僕がCTOとして、クリエイターエコノミー以後のBtoCマーケティングについて考えていること

先日僕がCTOを務めているCHILLNNからノーコードツールをリリースさせていただきました。おかげさまで多くの反響を頂いており、お問い合わせをたくさん頂いております。現在、CSチームの強化とオンボーディングフローの精査を進めておりますのでご案内できるまで今一度お待ちいただければと思います、、、。

さて、個人としては久々にnoteを書くのですが、僕が最近考えていることについて話していこうと思います。徒然なるままに書いていくので結構脱線します。すいません。

はじめに

僕がサービスを作っていく中で、「配荷率」に対するマーケティングのトレンドが変わってきているなあと感じています。

NFTとクリエイターエコノミーについて

クリエイターエコノミーという言葉が示す通り、ここ数年は、SNSを通じて影響力をもった個人が、ユニークなマーケットを持つようになり、それをマネタイズ可能にするために、個人が提供するあらゆるサービスに対して、決済手段を提供するサービスが次々に登場してきました。

特に、これまではマーケットが存在しなかった個人の知的財産が、デジタル資産として売買可能になってきており、僕も、起業した当初からどんな属人的な知識、またはどんな属人的サービスならば金銭的価値を持ちうるだろうかとずっと考えていました。

しかし、一方で、法人ではない一個人が自らの知的財産に値付けを行い、販売する構図は、一消費者として、ずっと違和感を感じてきました。複製は0円で行えるし、1000円あれば新書が買えるのに、その金額の妥当性はどこからきているんだろう。もちろん、熱狂的なオーディエンスはお布施として購入するだろうけど、一度市場に出してしまったものは、先んじて購入した方への配慮もあり、市場価格に辿り着かないはず。それゆえ僕は、複製可能なデジタルアセットを買いずらいのです。(クラファンとか支援とかは全然します。むしろ好きです。)

この個人が行う値付けというものは、メルカリがUS進出した際にも大きな課題であったようで、MLを利用して、販売価格を提案するという機能は非常に効果的であったと最近、山田進太郎さんが記事の対談でおっしゃっているのを見かけました。

こんなことを感じていたので、昨今のNFTの爆発的な流行を、僕は、金銭的価値を感じにくく、金額の妥当性が見えにくいデジタル資産を売買するためのソリューションだと認識していて、その意味でクリエイターエコノミーへのカウンターなのかなと考えていました。

あと、NFTで面白いのはユーティリティではなく、シンプルに権利を売っているってところです。月の土地なんかと同じ感覚でしょうか。大学時代にはブロックチェーンを専門にしていて、研究の側、この領域でのtoC向けのサービスを考え続けていた身として、マジか、それって価値なんだ、と、人間や市場への無知を体感する毎日です。

SNSが発見し続ける
コミュニケーションの「自然さ」について

最近、同僚から勧められて"池袋ウエストゲートパーク"を見ているインターン生が、

池袋ウエストゲートパークめちゃめちゃいい。なにがいいってスマホがないのがいい。スマホがないから、『また明日この場所でな』っていう言葉がまた集まるために必要なんだよね。

と言っていました。

これを聞いて、ガラケーだった高校時代のエモさを思い出すと同時に、ソーシャル系のサービスはコミュニケーションの前提を作り替えているんだなあと感じました。

今まではなんとなく、SNSは新しいコミュニケーションやエンターテイメントを作っているのだと考えていて、なんらかの「不」を解消しているとは考えていませんでした。いくつか自分の中でも筋の良さそうなSNSのアイデアをストックしているのですが、この観点で精査したことはありませんでした。

しかし、全くそうではなかった。現実のコミュニケーションで生じる、あらゆる「不」を発見し、解決するサービスがSNSなのだと気付かされました。

そうして、より自然なコミュニケーションがうまれていく。

流行っているということは、その領域に多くの人が抱えている共通の課題があったということで、あらゆる例を考えてみれば当たり前なのですが、テクノロジーは実生活の自然さを次々に拡張していくのですね。

テクノロジーは自然さを拡張していく

この言葉は、僕が適当に言語化したのですが、単語に抱いているイメージと矛盾していて、めちゃくちゃにおもしろいなあと感じます。

BtoCのコミュニケーションについて

BtoCのコミュニケーションをSNSと比較して考えた時、ここにイノベーションは起きているのでしょうか?新しい自然さは生まれているのでしょうか?

主観を述べると、起きまくっていますが、特にコミュケーション領域は、いまだ余地がありそうだなと思っています。

最近では、多くのSNSがクリエイターが直接マネタイズできる機能を提供しつつあり、これは広告のROASが低下しているのか、はたまた、事業者側のサイズが小さくアンバンドルされつつあるのか、、、なんにせよBtoCの広告によるコミュニケーションは変容しつつあることが見て取れます。

あと、少し前は

コロナ禍で、ライブでのオンラインコースがこんなに売れたのはなぜだろう?
一方で、D2C的なアーカイブ動画の販売プラットフォームで有名どころがないのはなぜだろう?

みたいなことを考えていて、インターネットは空間に対して開いているが、時間に対しては閉じてきており、それによって新しい価値が生み出されているんだなあと感じています。
これだけの情報が常に生産されていれば、全ての情報がフロー型になってしまうのは必然ともいえます。

このようにメディアが変容しているので、ブランドと消費者の関係性は変わり続けているのに、SNSほどには、コミュニケーションの形が変わっていない。
そんなことを感じていて、ここの領域にはチャンスがありそうだなと思っています。

ここに対する僕らなりのアプローチを、あまり詳しくいってしまうと、僕らの次の一手のネタバレになってしまって面白くないので濁しますが、僕はこの領域に対してサービスを提供していこうと思っています。

最後に、個人的な学びについて

全然技術の話をしていなかったので、CTOとして、すこしだけエンジニアリングの話をさせていただければと思います。

これまで、僕自身、経営は行なってきましたが、最近は特に広報やマーケティングに関与するようになりました。プロダクトが進化して、リソースを投下できる場所が少し変わってきたということもありますが、今思えば、最初からもう少し広報にリソースを回していてもよかったかなと思っています。というのも、リリースを書いていて、エンジニアリングやSaaSに対する学びが非常にあったからです。

自分が作ったものを語る言葉は、細部まで知り尽くしているが故に、どうしてもあれもこれも書きたいと複雑化してしまいます。自分が書き上げた文章に関して、客観的なFBを外部に求めると、わかりにくいとの指摘や、この部分は省いた方がいいとの指摘が容赦無く入ってきます。

最初は、「マジかここ重要だろ、、、この記述はイケてるだろ、、、え、この考察、めちゃくちゃ面白くない???」とか思っていたのですが、改善を続けるうち、指摘に納得がいくと同時に、不思議と自分が次に作るべきものの解像度が上がっていきました。

エンジニアリングというよりは、別の業界でもよく聞くことですが、「リリースから作る」という開発手順は、エンジニアにとっても何を作るべきか、何が必要なのかの解像度を上げてくれるという点で、かなり有効だと感じました。

なんか結局エンジニアリングの話なのか微妙ですが、なんの技術を使うかは、サービスの本質とはあまり関係がないし、スキルでアイデンティティを語ってしまうと、それ自体が自分を規定する枠組みになってしまいます。一方で、作るべきモノ(求められているモノ)の解像度を実装前に可能な限り上げておくことは、僕はエンジニアリングの範疇だと思っています。僕自身セールス的なコミュニケーションはすごく得意というわけではないですが、事前にどう売るかを考えることは重要だよねという話でした。

日々、学ぶことだらけで、ネタには当分困らない予定なので、これからも定期的に発信していこうと思っています。(しかし、ライティングは大変だ、、、)

お願いがあります!

そんなこんなで、サービスが伸びてきており、採用頑張っています。
これまではセコセコと小さな部屋にこもって良いモノを作ってきたのですが、ようやく手応えを感じつつあり、グロース頑張らなくてはということで積極採用を始めました!

自分自身、まだまだ学んでいかなくてはならないので、伴走してくれる方がいらっしゃいましたら、ちょっと、人生かけて手伝ってくださると嬉しいです。(サムネ全部一緒ですが、募集職種が違います!)

あと、利用者様向けのウェビナーを企画しているのでこちら、ご興味あればぜひご参加ください!


ではでは、また近々更新すると思います。

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