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2020.5.13 浪の音が。

舌先は冒険である。
時にそれは甘さを捉えたり、酸っぱさを捉えたりする。
舌先は冒険である。ささやかな。
時を感じている。揺れる。

ふうわり と
穂先を垂れる穀物がある。
太陽が照らす先には
誰かがいる そこまで行く。揺れる。

眠らない案山子が
こっくりと また 確実に
夜に拍子をつける
見えないものだけが聞く旋律になる

それはまた 大海の
小さなしぶきのようだ
海猫だけがそれを見るような
(そして見えないものも それを見ている)

彼が見たものは?
それはここにあるじゃないか。
書物のような。音楽のような。
(見えないものを見ようとするものが)

ここに小さな 汗をひとつぶ
大海に映せば 汗は大海で
彼が海になる 海も彼に なる
(かろうじて見える ものがあるらしいのだ)

ゆるんだ雰囲気と なにか
張り詰めたなにか が
ひとつの容器の中で
たゆたう 奏でる

ここで聴こうじゃないか
より近くで聴こうじゃないか
夜は長く暗い 海は広く深い
深海と浅瀬のまんなかで 彼を聴こう

酒を飲もう―

少しだけ明日を忘れるように
目的地も 何もかも
少しだけ
遅刻するような夢を見よう

夢見る酒が 漕げる大海。


酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。