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呂布カルマについて

高校生の時から、好きなラッパー。この人の魅力や、楽曲について思うことを書いていく。


KREVAさんの楽曲も結構聴いているが、一番聴いたラッパーは、この呂布カルマだと思う。

とはいえ、最初から、ハマったのではなかったと記憶している。むしろ、最初は正直なんだかボソボソとよく分からないことを言っている、変な音楽だという印象を受けた。


しかし、なんだかその後も気になり、時々聴いているうちに、段々とハマっていった。流行りの言葉で言えば、「沼る」というやつかもしれない。

そんなことについて、彼自身も歌詞の中でこの様なことを言っている。

"後効き効くの三度目以降"

ヤングたかじん/呂布カルマ

「効く」という表現も興味深い。彼の歌詞は決して当たり障りないものではなく、人がつい目を背けたくなる様な、不都合な真実について、露骨に歌われていることが多い。

"ヤッホー 景気はどう 社長さん
安そうなフィリピーナが同伴
お嬢ちゃん 故郷のお父さんは元気か
天真爛漫な肉便器ちゃん"

天竺/呂布カルマ

ぱっと見下品にすら思えるこんな歌詞も、冷静に丁寧に歌われるラップの上で聴き続けると、段々気持ち良く感じてくるのが、呂布カルマのラップの真骨頂だと思う。


そんな彼は、音源を出すアーティストとしてだけでなく、MCバトルにおいても、今は王者の様な地位に君臨している。


彼のMCバトルでのスタイルは、音源と同じ様に、個性的で独特だ。無理に韻を踏もうとせず、あくまで自然な感じで踏みながらも、確実に相手の痛いところをつく様な重いパンチラインを吐き出す。


相手が先輩でも容赦はない。誰もがうっすら感じていそうだが、恐かったり気を遣ったりして言えなかったりする様なことを、平気で堂々と言葉にしてブッ刺す。

これがまた、だんだん気持ち良くなってくる。プロレス興行に似ているのかもしれない。自分が普段感じていながらも言えない様なことを、ステージの上で堂々と言って勝ち上がっていく姿というのは、見ていて気持ちのいいものだと思うし、モヤモヤが解消されていく様な気がする。


そんな彼は、二人の子供を持つ父親でもある。MCバトルや歌詞での言動を聞いていると、どうやら奥さんや子供を愛している、良い父親の様だ。

そんな姿は、なんとなく典型的なラッパーの姿からかけ離れている様にも思えるが、それでも彼はやはり自分の信念を曲げないし、どんな相手でも裏と表を使い分ける様なことはしない、漢であると思う。家族を大事にするということも、彼の信念であるのだろう。



そんな厳しくも優しい彼の生き様には、憧れを覚える。だからずっと聴き続きていられるのだと思う。

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