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達人について

昨日、オリンピックを家で1日中見ていた。

一日中テレビの前に張り付き、競泳、卓球、バドミントン、柔道、ソフトボール、サッカーという流れで見ていた。3つの金メダル獲得の瞬間を目の当たりにし、飽和するほど感動した。

日本選手の目覚ましい活躍にはもちろん注目しているのだが、他国の代表選手にも凄い人達が沢山いた。

他国の選手で気になった人が2人いた。

1人目が柔道のモンゴル代表選手である。阿部一二三選手と対戦していた試合を見た。坊主で髭面だったので、かなりのベテランかと思っていたのだが、僕とほぼ同じ世代でビックリした。

柔道は詳しくないのだが、組み合いや間合いの取り方がどこか独特で受け身の柔道感が見て取れた。解説を聞いていると、どうやらモンゴル相撲の体捌きを取り入れたスタイルが持ち味の選手とのこと。武術を極めた達人のような雰囲気を醸し出しており、妙に記憶に残った。

もう1人が卓球のニーシャーリエン選手である。たまたま韓国の若手選手との試合を見たのだが、この選手も凄かった。年齢は58歳で最年長。オリンピックも5度目という超ベテランだった。風貌は食堂にいるおばちゃんのような感じだったが、プレーの熟練感がとてつもなかった。

ペンホルダーでラケットのラバーも亜流のものを使っているらしく、ボールに変化をかけまくるタイプのようだった。韓国の若手選手が左右にちょこちょこ移動し、バシバシ打ち込んでくるのに対して、ほとんどその場から動くことなく変幻自在に打ち返していた。まるでテニスの王子様の手塚ゾーンのような王者感があった。

結果は負けてしまったが、こちらも卓球を極めた達人のような雰囲気を醸し出していた。

王道のどストレートに強い選手のプレーはもちろん見てて楽しいのだが、上記の2人のような達人味を感じる選手も見ていて面白い。あらゆる経験や試行錯誤を重ねながら、自分なりのスタイルを確立しているところはアスリートとして見上げるべき姿勢である。

オリンピックに出られるのは、体力や王道のトレーニングに頼った人ばかりじゃないぞ。ということが伝わってくる達人たちだった。

是非、達人味が強い選手達が本流に風穴をあけるような活躍を期待して、観戦を続けていきたい。


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