見出し画像

友達のレンタルオフィスに遊びに行ってきた

都心の駅から歩いてすぐのところにあるビルの、上の方の階にそのオフィスはあった。どこかで聞いたことのある名前のビルだ。

エレベーターで向かったが、そのオフィスがあるフロアの階のボタンが押せなかったので、電話をかけて迎えにきてもらった。先に行っていた友達と出てきた。レンタルオフィスを借りている主の彼は私服だった。


1ヶ月前ぐらいに、学生時代の部活のグループラインに連絡があり、レンタルオフィスを借りたからいつでも遊びに来て、というようなことが書かれていた。彼はもう何年も前から大学に行かず、何か事業のようなことをしていた(内容はよく覚えていない。興味がないのかもしれない)。

オフィスに着くと、20人ぐらいの人が、ソファや椅子に腰掛けて仕事をしたり、飲み物を飲んだりしていた。俺はてっきり友達が自分専用のオフィスを貸し切っているものだと思っていたので、そういうことか、と思い少しがっかりした。


ビールサーバーやコーヒーメーカーが置いてあり、自由に飲めるようになっていたので、みんなでビールを飲んだ。ビールはプレモルとベルギーの聞いたことのないオレンジ風味のものがあったので、興味本位でベルギーの方を選んだ。オレンジが強くて、甘く、不味くはなかったが、後からプレモルを飲むとやっぱりこっちの方が美味しいと思った。

四人中二人は就活中、あるいは就活前だったし、もう一人の借り主もそういう話に興味が強そうな奴だったので、ずっと就活の話をしていた。俺にはよくわからなかったしそもそも興味も持てなかった。

マネージャーの一人が、このグループと会いたがっている、と、友達の一人が言っていたのが印象に残っている。部活を引退した後とかは、よく一緒に遊んでいたが、付き合ってたカップルが破局したりしたこともあり(?)、だんだんと部員とは疎遠になっていった。

それでも連絡を取り続けていた彼に羨ましさも感じた。俺は今定期的に連絡を取り続けている若い女がいない。何だか取り残されているような気分にもなるが、恋愛は今は一旦諦めないことにはどうにもならないな、という思いもある。まずは健康と仕事をどうにかしないといけない。

就職している友達の話にもなった。今の仕事にうんざりしていて、他にやりたいことを探しているらしい。お笑い芸人か料理人を考えているそうだ。お笑いは俺も楽しんでいるし、今は暇があるので、コンビを組むことを誘ってくれたら考えると言った。


それから、別の、ダーツやボードゲームが置いてあるゲームルーム(?)に移動した。就職の話を真面目にしていたので、その話が続くのかと思ったが、ダーツをやる雰囲気になって、始まった。

クリケットを2ゲームやって、1ゲーム目は最下位、2ゲーム目は1位だった。野球を割とガッツリやっていたメンツなだけあって、勝負事を楽しめる性癖なのかもしれない。盛り上がって楽しかった。


それから、研究室の学会の懇親会で遅れてきた友達と合流して、5人で焼き鳥屋に行った。お好み焼きともんじゃ焼きの店と、天ぷらの有名な店も案としてあったが、どっちも結構な人が並んでいたので却下になった。


酒を飲み、料理を食べながら、これからの働き方や生き方についての話を主にした。恋愛の話も少しした。

科学技術的なことについてのある程度の知識を前提に話していたので、理解しきれなかったところが多い気がする。三人は国公立大学の理系の学部で勉強や研究をしているし、もう一人の事業をやっている奴も、AIとかの技術を活かして何かをやろうとしているようなので、きっと情報を仕入れたり勉強したりしているのだろう。そもそも、彼は高校時代から勉強もずば抜けて出来た。


博士を目指して勉強している奴が、大学の存在意義について熱弁していた。今の大学は、研究機関としては機能しているが、教育機関としてはまるで機能していないので、もっと教育をしっかり出来るようにするための工夫が必要だということだった。

それについては、事業をやっている友達も同意していた。彼はやや方向性は違うが、人生の進路を選択していくにあたって、考える動機を持つための仕組みが必要だと考えていて、それをAIとの対話などでやれるようにしていきたいと考えているようだ。


その事業をやっている友達は、最近新しい彼女ができたらしい。キャバクラで出会った、気の強く怒りっぽい女のようだ。写真を見せてもらうと綺麗な子だったが、なんだかよくない女に思えてならない。

彼はモテるし、彼女もあまり途切れない男なのだが、いつもなぜか恋愛で苦労しているように見える。彼の中の女が、「性格の悪い女」なのだろうか。彼自身は「性格がいいやつ」に見えるので、何だか不思議だと思う。



どうにも疲れて早く帰って寝たくてしょうがなくなってきたので、謝って先に帰った。なんだか彼らは、自分よりも考える動機も能力も持っていて、賢く見えた。それでも、優しさを持ち寄りつつ対話ができる友達というのは、本当に有難い存在だという気もした。

それと、事業をやっている友達が居酒屋の飲み代を全部奢ってくれた。前に飲みに行った時もそうだった。かれは俺の今の苦しい現状を見抜いていて、彼なりの方法で励まそうとしてくれているのかもしれない、と感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?