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スカッシュ元プロ&日本チャンピオンが語る③自分が持つ才能の種類を理解する事の重要性

今年5月にNote始めて2週間で早速投稿が1ヶ月も空きましたw
仕事と遊びがめちゃくちゃ楽しくて忙しいのはいいですが、そこから離れて一人の時間を作り、頭の中を整理することも大事ですよね。Noteはそんな感覚で書いてます。

さて今回のテーマは「才能」について!
一般的に才能っていう言葉は、何かをする上でのセンスと捉えられますね。
運動のセンス、絵描きのセンス、など。
でもこれって、実際は単なる器用さにすぎなくて、それが無いからといって上手になれないということは決してないですよね。

スカッシュで例えると、才能は一般的には「ラケットワーク」にあたると思います。
しかし、強い人は皆ラケットワークがあるのか?となると、実は全くそうではない。
ラケットワークの他には、プレーの賢さ、メンタルの強さ、努力/我慢が出来る、フットワークの良さ、回復力、など色々とありますが、僕はこれ全てを才能だと思っています。
これらは全て生まれ持ったものであり、プレイヤーやその周りのコーチ・サポーターはその人の才能の種類とレベルを客観的に理解することがとても大切だと思っています。

自分を含め(もう引退したけど)、日本の男子トップ選手3人を例に挙げると、個人的にはそれぞれの才能は以下になります。(レベル①~⑤)
机龍之介:ラケットワーク④、プレーの賢さ③、メンタル②、コート内での努力/我慢④、フットワーク④、回復力⑤。
遠藤共峻:ラケットワーク③、プレーの賢さ⑤、メンタル⑤、コート内での努力/我慢②、フットワーク③、回復力③。
小林僚生:ラケットワーク⑤、プレーの賢さ③、メンタル④、コート内での努力/我慢③、フットワーク⑤、回復力②。

龍之介は既に良いラケットワークや、フットワークに練習時間を当てても得られることは少しだけで、それよりはプレーの賢さやメンタルトレーニングに注力した方がタイムパフォーマンスが高い。
僕は、コート内で遊び心を抑えて賢いプレーをし、回復力をつける研究をした方が良い。
余談だが、僕は実際に2019年、NYでのPSA大会初決勝の前日、僕は有名なステーキ屋のステーキが食べたくて、友達と行って一人500gくらい食べた。
その瞬間はもちろんハッピーで良かったのだが、翌日起きてみると体が鉛のように重くて究極的に怠く、決勝では勝てるはずの相手にコロッと負けたことがある。笑
回復力の研究をちょっとでもしていれば、消化に悪い脂肪分たっぷりのステーキを大会期間中に食べるのは絶対NGだということくらいは分かっていただろう。

何を言いたいかというと、プレイヤーとその周りがその人の能力とそのレベルを理解していると、そこからそのプレイヤーは何をどうやってどのくらい伸ばしたら効率よく強くなり、結果を出せるかがわかるということです。
少し前まで世界ランキング1位だった男子選手のポール・コルは、ラケットワークは皆無並みにひどいものだが、それ以外はどれも素晴らしい。
彼は実は、たしかジュニア時代は最後まで世界でトップ32にも入っていなかった。(少なくとも一切有名じゃなかった。)
極々普通の、いわゆる「才能」ない選手だった。
じゃあ、なぜそんな彼は世界ランク一位まで昇ることができたのか?
僕的にはこれはきっと、本人がどこかのタイミングで自分の特徴を客観的に100%理解したからだと思っている。
①のラケットワークに関してはまじで無さ過ぎるため、ラケットは極力面がブレないように硬いロボットのようなスイングに変えショットを安定させ、他の要素を全て最高レベルまで引き上げた。

このように、自分の特徴を十分に理解できると、毎日の練習のクオリティが飛躍的に上がり、結果が出るようになる。周りの選手の特徴も理解でき、試合前に良い作戦を立てられる。
でも、ここで一番強調したいのは、一般的な才能のラケットワークがなくても、誰でもトップ選手になれるということ。逆にラケットワークがあっても他の才能がない選手はそれらを頑張ってカバーすれば、もっと強くなれる。
要するに、自分の特に弱みを完全に認め、考えて行動する。これ一択である。
特にジュニアや初中級者レベルではラケットワークが良い人が先に強くなるが、このアドバンテージはレベルが上がれば上がるほど薄れてくる。
日本で頑張っているジュニアは徹底的に自己分析して、コーチや親御さんはそのプレーヤーの分析をして、個々に合った教え方をして欲しいと思う。意外と、中々勝てない選手にコロッと勝てちゃうようになったりするもんです。

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