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疲れる前の塩豚

転ばぬ先の杖という諺がありますが、まあ、意味は分かっても、実感としてはあまりないように思います。

私にとっての杖が、塩豚だったので、疲れる前の塩豚と銘打たせてもらいましたが、やはりこれも実感する人はそれほど多くないでしょう。

何となく、この文章に触れて、試してみようかなと言う人が増えたら面白いなと思うばかりで文字を並べている今です。

先日の刊行イベントで塩豚の作り方を、豚の塊肉、豚バラ肉で。と紹介しましたが、なにも豚バラ肉にこだわることはありません。スーパーに並んでない時もあるでしょう。そんな時に、じゃあ別のスーパーで。なんて元気があるんだったら、塩豚を仕込んでおいておく必要も無い。

なんでもいいんです。
バラ肉にこだわらなくても良い。
肩ロースでも、なんでも。

ただ、塊肉にはしておいて下さい。
表面積が増えると、菌の繁殖がちょっと不安です。
同様にセール品もちょっと怖いです。
私はよくセール品でも作りますが、初めてで作ってお腹くだしたら、2回目はないでしょう。そんな悲しいことは無いので、ちゃんとセール品じゃない新鮮なものがいい。
そんな条件で、好きな豚の塊肉をご用意下さい。

これに対してすり込んでいく塩はだいたい2%を超える量。あんまり少ないと腐敗が怖いので、多めが安心でしょう。ちょっといいお塩を使うほうが良い気がします。だからと言って、普通の塩がダメということはない。

さて、2%
これも困るところですよね。
はかりなんて家にないぞ。という人もいるでしょう。
そういう時、小さじ1が5~6gだそうです。ティースプーンも同じくらいやと言うんで、家にある小さめのスプーンですくったら、だいたいこんなもんでしょう。

困ったら多めにまぶしときましょう。少なくて腐るよりなんぼもマシです。長いこと放置しとく時も、多めにまぶしときましょう。

まぶす時、絶対に素手では触れへんこと。
ゴム手袋で触りましょう。
せっかくここまで意気揚々と準備したのに数日後に腐敗臭と挨拶することになりかねません。
手袋がなかったらナイロン袋に塩を入れて、綺麗な箸でつまんで肉入れて、袋越しに揉む。全体に塩が回ったら、空気を抜いて密閉。
手袋があるなら、空気を抜いてピチッとラップに包む。上からさらにナイロン袋で覆ってやるのも良いでしょう。少し水分が出てくるので、汚れ防止になります。

さて、調味料が無いからと言って、勝手に別のもので代用する素人はクソですが(その上不味いレシピとか吹聴するなら尚更)道具はなんとでもなります。なぜそうするのか、やらんかったらどんな不都合があるのか、それさえ分かっていれば、条件を満たすものならなんでも良い。例示でナイロン袋をあげましたが、それもないなら他のもので変えれば良い。わざわざ新しく買うのはハマってからにしましょう。ごみが増えます。

ここからは、初めてやるのにいきなり揃えたらパートナーにボコられること必至の、ハーブとスパイス。あるもので少しずつ試せばいいです。

家にありそうなもので、おすすめのものはこちら
・ブラックペッパー
・一味
・七味
・ニンニク
・バジル

あるんやったら入れたらええんちゃうかなっていうポジションがこちら
・ローズマリー
・タイム
・オレガノ
・ディル
・ナツメグ
・クローブ
・シソ

何入れるか困ったら、匂い嗅いで、なんかお肉から香ってきたらおいしそうやなぁ。っていうのを入れたらよい。七味や一味は当然辛くなるので入れすぎには注意。レシピを探して入れてみるのも良いが、何となく自分の好きな香りがするものを入れて作る方が楽しい。
次はこれを入れてみようか、これもっと増やしたらどうなるんやろう、という具合に沼に入っていくのでおすすめだ。

疲れた時、家に帰ったらうまい飯が待ってるんや。というだけで心の支えになることは言うまでもないが、次はこれを入れてみよう、今回はこうしてみよう。という具合に、頭を使って楽しめるのであれば、それ自体がリフレッシュにつながる。二重に癒してくれるのだ。没頭できる趣味を手にする、リフレッシュの手段を得る、そんな1歩目を是非あなたにも。
塩豚から始めてみよう。

(3日くらい寝かした後、シンプルに焼いて食うのがおすすめです。レタスに巻いてもいいし、パンにはさんでもいい。ちょこっと切ってやっべえ、塩辛いな。ってなったら、水にしばらく漬けておけばいい。せっかく、スパイス使ったのに…。と思うかもしれないが問題ない。その香りはすでに肉に移っている。楽しい塩豚ライフを。)




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