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学生綱領~防衛大学校学生の精神的基盤となるもの~

防衛大学校には「学生綱領」というものがあります。以下全文。

国家防衛の志を同じくしてこの小原台に学ぶ我々は、我々の手によって学生綱領を定めた。
その目指すところは常に自主自律の精神をもって自己の充実を図り、厳しい徳性のかん養に努め、もって与えられた使命の完遂に必要な伸展性のある資質を育成するにある。
 我々は、誠実を基調としてこの綱領を実践し、輝かしい防衛大学校の伝統を築くことを期するものである。
一 「廉恥」
一 「真勇」
一 「礼節」

「学生綱領」とは、防衛大学校学生が内面に追求する理想であり、確固たる精神的基盤になるものです。入校した新入生は真っ先にこれを覚えさせられ、4年間を通して綱領の実践に努めます。

8期生によって発案され、9期生・10期生によってつくられました。今年の4月に入校するのが68期生ですから、約60年もの間、学生の精神的な支柱として存在しているものです。

防衛大学校にはもともと「学生心得」という、規律を守るための規則を示したものがありました。しかし、「学生心得」は外面の規則であり、ともすると当初の趣旨から外れて解釈されることもあります。そこで、「学生心得」に代わる内面の理想となるものをつくろうという背景で、「学生綱領」が生まれました。

防衛大学校の教育は、部隊の即戦力になる知識や技術を身につけさせるものではありません。10年後・20年後・30年後、部隊を、そして国を背負って立つリーダーに必要な資質を育成する場なのです。

そのような幹部自衛官となるため、学生には自主自律の精神を育み、自ら学んで自己を成長させ、徳性を磨いていくことが求められます。部隊を率いて厳しい任務を遂行するためには、どんな状況でも自らを律していくことがとても重要なのです。

明日からは「学生綱領」の3つの柱である「廉恥」「真勇」「礼節」について、一つずつ解説していきます。

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