社会学を学ぶ人

社会学の学部学生。 「文化的オムニボア」ならぬ「社会学オムニボア」として学部時代に様々…

社会学を学ぶ人

社会学の学部学生。 「文化的オムニボア」ならぬ「社会学オムニボア」として学部時代に様々な分野に触れることを目指して領域横断的に読書中。

最近の記事

告白の社会学

「告白したら今までの関係性が壊れてしまうかもしれない」ーこれは告白に踏み切れない人がよく言う「言い訳」の一つであるだろう。 告白とは相手(好きな人)の出方(OK or フラれる)がわからないものであり、相手の出方は「不確実性」の闇の中である。告白という象徴的なライフイベントに限らず一般的に自分以外の他者が何を考えているかを十全に理解することなど不可能であり、家族や知人、恋人や電車の中で隣に座る人などあらゆる他者の全ての行動が「不確実性(次に何をするかわからない)」に包まれて

    • 「なぜ、毎年同じ数の不登校児童が発生するのか」ー「社会学とは何か」に対する中間的回答

       平成30年度版の不登校児童生徒数の推移を見てみると、直近2年では増加傾向が認められるものの、H10~H28年の18年間にかけては毎年小中合わせて約14万人の児童生徒が不登校とカテゴライズされていることが見て取れる。   また教育業界において不登校問題の実態を捉えるには「生物-心理-社会モデル」という三つの要素を組み合わせたモデルが引用され、多角的に実態把握が試みられる。様々な観点から問題解決に向けてアプローチを試みることは単独の観点からのアプローチを試みることよりは一般的

      • 単一ハビトゥスの可能性

        ハビトゥスとは我々の行為の基礎にある持続する性向(disposition)であり、さまざまな行為 (プラティック)を方向付ける性向の体系である(Bourdieu 1979=1990)。ハビトゥスとは私 たちの日々の振る舞いを決定づける基準と言えるのではないでしょうか。 ハビトゥス概念の産みの親であるブルデュー自身はハビトゥスを一人の個人に対して一つ 備わる単一なものと考えています。「三つ子の魂百まで」ということわざが示す通りに。 こうしたブルデューの単一ハビトゥス論に対して

      告白の社会学