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商談管理で大切にしている5つの事

SmartDriveは9月決算で先月3月が上半期末でしたが、おかげさまで過去最高の形で折り返し地点を迎える事ができました。そして4月に入り心機一転、全てのSalesforceダッシュボードがゼロに戻り(笑)、後半も全力で走り切りたいと思います。

上半期末の追い込みで少し間が空きましたが、今回は前回書いたGame Planの前提として、具体的にどのように商談管理をしているのかについて、SmartDriveのフェーズ定義と、商談管理をする上で大切にしている事について書いていこうと思います。

SmartDriveに興味がある方、同じようにSaaS営業マネジメントで試行錯誤されている方に少しでも参考になるものがあれば幸いです。またフィードバックや対話でを通じてより良いものにしていければと思っていますので是非情報交換させて下さい!

SmartDriveの商談フェーズ

言葉にすると当たり前ですが、商談と言っても「一回話聞く位ならいいよ」から「今直ぐに契約したい」までお客様の状態は様々ですので、お客様の状態を分解してプロセス管理する事により、効率の良い営業活動やより高い業績予測が可能になります。

SmartDriveでは現時点でフェーズを以下のように定義しています(契約後のカスタマーサクセスのフェーズ管理もありますがここでは割愛)。

Phase 0(課題認識)
SmartDriveが関わる事で解決可能な問題/解決策が特定されている状態。インサイドセールスがフィールドセールスにトスアップしたSQL。

Phase 1(課題解決の整理)
フィールドセールスから見てお客様の事業課題/問題/解決策/効果が整理されているが、お客様の現場担当者の方とはまだ合意形成できていない状態。

Phase 2(解決策の評価)
お客様の現場担当者の方と事業課題/問題/解決策/効果について合意形成ができている状態。

Phase 3(選定と交渉)
お客様の現場担当者の方がSmartDriveを第一候補として選定して下さり、お客様の意思決定者含めた社内関係者と合意形成できるよう試みている状態。

Phase 4(稟議決裁)
お客様の意思決定者を含む社内合意形成はできており、契約条件を最終調整して、稟議や押印のプロセスを進めている状態。

Closed Won(契約締結)
契約締結が完了して、カスタマーサクセスチームから担当がアサインされて、プロジェクト開始に向けた準備を開始している状態。

Recycle(今ではない)
Phase0からPhase1に上げられなかった状態。ISの課題深掘が不足していたり、FSの課題解決の優先度向上ができず、情報収集のみで終わってしまった場合等。

LOST(失注)
失注したもののうち、競合製品が選定されたもの。

LOST(お見送り)
失注したもののうち、製品選定がされなかったもの。

次にSmartDriveの商談管理で大切にしている事を書いていこうと思います。書いているうちにどんどん増えていったのですが、ここでは一旦5つにまとめてみました。

1. お客様の状態の事実ベースでの定義

一つ目はフェーズについてです。フェーズは①お客様の状態が定義できている事、②事実ベースである事の2つを大切にしています。要は「営業担当者の意思が入らないようにする」という事です。

これができていないと正しく現状把握・課題特定・施策実行ができず、例えば「1に沢山滞留しているように見えるけど、実態は2に上げていないだけで、1から2にボトルネックがあると誤解してそれを解決する為にズレた施策が行われてしまう」というような事をやってしまいます。

SmartDriveでは「重要4項目」と呼んでいる「完了予定日(いつご契約を頂く事を目標に進めているか)」「Next Step(フェーズを上げる為の直近のアクションアイテムを5W1Hで端的に)」「TRR(ご契約金額のうちの継続収益額)」「フェーズ(前述の通り)」を中心に、当月/四半期/全件で、メンバーのお客様との接触時間に影響の出ないギリギリの範囲で頻度で情報更新して、スピード感持った営業活動を行っています。

2. 序盤の事業課題解決型のアプローチ

二つ目は商談序盤で大切にしている事です。SmartDriveの課題図書であるチャレンジャー・セールス・モデルとTHE MODELでも、以前在籍していたSalesforce・Marketoのenablementでも、切り口は違えど同じように言われていたのが、商談序盤の事業課題解決型のアプローチの重要性です。SmartDriveのフェーズでは1から2に行けるかどうかという所です。

ちなみにSmartDriveに入社が決まったら事前に読んで頂いている課題図書は現在はこちらの4冊です。課題図書をどうやって決めているか、本から得たナレッジをどう活かしているか等は、またどこかでまとめたいと思います。

話を戻しますと、お客様の担当者の方のご要望に応じて製品説明やデモをしてお話が弾んだとしても、その先で経営層の方々に社内提案をして頂いた所で「重要な課題ではない」「優先度が低い」と検討が止まってしまうという事が一定量発生します。

そうならない為にも、その企業の外部公開情報・IS事前ヒアリング情報に基づき、お客様の事業状況と経営課題・発生している問題・問題の解決策・解決した場合の効果まで仮説が出来上がった状態でお客様の担当者の方と商談を開始する事、更に商談の中で更に質問をしながら仮説の精度を一気に上げていく事、その後可能な限り早期に経営層の方と直接お話できる事を大切にしています。

序盤はまだ商談数も多いので全商談に同行したり仮説をレビューする事が難しいですが、規模が大きい・コーチングで伸び代大きい商談に優先的に時間を割いたり、受失注商談を毎月振り返ったり、週次での勉強会を行う等して能力開発に取り組んでいます。

3. 競合優位性の特定と意思決定者との合意形成

3つ目に大切にしているのは差別化の仕方です。SmartDriveの採用は解決策の一つの選択肢でしかありませんので、そもそもお客様から見てどのような選択肢があるのか、どのような基準で選定していくのかを特定した上で、選んで頂けるようにはどうすべきか戦術を考えていきます。

ここで有効なのが「競合差別化マトリクス」です。Marketo時代に知って商談レビューで使うようになったフレームワークで、THE MODELでも紹介されています。

(THE MODELを参照して作成)

今回の商談で比較対象となる他社と、お客様の中で選定する立場にある方を特定した上で、①両社の強みがある所、②SmartDriveが強みがあり他社が弱みがある所、③SmartDriveが弱みがあり他社が強みがある所を明確化して、それぞれの強みを強化/活用する為に、弱みを軽減する為のアクションを明確化していきます。更にSmartDriveとして考えるお客様にとって最適な選定基準を提案して、お客様に選定する立場にある方に対して合意形成を図っていきます。

ここでの一番の肝は、どこまでもお客様の成功・価値に焦点を当てていくという事です。浅はかな考えでお客様を誘導しようとする事は勿論、他社の悪口を言ったり誤った情報を提供するのは論外。何も導入しない方が良い場合や、他社製品の方が最適な場合はそちらを薦める事もあります。ここはSmartDriveとして大切にしている価値基準や会社としての品位が現れる部分ですので、Salesforceの全商談を毎日見るのと同じくらい注意を払うようにしており、予兆を感じた際は直ぐにフィーバックするようにしています。

4. 翌期に時間と意識の20%

4つ目に大切にしているのが、少し先の商談作成に常に一定の意識と時間を投入するという事です。継続的に成果を上げる組織・個人は必ずと言って良いほどここが押さえられていると思います。

SmartDriveは当月/当四半期が強いオペレーションなので、日々の活動はその時間軸で考える事が多いのですが、常に20%位の意識で翌月/翌四半期の商談がどれ位積み上がっているか、不足している場合はどうするかという観点で確認して、メンバーとの週次1on1や個別ミーティングでフォローするようにしています。また時間的にも、今週は今期商談対応で手一杯だけど、来週のこの時間に時間を確保して翌期商談対応しようと、一定量翌期に充てる事を意識しています。

正直20%という数字にはあまり根拠は無いですが(笑)、数字にすると分かり易く、意識づけもし易いと思っています。Marketo在籍時には直近の商談を扱うForecast Meetingと、少し先の商談を扱うPipeline Meetingという2つの1on1を行っていましたが、SmartDriveでは他にも時間を使いたい事があるので、一旦この運用で落ち着いています。

5. 事業と共に常に変化

最後に大切にしているのは、事業と共に常に変化させていくという事です。SmartDriveに限らず特にスタートアップは事業が急成長したり、環境も急激に変化する為、年度や四半期ではなく常に改善をし続ける事が重要だと痛感しています。

例えばフェーズ定義は現在5段階ですが変更する事を検討中です。分業型組織/オペレーションを導入した当初は、早期の確実な定着を優先してまた提供サービスが現在よりも低単価で単純だった事もあり必要最低限のフェーズにしていましたが、メンバーの商談管理能力が高まり提供サービスが年々大型化/複雑化している為、より細かくフェーズを分けていく方がメリットが多いと考えています。他にも、お客様社内のキーパーソンの特定、個人的価値観に焦点を当てた関わり、商談終盤の進め方等をこれから強化していこうと準備しています。

またこれまで自分が経験してきた事を単にSmartDriveで取り入れるのではなく、自分自身が営業組織の成長のボトルネックにならないように、常に新しい方法論や他社の取り組みを積極的に学んで進化し続けなければと思っています。

最後に

長くなってきてしまったのでここで終わりにします。元々まとめて書く予定だったイネーブルメントは次回以降にしようと思います。最後まで読んで下さりありがとうございました!そしてもし興味持って下さった方がいたら是非1on1しましょー。Meety貼っておきます!


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