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隅の詩

がすんがすんと突進して
何か悟った気になって
日が暮れればヴェールがはげる
若くして中年のお姫様 お日柄よろしゅう
ダンスステップでゆく街並みは
半テンポずれて見える
―どちらが
ととえていればステップなど
今日は酒が美味しいな
生卵が固まる前に
僕はきみの前髪を撫でる
固まったらきみを抱く
―好きかい、好きかい
ミスター・サニイサイドアップ
紳士たちをここに招いてくれ
今日のネオンは一段ときれいだ
現実のような凍った夢を吐け
からんとくだけた僕の遺灰に
どうかソースをたっぷりと どくどく
まじわって赤くなり流れていくの
―どこへ
それを知るためには
地球とやらを一周半くらい
しなければ!なんて手間だ!
ミスター・サニイサイドアップ
もう真夜中よ
やがて眠るだけか
小さくなった自分を
自分が包んでいくの
送られていくのよ
―どこへ?
明日のディナーのテーブルの上
わたしはガチョウと踊っているわ
並び立つ/群れ/羽毛舞う
顎に手を/涙を/不思議よね
紡がれていくものがあるの
言葉に寄り添いながら
それは言葉を形作って
でもいつも手前にあるわ
きっとある
ああ 遺灰はいってしまった…
ミスター・サニイサイドアップ
朝が来たわ なべて そうね
泥のなかよ
わたしのなかにあるの
―誰の中だって?
真昼間/真夜中

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。