1人旅について〜その2.出雲へ出発編〜

学生時代、サークルにも属さず、勤勉なわけでもなかったので、暇を見つけては1人旅に出かけていた。

主たる目的もなければ、行程もテキトー。ただただ行ったことのない土地に1人で訪れる。そんな旅の話を数回に渡り披露していきたい。

その2.出雲

名古屋への旅で完全に1人旅の楽しさを覚えた僕は、またも余りすぎる暇を見つけて、次なる旅行地の選定を始めた。前回同様、青春18きっぷの旅もチラついたが、今回はどこか遠くに行きたいという思いが強く、名古屋ですらお尻がシックスパックになりかけたことを思い出して、移動は夜行バスにすることに決めた。

夜行バスは、冬場のゲレンデに向かう道中やらで経験済みだったので、それなりに過酷な環境であることは知っていた。ただ、夜中でほぼ強制的に眠りにつける環境で移動をして、朝イチから旅先で行動できることを考えると、悪くない選択肢だと思った。

折角なら未踏の地方へ行ってみたい。ただ、車1台で全国津々浦々どこまでも行ってしまう家庭環境で育った為、あまり未踏の地というものがなかった。そんな中で唯一足を踏み入れたことがないのが、中国地方であった。

そんな訳で、出雲へ向かうことに決めた。早速出雲大社直行の夜行バスを押さえて、リュック1つに最低限を詰め込んで出発した。

夜行バスの攻略法は、乗り込むまでにいかに疲れを溜め込むかにある。乗った瞬間に泥のように眠りについて、起きたら目的地という勝ち筋が鉄板である。(途中のトイレ休憩の間まで爆睡できれば大勝利である)

その日の戦略は見事だった。前日を短時間の睡眠で乗り切り、昼間にビリーズブートキャンプに体験入隊した。乗り込む頃には、目はトロットロ。首はコクッコク。すぐに意識はとび、気がついたら出雲大社についていた。

時間は朝の6時頃。寺社町は人っ子1人もおらず、大社にも散歩の地元民が2.3人いるくらいであった。あの出雲大社がほぼ貸し切り状態である。狭い車内から、朝の爽やかさも心地よいギャップで早くも大きな満足感を得た。

次回へ続く。



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