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ダイナミックに変更するKPIと当たり前をやり切るGame Plan

はじめに

今回はフィールドセールスがどんな仕事をしているかについて、KPIとGame Planという2つの観点で書いていきたいと思います。また23ヶ月目に入ったSmartDriveで感じる外資/大手とスタートアップや、事業フェーズの違いについても触れたいと思います。

四半期末の追い込みの隙間時間に書いているので、3回目にして結構しんどくなってきていますがw、きっと誰かがこれを見てくれて何か起きるはずだと信じて、頑張って書いていこうと思います。

SaaS企業のKPI

SaaS企業は一般的に売上高よりもARRやACVという管理会計指標が重視されています。ARRとはAnnual Recurring Revenueの略で「年間経常収益」、毎年得る事できる収益や売上の1年分です。ここには初期費用等の一時的売上は含まれません。一方でACVはAnnual Contract Valueの略で「年間契約額」、こちらは初期費用等の一時的売上も含む1年分の収益や売上です。

なぜSaaS企業がこの指標を重視するのかというと、簡単に言うとサブスクリプション型ビジネスの事業実態を把握し易く、将来予測やバリュエーションにも役に立つからです。

またARRは年単位ですが、これを月単位で見る指標がMRR、契約期間全体で見る指標がTRRです。こう書くと通常の売上高や利益が重要でないように聞こえてしまいますが、勿論企業活動ですので最終的に出来上がる財務会計指標も重要です。

この辺りの情報について興味がある方は一部有料になってしまいますが、早船さんのnoteが個人的にはお気に入りでおすすめです。

SmartDriveがダイナミックに変更してきたKPI

SmartDriveでは管理会計指標としてTCV・ACV・TRR・ARR・MRRを日々追っていますが、フィールドセールスとして現在特に意識されているのはTRRです。個人・チームの目標もTRRベースです。また現在はTRRベースですが、これまでACV→TCV→ARRと変更してきました。

元々車両関連サービスという事もあり複数年契約が一定量あったものを、サービスの機能強化に伴い、また事業の安定性にもつながる為に更に増やしていこうとACV→TCVに変更して「契約年数」を入れ込みました。

その後今度は、大手企業にプラットフォーム提供して事業を共同開発したり、コンサルティングを提供するプロジェクトが増加・大規模化してくると、本来注力すべきライセンス提供による顧客基盤拡大に営業リソースを集中する為に、TCV→TRRに変更して、個別開発・コンサルティングといった「一時的売上」を外しました。

要は大規模なコンサルティング・プロジェクトで数字を上げていたAEの売り上げがゼロになるという事なので、社内からは色々な声も出ましたが(僕自身も大きなダメージを受けましたがw)、①事業の目指す方向性・②なぜ今これに変更するのか・③何を期待しているのかの3つをセットで繰り返して説明する事で理解してもらい、結果狙った通りの効果を出せていると思っています。

このKPI設定・測定・改善のPDCAを回していくという活動は、シンプル過ぎても複雑過ぎても機能しないし、他部門への影響にも十分に配慮する必要があるし、組織の動きに即かつ大きなインパクトを与えるので、細心の注意を払った上で、一方で得られる効果も大きい為最速で行うようにしています。

手前味噌で恐縮ですが、KPIを事業の状況に合わせてダイナミックに変更するのは外資系企業や大企業では結構難しいと思いますし、一方でスタートアップならどこでもできる訳でも無く、SmartDriveならではかなと思います。

入社した直後に最初に大きな変更が行われた時は即断即決で、メンバーも一瞬でキャッチアップして2週間で定着して、1ヶ月後振り返った結果狙った通り数字が動いて衝撃を受けたのをよく覚えています。ほんと?なんで?と思った方は詳細お伝えしますので是非お声掛け下さい!

Game Plan=目標達成計画

次はGame Planという観点についてです。試しに「営業 ゲームプラン」で検索したら1件しかhitしなかったので、一般的な言い回しではないと今気がついたのですがw、Game PlanはSmartDriveでは「目標達成計画」という意味で使っています。

AE(SmartDriveでは営業担当はAccount Executiveという役職名)は冒頭お話したTRRという指標で、担当顧客規模によって違いますが、例えば年間2.4億円・四半期6,000万円・月2,000万円という受注金額目標を持っており、その達成率で評価されます(勿論他にもValue体現等の定性評価もありますがここでは割愛)。

SmartDriveはSaaSの分業型組織ですので、プロダクトチームがサービスを開発・機能追加して、マーケティングが認知・新規の将来お客様となり得る方の情報を取得して、インサイドセールスが導入検討頂けるお客様との初回面談をセットしてくれます。この初回面談から受注までがフィールドセールスの役割になります。またその後はカスタマーサクセスとカスタマーケア(サポート)がお客様を伴走して、導入時に合意した目標の達成を支援します。


生産性 = 初回面談数 × 商談化率 × 受注率 × 受注単価 ÷ 商談期間

このレベニューチーム全体プロセスの中で、AEとしては自分の担当業務を以下の四則演算で分解して、どうやったら目標達成できるかを考えていきます。

生産性 = 初回面談数 × 商談化率 × 受注率 × 受注単価 ÷ 商談期間 
(例)70 = 40件/月 × 70% × 25% × 300万円 ÷ 30日

「初回面談数」はインサイドセールスチームで目標設定して活動した結果、どうしても絶対量や顧客規模にばらつきが出てしまうので、常時推移を見ながらAEへの割り振りを変えたり、インサイドセールスチームのマネージャーと話して細かく施策を軌道修正しています。

「商談化率」は初回面談した中で、お客様の課題を特定してSmartDriveが解決できる事が分かり、導入に向けて検討を進めて頂ける事になったものの割合です。また「受注率」は導入に向けて検討して頂いたお客様のうちご契約に至った商談の割合です。

いずれも月次では個人・チーム・顧客規模・流入元毎等に振り返り、また週次では商談化しなかった・受注に至らなかった商談を全件見ていき、改善策を打っていきます。改善策は主に3つに分ける事ができ、AE個人の課題であればマネージャーによるコーチングで、チーム全体の課題であれば毎週行っている勉強会やチームミーティングの中で、仕組みの問題であれば仕組みを見直す事で打ち手を考えていきます。

ちなみに商談化しなかった結果をSalesforceに入力すると、オープンなslack channelに即通知が飛んで、皆で確認できるようにしています。またここで商談化しなかったものは、マーケティングとインサイドセールスにその後どのようにフォローしてもらうか引き継いで、組織的にシステムで自動化、もしくは架電で継続フォローする仕組みが構築されています。

「受注単価」はその言葉通りなのですが、SmartDriveの場合は単価を分解すると車両台数 × ご提供機能 × ご提供期間になるので、それぞれをどうやって上げていくかという観点で日々PDCAを回しています。

「商談期間」は個人別と担当顧客規模でモニタリングしています。個人で見て同じ顧客規模を担当しているのに長い場合はどうやって短縮化するかを考えていきます。また顧客規模で概ねこれくらいという目安となる期間ができており、それよりも長期化している商談はリスクが高いと見てフォローするようにしています。

最後に

長くなってしまったので今回はここまでとしたいと思います。文字にしてみると結構当たり前の事が書いてあるので、読んだ方が何が面白いのか不安になってきましたがw、この当たり前の事がやり切れているかどうかが大事かなと思っています。

次回はGame Planで商談化率・受注率を上げていく為に、具体的にどのように商談管理をしているのか、コーチングしているのか、イネーブルメントの仕組みを回しているのかについて書いていこうと思っています。最後まで読んで下さりありがとうございました!


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