2024年4月4日(木)『復活のK』

う、うそだろ…。

お前確かあの時…。


よくあるワンシーン。

死んだと思っていたキャラが生きており、再び現れて主人公たちの脅威になったり、新しい仲間になったりとそのキャラによってはスーパー神展開もあり得るワンシーン。

これがとうとう現実にも起こってしまった。

そいつの名はKとさせてくれ。

名前を書くのも忌々しい。

1、2ヶ月前、最初は苦しんでいたため最終手段の薬を用いる。薬という防御体制100のスーパーアーマーを身につけることで形勢逆転。Kの攻撃にダメージはない。「蚊に刺されたかと思った」レベルもない。なにも感じない。そしてトドメを刺す。

これで1年間平凡に暮らすことができる。毎年毎年同じ時期に新しいKがやってくるのだが、その1年間の平凡が何より大きい。もう1年後もやって来てほしくないのだが、1年後という確かな周期があるから心準備もできる。

それなのに今年のKは今までとは全然違った。

確かにあの時葬り去ったと思っていたのに…。

違和感を覚えたのは3月末。

目が痒む。

普段痒みなど感じないからすぐその異変に気づいた。そしてKの存在も疑った。しかしKは倒している。そんなの可能性としてあり得ないからただいっときの痒みなんだろうと思い込んだ。

くしゃみも出ていたが、その時部屋の掃除もしておりもともと埃にも耐性がないためそのせいだとKのことを一切疑わなかった。今思えばこの時にもう少しKに意識を向けていればと後悔してももう遅い。

そして昨日。

昼からの家の用事を済ませて長崎へ向かうその電車内。

本を読みながら電車に揺られていると急に鼻が疼き出してくしゃみが出る。どうしたどうした。風邪でも引いたか。そう思っているとまたくしゃみ。そしてもう一度。あれれ、と思う暇もなく再びくしゃみをかます。何度もその車内にくしゃみを響かせた。

この時、Kの存在を確実なものとなった。

Kが復活した。

あの時倒したKが、数ヶ月の潜伏を経てぼくの前へと現れた。

くしゃみが止まらない。普通に苦しい。たぶん1時間くらいの車内で20以上は飛沫していた。体が熱くなる。熱が籠るためヘッドホンを外して本も閉じる。少しでも抗うために瞑想する。なんとか自分の心を落ち着かせてその場を凌ぐ。それでもやはりKは強かった。Kの猛攻に耐えきれず軽くダウンしていた。長崎についてもその攻撃の手は緩むことなくぼくはもう瀕死。

原因はわかっている。

一度Kを倒した後もそのKの復活を抑える薬を取り続けなければならない。それなのにぼくは倒したことの喜びからそこが疎かになっていた。同じくKに苦しめられている同士たちに、ぼくはKを倒したけどねと勝ち誇った顔をしていたのにその驕りが痛い目を見ている。やはりそういうキャラはいずれやられるという定石通りだった。まじでやらかした。

長崎に向かったのも映画を見るため。ゴーストバスターズの最新作を楽しみに向う。見るのはゴーストバスターズ、ぼくはKバスターズ。はい。でも天気はKの復活を祝うかのように大雨。信じられないくらい大雨。そして強風。軽嵐。電車も遅延する。映画が18時25分だったのに、駅に着いたのが15分くらい。普通に危うい。映画館に着いた時にはもう25分を回っている。普通に過ぎてる。でも映画は最初に鑑賞上の注意だったり、映画の予告だったりで25分からでも30分くらいからが本当の始まり。チケット買ってお手洗いに行ってたりしたらもう30分を回っている。普通にヤバい。映画を最初から見れないなんて見る必要ない。最初に敵の存在を仄めかすシーンが確実にあるのにそれを見れないとなると100で映画を楽しめない。それだけは避けたかったのに。すこし萎えながらも急いでスクリーンに行ったがまだ予告をやってた。

助かった。

良かった。

映画を100で楽しめる。

ゴーストバスターズを楽しもうじゃないか!

ハックシュン!

Kだ。忘れてた。Kがここにもいやがった。なんで映画を楽しもうとしているのにここにも出てくるのか。ぼくの娯楽の邪魔をするなよ。映画を見てる時にくしゃみはしたくないし、その場にいる他の人にも迷惑になる。決して上映中にくしゃみなんてしちゃいけない。

そして映画をしっかり楽しんだのだが、くしゃみには抗えなかった。でも計10回もしてない。これはもう勝ったと言っても過言ではない。近くに人が座っていたけど、その人も上映中なんかため息みたいな音が大きかったし、ポストクレジットを見ずに帰っていったから全然いい。

ちなみにゴーストバスターズはめちゃくちゃ面白かったです。オススメです。前作見てると尚面白いです。

帰りの電車でもくしゃみは止むことなく、もう鼻が要らなかった。この1日Kに苦しめられた分寝る前にちゃんと薬を飲む。今回は負けたと認めるしかないだろう。その分この先は同じようにはいかないということを忠告して眠りにつく。

起きた。

スーパーアーマー復活。K抹殺。くしゃみ0。無傷。

今度こそちゃんとKにトドメを刺した。もう2度と復活してこないようにちゃんと毎晩薬も飲もう。

こうしてぼくとKとの長い戦いは終わりを迎えた。

そして東京でのKとの激戦が待ち構えてるなんてこの時まだ誰も知らなかった…。

(東京のKの後ろ姿)


最近映画を見まくっていて「バトルシップ」と「グランツーリスモ」がアホほど面白かったそんなある日。

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