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2024年8月期 下期の投資方針について

こんにちは、プログリット(9560)CFOの谷内です。

4月10日の2024年8月期第2四半期決算発表後の機関投資家とのIR面談の中で、毎四半期当社を追って頂いている方々を中心に今回の決算発表や通期業績予想についての第一印象を聞いてみました。

第2四半期決算についてはほぼみなさん口を揃えて「予想通り」ということで、堅調にビジネスが進んでいることをご評価いただきました。

修正後の通期業績予想については、2パターンの反応でした。

8~9割の方々からはフラット~ポジティブなコメントを頂いており:

  • 先行投資により来期以降の成長確度が上がったと評価できる

  • 本質的な収益性改善を高く評価している

1~2割の方々からはフラット~ネガティブなコメントを頂いております:

  • 先行投資は理解できるが、決算説明の中で投資回収方針や狙いについて説明があった方が良かった

  • 軽微な金額だが下期で比較した時の前年同期比減益の見え方になるのはケアして欲しかった

機関投資家の方々との意見交換や、決算発表後の市場の反応等を踏まえ、2024年8月期下期の投資方針や、そもそもの当社の投資への考え方について言葉が足りてなかった部分があったと振り返っております。

そこで、直近で個人投資家の皆様とコミュニケーションを取らせて頂く場として、4月20日(土)の湘南投資勉強会がありましたので、そちらでの会社説明会に向けてスライドを2枚作成いたしましたのでnoteでもご紹介いたします。

2024年8月期下期の投資について

まず1枚目です。

持続的な成長と収益性の改善の両立

これが最も伝えたいメッセージとなります。ラクスル社にて提唱され認知の広まった”Quality Growth”という言葉がありますが、まさにそれです。また、四半期ベースでは凸凹したとしても、通期で見た時に毎年売上も利益率も成長している状態を目指していきたいと考えています。

逆に言えば、それを満たす前提の下では、超過収益の中から来期以降の成長に向けた投資に、四半期単位のYoYの見え方に縛られ過ぎずにリソースを割り当てていきたいと考えています。

今期においては、追加投資を除けば大きく利益を残すことも可能ではありましたが、単年度の利益を捻出するよりも、業績が良い時こそ将来を作るアクションを前倒しで取っていくべきであると考えの下、上記方針に従った追加投資の判断をしています。

下期のみ切り出すと前年同期比でも減益という見え方になってしまっていますが、四半期や半期の見え方よりも通期、そして来期の形をより重要視しているということです。実際に、通期業績予想においては追加投資を織り込んだ上で営業利益率が前年度16.4%から17.6%へと改善する見通しとなっています。

「闇雲に赤字掘ってでも投資しよう」という考えではなく、確固たる規律の下で投資を実行していきます。

認知広告への投資の意義

2枚目です。

「で、先行投資は分かったけど、その割当先の認知広告って何なの?なんで必要なの?」

について説明を足していきたいと思います。

顕在顧客に対して、デジタルマーケティング等により直接的にサービスへの申込を促すような「獲得型」と呼ばれる広告形態は、足許の業績を作るためには必要です。

一方で、ターゲットとなる方々の課題感に合わせ細分化したコピーで出していくことになりますので、今いま課題感を強く持っていない潜在顧客の方々に対しては響くことなく流れていきます。これを繰り返していっても顧客層の広がりは限定的となります。

認知広告はサービスのコンセプトやコアの価値にフォーカスして言葉を紡いでいくことになります。今すぐサービスへの申込に遷移せずとも、サービスの存在や意義・目的についての認識を潜在的な顧客層の方々に持っていただくことで、将来「英語力を上げたい」と思った時に最初に思い浮かぶサービス群に入ることを目指します。(第一想起に入る、という言い方をしたりします。)

実際にこの方々が将来サービスを探す際に、何となく「英語スクール」で検索して比較検討サイトを見ながら選んでいくのではなく、「そういえば『プログリット』ってあったな。具体的にどんなサービスなんだろうか。」と思い出して頂き、「プログリット」と名指しで検索して当社のサービスサイトにたどり着いていただくことが重要です。(これを指名検索される、という言い方をしたりします。)

なぜ重要かと言いますと、比較検討の中でサービスサイトを訪れたり、獲得型広告によりサービスサイトに流入された方々よりも、指名検索でサービスサイトに流入された方々の方がその後のご成約率が高い傾向にあるためです。実際に、2024年8月期上期の当社におけるデータを振り返ってみますと、流入チャネルによってご成約率が1.5倍程度差がある結果となりました。

また、潜在的なお客様の英語学習ニーズが高まったタイミングに合わせてぴったりと広告をあてるということは難しい一方で、サービスが認知されていて第一想起群に入る状況であれば、ニーズの高まった段階でお客様自ら検索して訪れてくれることになります。

この状態の潜在顧客層を増やしていくことが出来れば、将来の需要、つまり売上高を積み上げていくことに繋がっていきます。将来しっかりと成長出来ればその分投資余力が生まれ、また認知広告に限らずその先々の成長に向けた投資をすることが出来るようになります。

こうしたサイクルを回していくことで、「持続的な成長と収益性の改善の両立」の推進が出来ていくと考えています。

特許や大型の設備投資といった参入障壁があるわけではない業界において、高い認知度により第一想起にサービスが入る状況が作れればそれが1つの参入障壁となります。新規参入者は対象顧客を振り向かせるために広告投資を強く踏んでいく必要があり、早期にうまく軌道に乗せることが出来なければ赤字に陥り、事業継続や拡大が困難となるためです。

足許の業績が良く余力がある状況において、先手を打ってこうした参入障壁を築いていきたいと考えています。

低単価なサービスであれば「とりあえず試してみよっかな」もありますが、高単価なサービスとなれば慎重に選んでいくことになり、「知っている」「聞いたことがある」「知人が使っていて良さそうだった」といった情報が判断材料として重要度が高まります。つまり、この参入障壁の効果は低単価なサービスよりも高単価なサービスにおいて高まると言えます。

まとめ

当社は「持続的な成長と収益性の改善の両立」、具体的には営業利益率を改善させながら売上高の成長を継続的に達成していくことを目指しています。

2024年8月期下期の投資は大きく見えるかもしれませんが、上記規律の範囲内での判断となります。

そして、より業界における強いポジションを確立し、中長期的な成長をしていくために、認知広告への投資を強める方針としています。

四半期で見ると凸凹しているように見えますが、大局的な視点で見てみると一貫性を見出していただけるのではないかと期待しています。


2Q決算解説note

いきなり本noteを読まれて「何の話?」となった方は是非2Q決算解説noteをご一読ください。


今後のIRスケジュール

今後以下の通り個人投資家向け説明会に登壇予定です。
会社概要・事業概要といった基本情報から今後の成長戦略までご説明させていただく予定ですので、ぜひご参加ください。

IRに関するお問い合わせ先

決算に関するご質問やIRの取り組みに関するご意見・ご感想等、IRに関するお問い合わせは、下記の問い合わせフォームよりお願いいたします。


最後に

noteは長く書けばいいというものでもないので、できるだけ冗長にならずに伝えたいことが盛り込めるように今後も精進してまいります。一方で、淡泊なテキストよりは人間が書いている感のあるウェットなものの方が、書いていて楽しいですし読み手としても飽きないかなと思うところもあり、他より少し長めなところは多めに見ていただければ幸いです。

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