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Gretsch G6120W グレッチ G6120W 1992年製

今日は、録音か撮影するつもりでしたが、ちょっと前から気になっていたグレッチを見に行くことにし、結局、購入してきました。

これが購入したGretsch G6120Wです。

<グレッチ6120W>
グレッチは前から購入したいなと思っていたギターでもあったんですが、どうせグレッチを買うなら、色は「オレンジ」でこのW(確かウエスタンのWだったかと)のモデルでと思っていました。

で、この「W」が入ったモデルは、ポジションマークのところに、アメリカンな絵柄(バッファロー、サボテン、矢、銃など)が入っているモデルでして、それを探していました(笑)

わかりにくいかもしれませんが、ポジションマークにはウエスタンな絵柄が入ってます(笑)。

といっても工芸品ではないので、別に見た目や色でギターが欲しいわけではなく、グレッチはグレッチでしか出ない音なので、手元においてそれを色々試してみたかったんですよね。

<グレッチのギターサウンド>
ギターで有名なメーカーと言えば、Fender、Gibsonですが、グレッチというメーカー自体は、ドラムでも有名ですし、楽器メーカーとしては老舗の一つだと思いますが、グレッチのギターは、個性が強く、FenderやGibsonの様に融通が利くわけではなく、「まさにそれ」という音を求めている時くらいしか出番がないというか(笑)。ただ、それだけに「余力があれば買っておきたいギター」という感じでした。

聞いてくださっている方にとっては、大きな違いが分かりにくいかもしれませんが、弾く方にとっては、このギターはフェンダーやGibson基準からみたら、随分、癖があると感じてしまうギターではあります。

私はあまりひずませないので問題ないですが、ひずみ物とは、どっちかと言えば相性が良くないGuitarなので、その後のロックの歴史のなかで、主流にはなれなかったGuitarなのかなと(そもそもフルアコ的なサイズのギターはロックでは一般的ではないですしね)。

<グレッチ独自のPUとサウンドの関係>
グレッチはPUが独特でして、「フィルタートロン(High Sensitive Filter’Tron)」と言うのが搭載されているモデルが有名です。
まぁ、興味のある人はこれを読んでいただければと思います(笑)。

<グレッチ使いの代名詞的ギタリスト>
ちなみにグレッチを使っている有名ギタリストといえば、チェット・アトキンスやストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーですかね。

・チェット・アトキンス
カントリー界の巨匠のひとりと言ってよいと思いますが、ある意味、カントリーという枠を超えた元祖スーパーギタリストの一人というべきしょうかね。ああいう演奏はかなりむつかしいので、私にはできませんが、大好きなギタリストの一人です。レス・ポールとの共演盤は、お聞きなったことがない人はぜひ聞いてみてください。あれは名盤です(2枚出てますが)

で、話を戻すと、このギターはギター自体がもともとチェット・アトキンスのためにつくったようなギターだったはずです)
ですので、サウンド的にはクリアーで独得のトゥインギーサウンドというか、根底にあるのは、カントリーな音と言ってよいかと思います。

・ブライアン・セッツァー
下火になっていたグレッチを復活させた立役者は、100%ブライアン・セッツァーといってよいかと。

<その他、グレッチ使い>
後は、グレッチと言えば、この6120ではありませんがジョージ・ハリソンも使ってましたね。
ストーンズのブライアン・ジョーンズも一時期、緑の6120を使っていたような気がしますが、代名詞という感じとまではいかないですかね(あれは6120ではなかった)。

<私が好きなグレッチ使いギタリスト>
ということで、普通で言えば、グレッチ使いと言えば、チェット、ブライアン、あるいはジョージ辺りなんでしょうが、私の中では、マスル・ショールズのジミー・ジョンソンなんですよね(黒人ブルースギタリストのジミー・ジョンソンではなく、白人の方のジミー・ジョンソン。両者ともに私の大好きなギタリストです)。

と言っても、セッションギタリストですし、有名ではないので、知らない人が多いかもしれませんが、うちのYouTubeチャンネルとかに来てくださっている人であれば、演奏は聞いたことがある人の方が多いかもしれません。
というか、60年代のR&Bを聞く人であれば、彼の演奏は確実に聞いているはずです。例えば、アレサ・フランクリンとウィルソン・ピケットの初期のレコード、そして、ニューヨークでアレサのセッションなど、数え上げればきりがない!

以下、ジミー・ジョンソンのディスコグラフィです。

で、ジミーさんはTelecasterなども使いますが、60年代から70年代半ばくらいまでは、基本はグレッチ6120を使っていたようです。英語ですが、下は、グレッチ社のインタビューにジミー・ジョンソンが答えたものです。

<一部だけを抜き出し翻訳>
マッスル ショールズ リズム セクション (スワンパーズとしても知られる) のギタリストとして最もよく知られているジミー ジョンソンは、1960 年代半ばから 70 年代にかけて、信頼できるグレッチ 6120 ギターで数多くの古典的な R&B やポップのヒット曲を演奏してきました。

ジョンソンの数多くの功績のうちの 1 つは、アレサ フランクリンのスマッシュ シングル「リスペクト」で聴かれたファンキーなリフです。アラバマ生まれの斧使いは、ウィルソン・ピケット、ローリング・ストーンズ、ポール・サイモンなど、数え切れないほどの著名人とのプロジェクトでギタリスト、プロデューサー、エンジニアとしても活動した。

以下、インタビューからピックアップしました。
彼が使っていたアンプは
「Fender Vibrolux、ニューヨークにレコーディングに行くときは、Fender Deluxe か Vibrolux を使用していました。私は常に Fender Deluxe アンプを何よりも楽しんでいた(おそらく60年代はこの辺りを使っていた模様)。それ以外では、Ampeg Reverberocketやミュージックマンも使った」

弦は、60年代当時は13ゲージだったと書かれていました。

「チェット・アトキンスは好きだったが、カントリーは好きになれず、むしろ嫌いだった。
子供の頃に影響を受けたのはカントリーではなく、チャック・ベリー、ボ・ディドリー、ジミー・リード」
とのこと。このインタビューを読んで「私の好みなわけだ!と思いましたね。

以下、購入した個体の写真です(写真は、楽器屋さんがネット販売用に撮影したものです)。

私の行きつけのギターメンテ屋さんは、奈良なので、買った後に、ちょっとよって、細かい調整をしてもらいました。
金属部分はくすんでいますが、それ以外は年代を考えれば、まずまず綺麗な状態かなと。
ちなみに、この金属部分は、「ピーカル」などで服と色がはがれるそうです(笑)。


ということで、この個体の話ではなく、グレッチとジミー・ジョンソンの話になってしましましたが、前から「いい中古が出たら買う」と、決めていました。すごーく探していたわけではなく、気長に探していた感じではあるんですが、なかなか売っていなくて、買えてよかったです。

どんな感じかと言えば「6120W」でデジマートで登録検索をかけてあったんですが、個体数がすくないので、全国の登録検索で、この2年で数本程度。

一度、去年だったかに、京都の楽器屋さんに該当機種が入荷していたので、仕事のついでにチェックしてみたことがあったのですが、その個体は、一弦に「ビリつき」があったので、店員さんに、「これ直りますか?」と聞いたところ「何度か直そうかとしたんですが無理でした」(一応、工房機能もある楽器屋だったんですが)と言われ、流石にそういう個体は避けたいので、却下しました。

「飾っておくだけ」とか「ライブでたまに使う程度で、そのくらいのことは気にならない」という方であれば、それでもいいのかもしれませんが、みなさんご存じのように、私は、録音撮影をするので、そのあたりが甘いギターは、だめなんですよね。

その後、どこだったか関東方面で一度、出ているのを見たんですが、遠いと「ついで」では試奏ができませんし、かといって、そのために行くのはリスクがありますしね。

といって、さすがにギターは試奏しないと買うには怖すぎる。

余談ながら、私は、ネットとかでは怖くて楽器は買えませんね。やっぱ、一度は弾いて確認してから買いたいですね。

基本的なコンディションもさることながら、楽器には個体差もありますし、「自分に合う・合わない」みたいな相性もありますし、後は、中古の場合、細かいところまで確認しておかないと後で、無駄な出費が必要になったりすることもあるので。

今回の個体は、8月半ばくらいから出ていたうえに、奈良の橿原だったので、「そのうち見に行こう」とは思っていました(そんなにすぐに売れてしまうギターでもないので…笑)

で、今回の個体ですが、2オーナー落ちくらいのようで、シリアルから1992年頃の個体だとわかりました。フレットは打ち直ししてますね。後で、メンテナンスしてもらってる最中に聞いたところ「グレッチのフレットはもっと細いので、これは少し太いのに交換してますね」とのことでした。
まぁ、フレットは太い方が弾きやすいので、そこは全く問題ないし、むしろそれでラッキーだったかなと(笑)

中古楽器としてはちょうどいい年数くらいですし、状態もまずまずでした。

「次、いつ出るかわからないしこれならいいか」ということで買って帰りました。

ということで、また、こいつを使った曲を録音しないといけませんね(笑)


※追記 その後、このギターをMainで初めて使ってやったのがこちらです。
ちょっと選曲的にはマニアックかもしれませんが、なかなか面白い感じでやれたかなと思っています。



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