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インディジョーンズ 魔宮の伝説

1984年公開の映画ファンにはいわずと知れた最高のアクション・アドベンチャー作品。


「映画ファンには…」とは言ったものの「40代以上の…」と付け加えたほうがいいかもしれない。


現在40歳の私にはタイトル作の劇場公開時は2歳で、小学生になってからVHSで観たのが最初だろう。


シリーズ全5作で、昨年ホントに最後の作品が公開されたからPart1〜5で足かけ実に42年!


シリーズものの宿命だが、主人公演じる俳優がリアルに年老いていくという避けられない現実がある。


だから「スターウォーズ」も「ターミネーター」もストーリーの本筋は変わらないが、主人公を変えてみたりアナザーストーリー、リブートストーリーとあの手この手で延命息の長いシリーズにしている。



でもこの「インディジョーンズ」シリーズは主人公のインディ演じるハリソンフォードが最初から最後まで実に42年!(2度目)演じ切ったということを、#映画にまつわる思い出 を綴る前に強調しておきたい。




とは言ったものの「インディジョーンズ」の魅力と楽しさが凝縮されているのはPart1〜3だと思う。


これは前述「40代以上の映画ファン」のほぼ総意だとも思っている。(異論は認めない)



1980年代〜1990年代にかけて作られたPart1〜3だか、なぜか最初にみたのはPart2にあたるタイトルの「魔宮の伝説」


兄、弟、妹の3人で日曜日、2階の居間で映画を観るいつもの休日。


当然、このDr.Jones(考古学教授)のインド冒険譚は私たち兄弟妹の繰り返し観る通年レギュラーメンバー入りする。



日曜日の朝になると「今日もみようぜ!」とだれかが……いや、私か弟の男子2人が言い出し、小学1年生くらいの妹を付き合わせ、壁の穴から出てきて身体中を這いずり回る虫たちや料理のデザートに猿の脳みそシャーベット。


生きてる人間から動く心臓を取り出すいかにも悪人なギョロ目のハゲオヤジ。


吊り橋から落ちたモブキャラたちを待ち構えるのは腹を空かせたワニの大群。


あー、ワニって人食うとき身体をグルグル捻るんだー…とか、猿の脳みそって食えるのかー!とか、


動く心臓を取り出す謎の呪文と技?があるのか!すげー!!などなど純粋な子どもの探究心に強く訴えかけ、インディジョーンズごっこにとりかかったのは言うまでもない。



もちろん現実に心臓は取り出せないし、ワニの大群もいないし壁の穴から虫たちも出てこない。


それは子ども心にも百も承知のことだったけど、それでも現実である我が家の障子の穴から虫たちは出てきて、晩ごはんの食卓には猿の脳みそシャーベットが並んでいる…


そんなふうに普通の毎日の風景に「インディジョーンズ」の世界は確かに存在していた。


それからシリーズPart1にあたる「レイダース 失われた聖櫃」Part3にあたる「最後の聖戦」も観て、ますますインディジョーンズの世界は現実に広がっていく。


だけど、どうしても手に入らない…というよりどうしてもなりきれなかったのが「インディジョーンズ」その人だった気がする。


日常の風景のなかにその世界は確かにあったんだけど、あの帽子と鞭だけは代わりになるものが見つけられなかったような感覚…





それから月日が流れてPart3から19年後の2008年にPart4の「クリスタルスカルの王国」が公開。


しかし当時25歳の若者だった自分には世界の不思議を追い求める考古学教授の冒険よりも、目の前の恋愛や友人や仕事に追われる日々のほうが優先だった。


だから「クリスタルスカルの王国」は後年、30代になってから初めて観る。


観たはいいが、子どもの頃のワクワク感はない。ないだけならともかく内容的にもうーん…な印象だった。






そしてそこからさらに15年という月日が流れ2023年、本当に最後の冒険となるPart5「運命のダイヤル」が公開決定。


主人公のインディ演じるハリソンフォードは御歳80歳になっていた。



だが予告編をはじめてみた時、そこにいたのは紛れもなくインディジョーンズその人でトレードマークの帽子と鞭で相変わらず世界の不思議を追い求めて冒険をしていた。




今では40歳となり家族を持った自分が恋愛、友人と青春していた頃も兄、弟、妹3人でインディジョーンズごっこをしていたころからずっとずっと変わらず冒険していたんだ…と


積み重ねてきた自分の歴史と変わらない物語の世界線が重なって予告編から泣いていた。




もちろん本編も映画館で観て号泣した。だけどその涙は8割、、いや9割ノスタルジーによるものだ。



ストーリーどうこうじゃなかった。そんなの映画好きとしてどうなの?と言われそうだ。



だけど私にとって「インディジョーンズ」シリーズはそんな稀有な映画の見せ方をしてくれた奇跡みたいなシリーズだ。




42年という人ひとりの人生を語るのに十分な時間を、インディジョーンズという最高に魅力的なキャラクターを演じ切ってくれたハリソンフォードに尊敬と感謝の念を抱いてやまない。


余談

中学生か高校生のころに地元の遺跡発掘アルバイトの募集をしていた。


Dr.Jones(ジョーンズ教授)に憧れを抱いていた自分は応募し、見学に行くことになった。


トロッコまではないにしても、まだ誰にも発掘されていない文書や騎士の墓なんかを見つける手掛かりでも…?!と意気込んでいたのだか、


現実にはうだるような暑さの炎天下でチマチマと土をよける光景に一気に憧れが萎んでしまった。


無論、バイトには行かなかった。





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