2024年3月12日(火)『長崎大学お笑いサークルCCC』

「お笑いサークル公式化しましょう」

2022年の2月25日に送られてきたこの一文から全てが始まった。

3月5日と7日に開催された卒業ライブが終わり、約2年間に渡るサークル活動に幕を閉じた。

長崎大学お笑いサークルCCCとして活動してきたこの2年間、とても楽しい日々の毎日だった。

2020年のM-1グランプリを機にお笑いに一気に目覚めてやる気が溢れていくのを裏腹に、それを発揮できる場所がなかった。

一番の近道だった落語研究会も当時の先輩方と話をしたところ、方向性が全く噛み合わず入部することなく唯一の道が途絶えてしまった。

それでも以前所属していた放送研究会の一員であった原口、延原とM-1グランプリ2021に出場する。

もちろんライブとかも打てるわけないからその放研の部室でネタを作ってネタ合わせをする。お客さんの反応とかも見ようがないから動画を撮って見返して、でもお笑いを始めたばっかりで何が正しいのかもわかんなくて、試行錯誤で挑んだ初めてのM-1は惨敗で終わる。

このM-1までの期間で軽く「お笑いサークル作っちまおうか」という流れもできたけどM-1が終わったことと、申請の期間も終わっていたこと、各々のテストなどが忙しかったりでほぼ無かったことになっていた。

そして月日がたったある日。

延原から一通の連絡が入る。

これがきっかけとなり、誰も知らない”エピソード0”が終わり、”エピソード1”の幕が上がった。

ここからは楽しいことの連続だった。

人数を確保するために原口とレン君を半ば強引に引き込み、サークルの公式化の為に書類を申請する。本当のゼロから一つ一つ過程を進めていってサークルを作る、まるで国作りのゲームをやっているかのような気分。わかんないことだらけだけどそれが楽しくて、先輩に聞いたり、学生支援課に通い詰めたり、締め切りに追われまくったりでこの申請の期間慌ただしい毎日だった。そして無事公式化した時にはまたみんなで大喜びしたのを覚えている。部室をゲットした際には喜びすぎてそこに住もうかとも考えた。部室に机や椅子を持ち込んで部室っぽくなっていく様はずっとワクワクしていた。

サークルが公式化して「お笑いサークルCCC」と名付けその歴史が始まった。

そこからは単独ライブに明け暮れたお笑い尽くしの1年間だった。

とりあえずライブの準備して、ライブを打って、終わったらすぐ次のライブの準備に入ってとストイックすぎるくらいの活動。もうサークルじゃなくて部活と疑ってもおかしくないレベル。サークルらしいことと言えばクリスマスの日にクリスマス会をやったくらい。それでもその前にライブのリハーサルをやってるから元も子もない。

1回目のライブに至っては人が足りなすぎるなかでの開催となったため、お試しスタッフの募集したり、当時競合だったお笑いサークルに手伝ってもらったり、演者も演者で手当たり次第コンビを組んでネタを考えたりと必死だった。1回目ということもありライブのクオリティは置いといて、無事に成功したことはとても嬉しかった。自分たちで作り上げて成功を迎えるなんて達成感が凄まじかった。打ち上げでお試しで来てくれていた女子たちが入部を決めてくれて飛び跳ねるくらい喜んだのも、1回目のライブはやはり思い出深い。

ここから始まったんだと今でも懐かしむことがある。

2回目では前回の反省を活かしたり、シンプルにレベルが向上してライブとしてトップ3に入るくらいの盛り上がり。跳ね方が尋常じゃ無かった。見に来てくれたお客さんからも好評に次ぐ好評でありがたい言葉をこれでもかと頂いた。その結果に調子に乗りすぎたのか、3回目のライブでは信じられないくらい転けたのも今ではもう笑い話。当時は全く洒落になってなかったけど、このライブがあったからこそまた初心に帰れてまた少しずつ頑張ろうと思えるきっかけとなった。

この1年間はほんとうに怒涛の日々だった。2年目と違ってそもそもの部員が少なかったから1人1人の負担も多く、必死になってなんとか部を回しているあの感覚。ライブでもスタッフは動きまくっていたし、演者も3ステージなんかは当たり前。各個人の頑張りが確実に成果に現れるような1年間だった。

しかし、その分クオリティで見た時に劣ってしまうのも避けては通れなかった。勿論その時は最高のライブになるように身を削っていたのだが、やはり人が少ないならではの弊害は出てしまう。穴を見つけきれなかったり、ネタも作りさえすれば出来るという言ってしまうと甘えが見られる点もあった。

それでもこの1年目は楽しくて楽しくて仕方なかった。今でもこの時の慌ただしさを覚えている部員が今では少し物足りなさを感じてしまうくらい。始まりの1年というのはそれほど特別でかけがえのない大切な思い出。

ただ、楽しいだけの日々ではなかった。

ぼくらは大学生だし、言ってしまうとまだギリ子供。そして大学のいちサークル。全てが上手くいくなんてあり得るわけがない。この1年目の終わりがけは特にしんどかった。とあることがきっかけで揉めてしまうことがあってそれがどうしても辛かった。この時だけは誰かに助けを求めたくなるくらい心にきていた。それでも部長であり一番の先輩であったためなかなか口外できず1人で抱え込んでしまい、本当にサークルを辞めてしまおうかと悩んでいた。

どうにか思い立ち止まって辞めずにはすんだものの、この時の傷は今でも思い出しただけで心がすり減っていく。今では本当に辞めなくて良かったと思える。この時にやめなかったからこそ2期生という可愛い後輩達にも出会えたわけだし、自分の可能性を見出すことができた。なによりも一期生の絆をまた一層深くすることもできた。本当に良かった。この後にも挫折や心を粉々にされることが2回あったのだが、このことがあってギリ耐えることができた。弱さは人を強くするとはまさにこのことだった。

そして2年目が始まる。

ただでさえ部員が少なかった為、新入部員が頼りとなる2年目。本当に4月になりたての頃なんて侵入部員のしの字も無かったため本当にサークルが終わるんじゃないかとも考えさせられた。数年間存在していた幻のサークルとして名が残ることもアリかもしれないみたいな声が上がってきた頃に、軽音サークルの”E-Rockers”とアカペラサークル”はもねぴあ”の交流のあった2つのサークルに声をかけて合同新歓を企画した。この合同新歓と、サークル連合さんが主催した新歓祭のおかげで驚くほどに2期生が入部してくれた。ぼくらの新歓でのネタを見て入部を決めてくれた子達が多くてお笑いやってて良かったと思えた。

トータルで1年生が18人、2年生が1人、3年生が4人も入部してくれた。2、3年生なのに途中から入部してくれたのが個人的に嬉しくて、そういう窮屈なイメージや近寄りがたいイメージがなかったと思ってくれたのか、もう固まりつつある残りの大学生活でこのサークルを選んでくれたことがとても嬉しかった。恐らく2、3年生になったら今更サークルに入らなくても大学生活は充分に楽しめるはず。それなのにまた一から未知の領域に足を踏み入れてくれたことは本当にありがたかった。

この2年目は1年目と比べてだいぶサークルらしい1年間だったと思う。

単独ライブなどの軸ははっきりしつつも、合宿だったり、M-1をみんなで見たり、YouTubeの企画を動画を撮ったり、ゲームしたり、麻雀したり、モルックしたり、ご飯食べたりと、切羽詰まらずに楽しいことを沢山できた。活動の幅が大きく広がった。

そのおかげか1年目と比べてみんなの表情は明るくて爽やかだったように感じる。

合宿やM-1をみんなで見ることは初めての経験だったけど、意味わからないくらい楽しかった。みんなで騒ぎあって夜中まで起きてたり、普段ネタをしない人がネタをやったりと楽しすぎる2泊3日。M-1の決勝を見た時も、ほとんどの部員が昼過ぎからの敗者復活戦から集まってみんなで笑い合った。それまで賞レースなんて1人でしか見てこなかったからこそ、みんなで共有することの楽しさを身に染みた。それでも合宿もM-1もみんな楽しそうにしてくれていたのが何よりも一番嬉しかった。

本来ならこれを1年目からやっておかなければならなかったのだが、ぼくが未熟すぎた。青すぎた。あの1年間を否定するつもりはないが、みんなにもっと大学のサークルというものを実感させてあげられなかったことを非常に後悔している。もっと楽しいことを沢山企画してやらなければならなかった。そしたらもっと変わっていたかもしれない。みんなごめんね。不甲斐なさすぎて特に2年目はそこに重きを置いていたかもしれない。

人数が2倍以上になったことでサークルの規模が単純に2倍に。ライブの数も増えたし、演出面も向上、演者の数が増えたことによってライブに出るためのオーディションなんかもやらなければならなくなった。その為ライブのクオリティというものがとんでもないくらい成長した。第5回単独ライブは当時過去一のライブと言っても過言では無かった。ライブの質が上がることはぼくらも非常に嬉しくて喜ばしくて楽しくてしょうがない。お客さんもその度に楽しんでくれてお笑い冥利に尽きていた。

そして卒業ライブを迎えた。

準備の段階でも卒論に追われていたりでちゃんとした時間を取れることもなくら隙間時間を見つけて4年生を中心に少しずつ話を進めていく。最後だからこそのこだわりがあったり、そのこだわりを守る為に捨てなければならないものがあったり、結局それが捨てきれずまた考え直したりと卒業ライブだからこそより入念に話し合いをしていたと思う。全てが決まった後にも不備が見つかってまた改めて話し合いをし直すこともあり、過去一でライブの準備に手を焼いたかもしれない。

しかし、そのおかげか当日はもうとんでもないくらい楽しくて最高のライブになった。各相方達や、スタッフ、お客さんみんなが一つになって楽しもうとするあの雰囲気。あの空間の痺れるような興奮するような圧にずっと夢見心地だった。またあの舞台に立ちたいと思ってもそれももう叶わないが、これからもあの舞台は後輩たちが引き継いでくれるのだろう。

本当に最高の終わりだった。

今まで1つでもライブに見に来てくれたみなさん。本当にありがとうございました。みなさんがライブを見に来てくれたからぼくはここまでやってこれました。最初は友達だけだったところから、今ではサークルを目当てに来てくれる人も増えて感謝がつきません。お笑いという少し手を出しにくいジャンルで、そして素人の大学生がやっているという聞くだけでは絶対に興味を示さないようなぼくらのライブにわざわざ足を運んで頂いてありがたかったです。お客さんの大事さを尚一層知ることができました。

特にお笑いをやってきた中で、とある個人の心の支えになっていたと言われたことがあります。とても落ち込んでいた時に救われた、また頑張ろうと思えたと。それを聞いた時にぼくも泣きそうになりました。人を笑わせる為に楽しませる為に始めたお笑いでそうやって沈んだ心をまた明るく輝かせれたことが何より嬉しくてその一言でよりいっそう頑張ろうと思うことができました。その人にとってぼくが心の支えであったようにぼくも助けられてました。また2年目の半ばくらいにぼくのことを推しと言ってくれるファンの人がいたことも信じられないくらい嬉しかったです。友人がそう言ってくれることもあったけど、本当に関わりのなかった人がネタを見てそう言ってくれてプロの気分を体験させてくれました。絶対に調子に乗っていたと思うけどそれくらい嬉しくて喜ばしかったです。それからの時間は短かったにしても毎回ライブに来てくれて感想を言ってくれたり勿体無いくらい幸せな時間を過ごさせてもらいました。本当にお笑いをやってて良かったと思えました。ありがとう。

本当にみなさんありがとうございました。

たったの5人から始まったCCCも、今ではもう34人。この変化に胸が熱くなる。LINEを開く度にピン留めしている「長崎大学お笑いサークルCCC(34)」という文字を見て感慨深くなる。

増えたなぁ。思い切りで作ったけど無くならないで良かったなぁ。ここから31になっちゃうけど、また新入部員がどれだけ入るんだろうか。もしかしたら50超えてしまうんじゃないか。

と、あの時にはただの夢でしかなかったことが今こうやって現実で叶いそうなところまで来ている。

大きくなったなぁ。

本当に楽しかった。

この2年間は今までのどの2年間よりもアツくて濃密で楽しくて1番成長できた2年間だった。本当に本当に楽しかった。楽しすぎた。楽しすぎたが故に離れたくない。ずっと身を置いていたい。一緒にゼロから作って大きくしてきたものから離れなければならいことが寂しくて悔しくて悲しくてなかなか受け入れられない。

でもあれだけ最高の最後をみんなに提供してもらったからそんなことも言ってられない。

ぼくができるのはみんなのずっと一緒にいることじゃなくて、その先を歩みみんなにかっこいい背中を見せ続けること。初代の卒業生としてそのサークルの名に恥じないようにこれからも初心を忘れずに、この2年間を忘れずに頑張っていこう。

ずっと来年度からのサークルに対して心配な気持ちもあった。4年生がいなくなっても大丈夫なのか、アイツらだけでやっていけるのかという心配が。それでも今のみんなならもう大丈夫。みんなの話を聞いたりしたら全然安心できる。全てを任せれてぼくは巣立つことができる。後輩たちの活躍をすぐ近くで見れないのは残念だけど、何かある度にチェックしよう。どれだけ成長しているのか、どれだけ楽しんでいるのか、どれだけ笑っているのか。アイツらのこれからが楽しみだ。

後輩たちよ。

みんなから見てぼくはいい先輩が出来ていたのだろうか。大学に上がるまでちゃんとした先輩を出来てこなかったからこそ不安ではあったが、ぼくはみんなの先輩だっただろうか。サークル始めた当初からぼくが1番上で、先輩という立ち位置も模索しながらで正確なお手本が居なかったからこそ、自分で考えるしかなくて不備だらけの未熟な先輩だったと思う。それでも慕ってくれてたのかな。みんなのお手本になれていたかな。マツウラみたいな先輩になりたいと思ってくれたかな。みんなに、サークルに何か大きなものを残せたかな。そうやって思ってくれてたら嬉しいな。ありがたいな。

そして同期たちよ。

3人という少ない人数だったけど、どの学年よりも仲良かったと思うよ。誕生日プレゼントも渡し合って、4年会して飲みまくって家に行って朝までゲームする。誰も知らないようなゲームを朝までやる。これが意外と面白くて楽しかったんだよな。パソコンのクソゲーなんかも腹抱えて笑いながらやってたな。それで家主が意外と早く寝るしね。3人で圧倒的に少なかったけどその存在感と絆は比にならないくらい大きかったかよ。同期にお前ら2人がいてくれて本当に良かった。

この2年間で最高の後輩達と同期達に恵まれた。

みんながいてくれたからより楽しくて楽しくて楽しすぎる2年間だった。

いろんな感情になって人として大きく成長させてくれたこのお笑いサークルCCCには感謝しかない。人生を大きく変えてくれた。ぼくのやりたいこと沢山出来た。やり残したことはまだまだいっぱいあるけど、それはもうプロになってから。

ぼくの絶望から始まった真っ黒な大学生活に、光が差し希望を与え色付けてくれたこのお笑いサークル。

本当にありがとう。

ぼくらはこれから各々の道でまた夢を追っていく。厳しい道だけど立ち止まらずに突き進んでいく。みんなにいい背中を見せれるように。

次は君たちの番だ。君たちでこのお笑いサークルCCCをさらに盛り上げていってくれ。東京にいるぼくらに届くように。ぼくらを超えれるかな?超えてみなよ。楽しみにしてるよ。

全く!最高の2年間だった!

楽しかった!卒業は寂しいけどそれ以上に幸せだった!

このサークルに所属できたことが一番の誇り!

みんなと出会えて本当に良かった!

関わってくれた全ての人々に!

本当にありがとうございました!!!

また会おうぜ!

くそお世話になりました!

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