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2022夏の北海道旅

軽くマイブームになっている「レンタカーだけ事前手配しておいて、走りながらやることを決める旅」を、また北海道でやってみた。今回は新千歳空港でレンタカーを借りて、4日後の午前9:00に東京羽田行きの飛行機に乗るというルール設定のみ。とりあえず、ナビに「宗谷岬」と入れて走り出してみる。

初日

車で走る道中に「富良野」や「美瑛」など、よく聞く観光スポットもあるけれど、どこも混んでそうで停まる気にはならず、とにかくひたすら北上することを目指して走っていた。ただ、今回1ヶ所だけ寄ってみたかったところがあったことを思い出し、急遽進路変更をして美瑛町の「白金青い池」へ向かった。

白金青い池

InstagramかYouTubeで見たことがあり初めて訪れてみたが、完全なるTHE観光地でガッカリしてしまった。駐車場や徒歩導線はしっかり一方通行で整備されており、出口と思われるところにはご当地ソフトクリーム(たしか青いソフト)とお土産売店が…。池自体も目視する限りではそれほど美しくも見えず、スマホのカメラに写すとなんとも美しく見えるようにできているのである。行ってみるとよく分かるかと思うが、色々と「不自然」なのである。人も多く混雑しているので、「これは違う」と早めの判断をし、足早に元のドライブルートへ戻った。

おそらくトータル2時間くらいの時間をロスしてしまい、昼食を摂る暇もなくひたすら車を北へ走らせる。ただ、景色だけはずっと美しいので、運転することは1ミリも苦にはならない。関西では絶対に見られない景色ばかりだし、たまに道路脇の茂みから小動物が出てくるのも北海道ならではな体験。宗谷岬まではこの日のうちにどうやっても到着できなそうなので、車を停めてこの日の宿を探すことに。現在地から1時間ほど走ったところに温泉付きの宿泊施設を見つけたので、初日はそこまで走って無事に運転終了。

チョウザメが有名なところみたいだが、特にチョウザメ推しのメニューはいただかず、普通の豚生姜焼き定食をいただき、温泉に浸かってこの日は就寝。

2日目

早朝に起床し、温泉に浸かって朝食をいただきチェックアウト。朝食に出されていたトマトジュースがびっくりする美味しさだった。とにかくこの日も北へ向かって車を走らせる。音威子府村辺りの山中をしばらく走り、浜頓別町まで来るとようやく目前にオーシャンビューが拡がり出す。あいにくお天気があまりよくなかったので、太平洋からの突風を受けながら気持ちの良い海岸線をひたすら走る。一気に猿払村も越え、あっという間に宗谷岬へ着いてしまった。車を降りるてみると、なんと気温は16℃!大阪を出てくる時は35℃近くあったのに、約半分の気温のところが同じ日本国内にあって驚かされる…。(ちょっと得した気分)

今回、宗谷岬を目指した理由は自分の中に少しだけあって、今この瞬間にも「戦争」をしている国と、我が国で一番近いところがどんなところなのかを自分の目で見てみたかったという気持ちがあった。実際に行った人にしかわからないことだと思うけど、宗谷岬は独特な自然エネルギーを感じる場所であり、ピンッとした厳かな空気が流れている場所である。そして、現地へ行くまでは一切知らなかったのだが、「日本最北端の地の碑」の正面にある丘の上には、いくつも「平和記念碑」や「慰霊碑」が建てられているのである。国境という特殊な場所であることから、第二次世界大戦中などに様々な海戦が行われ、たくさんの戦没者が眠っている場所なのである。

日米合同で建てられた平和の碑
宗谷海域海軍戦没者慰霊碑
「再び戦争繰り返すまじ」の祈りがこめられている

今、このような社会情勢だからこそこの場所へ来るように導かれたのではあるが、我が国で最もロシアと近いところに、先人たちの平和への想いが眠っているとは何かの皮肉なのか?今を生きる私たちも、日本人として、自分のこととして、「平和」ということを考えないといけないと強く感じさせられ、祈りを捧げた。

そうしているうちに、やはりいつのまにか空腹はやってきて、偶然にも最高の北海道メニューに辿り着いた。このラーメンはシンプルで本当に美味かった…。LOVE帆立。

間宮堂
帆立ラーメン

一旦、目標にしていた宗谷岬まではゴールしてしまったので、稚内市内をブラブラしながらもう一つの有名な岬「ノシャップ岬」を目指す。

稚内港北防波堤ドーム
ノシャップ岬

そして、このノシャップ岬でヤバい水族館を見つけてしまった…。

幼少期、母の実家で「釣りキチ三平」という漫画をよく読んでいた。その漫画のとあるストーリーに登場する日本最大の淡水魚で「イトウ」という魚がいる。イトウは北海道にしか生息しておらず、成長すると1mをも超える。釣り人の中でも「幻の魚」と呼ばれており、いつか自分もどこかで見てみたいと思っていたが、なんとこちらの水族館にある巨大回遊水槽にデカすぎるイトウがウジャウジャと何匹も飼育されていたのである!平日昼間の水族館はほぼ貸切状態!まさかの出会いにこの旅で一番歓喜した瞬間だった!LOVE淡水魚。

幻の淡水魚 イトウ

イトウの興奮冷めやらぬまま、ここからは車を南へ走らせる。稚内市から日本海沿いを南北に貫く「オロロンライン」というドライブウェイがあり、道中ずーーっと景色が最高なのである。右手には勇敢に利尻富士がそびえ、日本海の波飛沫を眺めながらガラガラの道をひたすら真っ直ぐ走る。ラジオはNHKしか受信できないし、やってる番組は演歌特集。コブシのきいた演歌がこのドライブを華やかに演出してくれる。誰がなんて言おうと日本人に生まれて良かったと思った瞬間だった。LOVE演歌。

利尻島の利尻富士
真っ直ぐなオロロンライン
何かの風車

ひたすらオロロンラインを走り続けていると、進む先に見える岬の先端に温泉施設を発見。ここがまたヤバいくらいに最高だった。露天風呂が岬の先端にあり、もう全てどうでも良いんじゃないかって錯覚してしまうくらい美しい景色を見ながら入浴できる施設だった。お風呂上がりに休憩処でリモート会議を1発。一旦、心を現実に戻される。LOVE岬。

リモート会議を終え、そろそろ本日の宿を考える。昨夜が普通の豚生姜焼きだったので、ちょっと良いものを食べたい気持ちがあり、頑張って旭川まで走ることを決意。街中のシティホテルが予約できたので、食事の想像を膨らませながらひた走る。道中、「留萌」という町を通るのだが、この名前がむちゃくちゃ可愛いことに気が付く。「るもい」って読むらしく、その音が可愛いすぎて40歳男が謎にキュンとなる。LOVE留萌。

無事に旭川にチェックインしつつ、ネットで見つけたコース系焼鳥屋のカウンター席を確保。自分がこれまで培った店探しスキルをフル活用したので、絶対に外れるわけがないと自信満々で向かったが、案の定大当たりだった。

旭川 炭火やき鳥 りょう
ラム串 ベリーウマーバ

なぜか店主に「スポーツ選手ですか?」と聞かれて、なぜか「はい」と嘘をつきかけた。食後はホテルの温泉に浸かって朝まで爆睡。NICEりょうの店主。

3日目

早朝から旭川市街をRun。公園の森に普通にリスがいてビビった。

大自然ランニング〜朝サウナ〜温泉を経由し、9時からホテルの部屋よりリモート会議。涼しい様子なんて一切見せずになんとか重要な会議を乗り切る。が、もう腹ペコすぎて、終わった瞬間にホテルを飛び出しスープカレーの名店へ飛び込む。

奥芝商店
海老出汁ベースのチキンカレーだったはず

存分にスパイスと道産の新鮮野菜を堪能する。お腹も満たされたところで、この後の行程を考えてみる。この日は当日中に千歳にチェックインできていれば良いというイメージかつ、天気もあまり良くなさそうなので、ここはヒグマ動物園的なところに行ってみようと「サホロリゾート・ベアマウンテン」をチョイス。大雨の中2時間以上走ってヒグマに会いに行く。

高校生の修学旅行で登別のクマ牧場へ行ったことがあり、なぜかその頃からヒグマにはロマンを感じるようになった。道民からすれば危険で迷惑な動物でしかないだろうが、今でもヒグマ関連の動画はしょっちゅう見てしまっている。家族連ればかりのバスに自分も乗せられ、サファリパークのごとくヒグマに接近する。子供たちと興奮気味にヒグマの生態に触れ、さすがにちょっと恥ずかしくなってきたのでそそくさと帰路につく。LOVE羆。

最終日は新千歳空港からほど近い、千歳市内のビジネスホテルにチェックイン。食事も近所で探してみようと思って街をブラついてみる。一軒家でやられている居酒屋が見つかり、カウンターで魚介類や野菜系のおつまみなどをいただく。大将が関東からの移住者らしく、北海道移住のススメを熱く語られた。居酒屋を出た後、軽くもう一杯飲んでみたくなり、スナックの重い扉を勇気の力でこじ開け、地元の方と気さくにお話しさせていただいていたらあっという間にもう真夜中。最後は道民の温かい心にも触れることができ、最高な夜を過ごすことができた。LOVE千歳。

千歳の街

最終日

しっかり定刻の飛行機に乗って羽田空港へ。二日酔いの飛行機はキツイけど、JALの熱々コンソメスープを身体に染み渡らせてなんとかその場を凌ぐ。東京の温度と湿度には目が眩みそうになったが、しっかりとこの日の任務は遂行。この暑さに身体を戻さないとヤバいということで、レインボーブリッジをランニングしてみることにした。想像していた以上にアップダウンが激しく、暑さを忘れた身体はボロボロに打ちのめされた。

レインボーブリッジのRun記録
めちゃくちゃ遅い 笑

やっぱり「余白を持たせておく旅」が面白い。偶然の出会いも多いし、LOVEも増える。出張の機会が多い仕事だから色んなところへ行かせていただくけれど、やっぱり「出張」と「旅」は全然違う。旅は必ず人生を豊かにしてくれる!次はどこにLOVEを探しに行こうかなー!?




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