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私的記録:13 ギターマスター?との出会い

今日は、私の師匠的存在のIさんのことを書きます。
私の場合、相棒のTからも強く影響を受けた側面はあるんですが、このIさんは、もう少しそれが強い存在
です。

出会いは、正確にはいつだったかわかりませんが、多分、17歳頃の話です。初バンドのライブを終えた頃だったかと思います。ギターの相棒のTが、奈良のセッションに行くとかで、一緒にいったんですが、そのときに出会ったのが、ギタリストのIさんでした(この方は奈良の人ではないですが)。

年齢は、私より20弱くらい先輩で、60年代、グループサウンズ時代からエレキを弾いているという方でした。

なんでも、弾き始めは、自分で板にくぎを打ち付けて「ギターのような楽器」を作って、やっていたそうなので、ブルースマンのような人でした。

この方の若いころのフェイバリットは、あの時代のJeff Beck先生(つまりリアルタイムでヤードバーズを聞いてた)だったとのことです。

で、そのセッションで、前からIさんと面識のあったらしい相棒Tが、Iさんに紹介しくれたんです。

Iさん曰く、「Iさん、こいつ敬語使えんけど、うちのバンドのギタリストです」と紹介された、と今でもネタとして言われております(笑)。
実際にはそんなことはなかったと思うんですが、まぁ、そうだったのかもしれません。自分でもわかりません。

で、そのライブはレゲエのセッションでしたが、Iさんがギターを弾いたときの衝撃は、未だに忘れらせません。その時の映像もどこかに残っているはずなんですけどね。ただ、音が割れてましたが。

余談ながら、その時にIさんが使っていたジャズマスターは、その後、私が譲り受けて沖縄のあのライブ(91年沖縄のローカル放送に出演した際の映像)でつかっているやつで、今でも、持っています。
今のところ、あのライブ以外では、うちのチャンネルでは出番がないんですけどね。

以前、Noteでも紹介したこれです。

で、話を戻すと、なんというか「音が異次元」なんですよ。

この後、私は、このIさんととても仲良くなり、ことあるごとに、セッションやライブにも一緒に行ったりしてましたが、その際、初対面の人が、ほぼ必ず言うセリフがありました。

「おっさん何者?」
「エフェクター何使ってます?(実は、何も使っていない)」
「ブースターでも仕込んでるんですか?(実は、何も使っていない)」
「それどうやったんですか」
「なんでそんな音が出るんや?」

その頃、スタジオで撮影した秘蔵映像があるんですが(公開はできないですが)、それを見たら、やはり、この手のことを言われていました(笑)。

まぁ、似たような言葉を、たくさん聞きました(大げさではなく、数十人以上がこれに似た発言をしてました)が、とにかく、「いかれた音」なんですよね。「なんか、よくわからんけど、すごい音」というのが、皆の共通した感想なわけです。要するに「出音のインパクト」が、すごいんです。

後年、うちの奥さんをライブに連れて行ったときに、彼女は「浪速のJeff Beckやな」と、ビビってました。「Iさんのライブやったらまた見に行きたい」ともよく言ってました。要するに「ギタリストではない人」でも、そう思わせるだけの音なんですよ。


何が違うか、ギターは何を使っても、同じ音。アンプも歪みものでも、クリーン系でも、その場にあるもので、やってしまって、それで、結局、「その音」になるという(笑)。もちろん、歪み物は歪みの音ですし、クリーンはクリーン系ではあるんですが、バイブレーションがその音になるという。

ご本人曰く、「サスティーンの長いギターは苦手や」「ええギター(高級なギター)は苦手や」「鳴らんギターの方が、わしは好きや」とか、そんなことばっかり言ってましたね(もちろん、今もそういうことを言ってます)。

実際、「ジャンクで拾ってきたようなギター」でも、結局、その音になるので、たしかにそうなんでしょうね。

今もメインで使っているギターも、どこのメーカーだったかわすれましたが「ネックにひびが入ったギター」で、なんでも練習後に「バンドメンバーに車で踏まれてボディーにひびが入ったギター」ということで、たしかにボディーに踏まれた跡があって、ネックも少しヒビがはいっていました。

でも、変わらない音で弾いてしまうんですよ。

もはや、「念力で音を出しているのではないか」と思えるほどでした。

セッションでは、よほどの腕達者の人でも、だいたいのギタリストが「まいりました」となってしまうんです。音で、その場を支配してしまいますので(笑)。

「速弾きが凄い」とか、そういうことでもなく、「出音」が凄いんです。
理論に強いとかでもなく、むしろややこしいコードは面倒くさいとか、そっち系でした(できないわけではなく、単にシンプルなのが好きなんだと思います)

本人は威張るような人でもなく、陽気でギター好きなおっさんって感じなんですが、ただ、「かっと見開いた眼」と、インパクトのある容姿も相まって、とにかく目立つ。服装はロックとかではないんですが。

この時代、私は、週末とかに時々、Iさんの自宅にもよくお邪魔して、一緒にギターを弾いたりしました。そして、この人から、ギターのこととか、いろんなギタリストを紹介してもらいました。コレクター気質とかではないんですが、ギターに詳しいんです。おおらかな人なので、間違った情報や勘違いもありましたが、すごくいろんなギタリストのことを教えてもらいましたね。

10代の頃に黒人ブルースにどっぷりハマった私、一時期、「黒人ブルース以外は認めん」みたいになっていた時期もあったんですが、、、。
この人のおかげもあって、ブルース好きではありつつ、黒人ブルース原理主義みたいにならずに済んだのはあるかもしれません。

このIさんも黒人ブルースは好きでしたが、それ以上に「ギタリスト」という観点の方だったので、、、。

Telecasterやったら「ロイ・ブキャナン」とか「エイモスを聞くべし」とか。あの当時、まだ誰もしらなかった「エリック・ジョンソン」とか。
カセットテープに一曲位ずつ入れたのをくれたりするわけです。

お互い、そういう柄ではないので「弟子入り」したわけではないんですが、
Iさんが、それに近い存在として、過去、2名だけ言ってくれてるのが、
私と、後年、カナダに行ってエイモスに弟子入りしたとされているOでした(そのOは、当時はJeff Beck狂だったんですが、その後、エイモス狂に鞍替えしたそうです、、、)

まぁ、長年の付き合いで、Iさんの音の秘密のいくつかを私なりに知っています。

音も聞かずにこれを書いても意味がありませんが
普通ピッキングというのは、弦に対して平行に当てるが、この人の場合、右手のピッキングが上から下に降ろすのではなく、弦に対して垂直に近い。その当て方で弦をヒットした際に最大限の弦振動を引き出している。
空手とかでいう「当たった瞬間の引きが重要」といえばわかりやすいでしょうか。垂直だから最大限の弦振動が出るわけではないと思いますが、この人の場合、それで最大限の弦振動になるのかと思います。
普通はこんな弾き方をすると、音が乱れるので誰もやらないんですが、、。右手がくねくねしていて面白いんです(笑)。

・ビブラートがクラシック式に近いが、それを独自の癖でやるオリジナルビブラートであること。

・リズムは、Jeff Beckとかと同じで、フレーズのタイミングが、普通ではないので、簡単なフレーズであっても、なんかすごいことをしているような、トリッキーなフレーズになる。

・瞬間芸の連発フレーズなので、解析がしずらい(笑)。

自分では「わしのはインチキ臭いギター」と言ったりするんですが、まぁあ、いわゆる「ワンアンドオンリー」な人です。

この方は、もう70になりますが、現役で、原付で、未だにセッションを荒らしてます(笑)

そして、たまにメールでやり取りをしますが、未だに、ギターについて細かいところを研究し続けてます。

この方は、まぁ、大阪、関西圏は、割と知られた存在でもあるんですが、、、。いつか、うちのYouTubeにも出演してもらいたいんですけどね。
一度、自宅で軽く2人で撮影したのはあるんですが、いやがりそうだしな。

後は、YouTubeにも、この人が参加しているバンドの動画がいくつかあって、面白いんですが、許可なく、ここに貼るわけにもいかないのでw

PS
今日、久しぶりにメールをしたら、相変わらず最近取り組んでいることやら、使っているギターのことを書いた返事がきました。

Iさん、またやりましょう。というか、うちのチャンネルに出演して(笑)

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