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【#Mood】ナルキッソス(Narcissus)

ある青年が泉の水を飲もうとしたとき、泉の中にとても美しい青年がいた。

青年は一目で恋に落ちた。

彼は水中の青年から離れることができなくなり、そのままやせ細り死んでしまった。

諸説あるが、このギリシア神話に登場する彼の名前は「ナルキッソス」。ナルシストの語源とも言われている。

25卒の就活解禁に伴って私も他己評価を回収するようになった。

ある時はゼミで、ある時は飲みの場で、「私の印象」を聞いてみた。

非常に多かったのは「自信家」。

しばしば自己分析に用いられる「ジョハリの窓(Johari Window)」という心理学モデルがある。

このフレームワークは自己認識と他己認識のギャップを理解するのに役立つと言われており、自己認識と他己認識の二軸でマトリクスを作成するというものだ。

ジョハリの窓


私の「自信家」という他己評価は「秘密の窓(hidden self)」に該当する。 

この「秘密の窓(hidden self)」というのは他人には知られていない、自分だけが知っている隠された自己のことで、コンプレックスやトラウマなどもこれに当てはまるとされている。

私の場合自己肯定感の低さを隠すための「自信」なのだ。

事実、本当の私は自信がなく、常に不安を抱えている。

しかし、結果を出している人間は自信ががないと「卑屈」という評価をされる。

私は、運動、勉強、就活においても結果だけは残してきた。それは事実であり、全くもって自慢ではなく、自己評価とも関係ない。

私の中で「卑屈」と評価されることは「自信家」と評価される以上に不愉快な評価であり、一種のトラウマなのかもしれない。

ただ意外なことに「ナルシスト」という他己評価は意外にも少なった。

では「自信家」と「ナルシスト」は何が違うのだろうか。

CHAT GPT3.5に違いを聞いてみた。

「ナルシストと自信家の違いは?」
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ナルシストと自信家の違いは、主にその根底にある考え方や行動の動機にあります。

自信家は、自分自身や自分の能力に自信を持っている人です。彼らは自分の価値を認識し、自信を持って自分の能力や考えを表現しますが、周囲の人々を尊重し、他人を尊重することも理解しています。自信家は他人を尊重し、協力したり、他人の意見や感情を考慮することができます。

一方、ナルシストは自己愛性人格障害の特徴を持つことがあります。彼らは自己愛が非常に強く、他人よりも自分のことを優先し、自己中心的であり、自分の優越感や成功を強調する傾向があります。彼らは他人の感情や観点を無視し、自分の利益や欲求を追求することが多いです。

要するに、自信家は自分自身を肯定しつつも他人を尊重し、ナルシストは自己中心的で他人を無視する傾向があります。
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なるほど。。。

これを見て他称「自信家」の人は私と同じ「秘密の窓(hidden self)」に該当する可能性が高いと思った。

人間は本当に自信がある状態のとき、認知バイアスの一種である「確証バイアス(confirmation bias)」に侵されている可能性が高い。

「確証バイアス(confirmation bias)」とは認知心理学や社会心理学で用いられる用語で、仮説を検証する際に、それを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視、集めようとしない傾向のことである。

「確証バイアス」に関しては別の機会で詳しく話すとして、今回伝えたいことは認知バイアスというのは、人間が生き残るために進化の過程で身に着けた能力ということである。

これは進化人類学関連の本を読んだことのある人は知っているかもしれないが、人間の脳の機能的に「認知バイアス」を避けるのは困難なのだ。

「ナルシスト」は自分が完璧で、その自身の考えは至高の領域だと考えるがゆえに反証など求めておらず、自身の仮説を下支えする検証を繰り返す。

一方、他称「自信家」は自身の考えに、他者の意見を取り入れることでその考えはアウフヘーベンされると考えている。ゆえに反証も求める傾向にある。

どちらが正しいかの議論の余地はあるが、少なくとも他称「自信家」の人は反証も求め、それを取り入れようとしている時点で、自分の意見に100%の自信を持っていないと仮定できる。

もしかしたら「ナルシスト」こそが本当の意味での「自信家」なのかもしれない。つまり「ナルシスト」という概念は「自信家」という概念から遊離して独立した概念ではなく、包含された本質なのかもしれない。

さて、これで他称「自信家」が「秘密の窓(hidden self)」の可能性が高いという私の仮説の信憑性も高まったのではないだろうか。

この記事を読んだ博識な読者の皆さんは思っただろう。
私が「確証バイアス」に侵されていると(笑)。

この記事は皆さんの反証があって初めてアウフヘーベンされる未完成の記事だと考えているので、是非、反証して欲しい。





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