もプロレス上のストーリー(ブック)のようなものかもしれませんね。

とはいえ、今年の1月には僕が世界で最も大好きなレスラーである獣神サンダーライガーが引退してしまいました。ライガーさんはジャイアント馬場さんのように60歳を越えても現役じゃないかと思っていたので、とても寂しかったんですが、引退後の活躍(引退前からやっていた試合の解説だったり、引退後に始めたYouTubeチャンネル)を見ていると、とても楽しそうだなと思っていたり。その根底にはプロレスを盛り上げたい、という気持ちが見えるので、そういった意味ではライガーさんは変わらないなと思います。

人間、引き際が肝心とは良く言われますが、レスラーに限ってはその人の志向によって全く違うなあという気がします。スパッと引退して飲食業などに転身する者、トレーナーや団体運営、解説という形で業界に残る者、歳をとっても現役を続ける者、何度も引退しては復帰する者・・・。他のどんなスポーツよりも体を張り続けることになるレスラーだからこそ、最後の選択にその選手の生き様が現れるんだろうなあ。

でもだからといって、悲しい事件になるのは耐えられないので、しっかりと自身の体調管理をして無理をせず、ファンを楽しませてほしいと心から思います。

最後に、レスラーの生き様が良くわかる作品をいくつかシェアして終わろうと思います。

奇才・中島らもの名作。映画化もされてますね。

昨年公開、新日本プロレスのエースである棚橋主演の作品。

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