譲れないポイント、譲らなくてよいポイントがある。それは結果論に巻き込まれるとよくわからなくなる。「結果が良かったんだからこれで良かったんじゃないのか。」

しかしそれは確実にある。たとえ実を結ばなくてもより遠くを見つめた時にそのほうがよかった、ということがある。重要なことなのだけれど、それは自分では気がつけないことがある。誰かと話して気がつけることもある。一番警戒すべきポイントは次。

―誰かと話しているとわからなくなるポイントがある。

この点は混じり合えない人とは混じり合えない。それでいい。問題は昨日も言ったように他の誰かによくわからないままに、時に全然気が付かないままに自分が持っていたらよかったポイントを潰されることだ。そしてそれは悪意をむき出しにして行われるのではなく、時に善意で行われる。

「善意で」しかし「本当に」大切な部分が潰されるのだ。これほど無邪気に邪悪なことはない。

この善意と本当に「」をつけたのは不格好だけれど理由がある。これはその時点の自分ではわからないからつけたもの。立ち止まりの「」。ここは立ち止まるべきポイントで、過去問の手が及ばない世界。

つまり、ギャンブルだ。

ギャンブルは適当なことをして身投げする行為だと勘違いされているフシがあるがそれは間違いだ。ギャンブルは全身全霊で見極めた後に身が焼け落ちても「こっちだね。」と言い切ってしまう行為だ。だからこの行為において重要なのは決断であって結果ではない。結果しか見えないやつが結果をもてはやして半ば後悔半ば放心しているチャレンジャーを潰すようなことがあってはならない。祈りが尊いのは適当だからじゃない。誰かに委ねるからじゃない。全身全霊を尽くしてそれでもどうしようもないものに向き合っているからその姿勢は気高く時に涙腺をギッと、と引きちぎるのだ。

大事な人達と話して分かったことは、やはり自分には賭けるべきポイントがあるということで、そこを見極めるためには―最後に決めるのは自分だとしても―自分だけでは最終地点に届かないということ。図々しく生きます。大切なところだけ。どのみち賭けるのは、賭けられるのはわたしの存在だけ。

オールベット。迷いながら信じ切った色に。