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カッコーの巣の上で

映画「カッコーの巣の上で」
1975年のアメリカ映画です。

「カッコーの巣」というのは「精神病院」の蔑称みたいですね。

この映画の物語の舞台は精神病院なんです。

この病院、患者を人間として扱ってないんですね。患者たちをコントロールし、病院を支配しているのが女婦長なんです。

そこにジャック・ニコルソン演じる男が刑務所の刑期から逃れるために精神病を偽って入院してくるんです。この男の出現によって病院の世界に変化が生まれるんです。

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女婦長に管理されている患者たちはみんな顔に生気がないんですね。そんなまわりの顔をみてジャック・ニコルソンは声高く叫ぶんですね。「起きろ」と叫ぶんですね。患者たちの目を覚ましていくんです。


アカデミー賞が作品の評価にあたいするかはわかりませんが、この映画はアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞の主要部門をすべて受賞しました。

長いアカデミー賞の歴史のなか、2019年現在で主要部門すべて受賞した作品はこの「カッコーの巣の上で」と、

1934年の「或る夜の出来事」

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1991年の「羊たちの沈黙」

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の3作品のみなんですね。



映画「カッコーの巣の上で」は心に残るシーンばかりですよ。

ジャック・ニコルソンたちがバスケットボールに興じるシーンの高揚感。

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みんなに一体感が生まれるんですね。

実際ジャック・ニコルソンはNBAのロサンゼルス・レイカーズの大ファンで毎回同じ席で観戦している姿が恒例になってます。

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映画ですが、みんなの顔が人間の顔になっていくんです。

そんなときに事件がおきるんです。

クリスマスに、ジャック・ニコルソンが病院のなかに女性を呼んで朝まで騒いだんですね。

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ビリーいう若い男の子がいるんです。ひとりの女の子を好きになるんですね。ジャック・ニコルソンはそんなビリーのためにふたりの仲をとりもつんですね。その夜ビリーは初めて女性を知るんです。

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初めて女を知り、喜びを知るんです。人間としての喜びですね。また、自分が男だということの喜びですね。

これを女婦長が許すわけないんですね。女婦長はビリーに「あなたの母親に報告します」と告げるんですね。そして、ビリーは自殺するんです。

みんなに動揺がひろがるんですね。

ジャック・ニコルソンは危険人物いうことで、ロボトミー手術を受けさせられるんです。ロボトミーいうのは、大脳の一部を切り取り植物人間にさせるんですね。怖いですね。

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ジャック・ニコルソンと友情を築き上げてきた男がいるんです。ネイティブアメリカンの大男なんです。まわりからは口がきけないと思われてるんだけど、実はしゃべれないフリをしているんですね。

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手術によって変わり果てた姿のジャック・ニコルソンをみて男はある行動にでるんですね。

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忘れることのできないシーンです。


監督はチェコスロヴァキア出身のミロシュ・フォアマンです。1984年の、音楽家モーツァルトを描いた映画「アマデウス」で2度目のアカデミー監督賞を受賞しました。

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そしてこの映画「カッコーの巣の上で」の役者たちが素晴らしいです。

ジャック・ニコルソンの演技はイギリスの映画誌が選ぶ「映画史に残る演技」で第1位に選ばれました。

ちなみに2位が「レイジング・ブル」でのロバート・デ・ニーロ。

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3位が「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」でのダニエル・デイ=ルイスです。

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この作品「カッコーの巣の上で」には、ジャック・ニコルソンの役者仲間ダニー・デビートが出てます。これがデビュー作です。

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この作品でニコルソンと親しくなったんですね。ニコルソンとはこの後も「愛と追憶の日々」「マーズ・アタック!」で共演し、また自身の監督作「ホッファ」ではニコルソンを主演に撮ってます。

「バットマン リターンズ」で悪役のペンギンを演じましたが、監督にダニー・デビートを推薦したのが、前作でジョーカーを演じたニコルソンだったんですね。

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他にも1985年の大ヒット作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でドク博士を演じたクリストファー・ロイドも出てます。

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1991年の「アダムス・ファミリー」も大好きな作品です。

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なんといっても女婦長を演じたルイーズ・フレッチャーは圧巻です。終始表情をかえず演じきってます。

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役者が役にはいっているかどうかは役者の目をみればわかりますね。


製作をマイケル・ダグラスがしてるんですね。プロデューサー、俳優としても成功をおさめた映画人ですね。

ダニー・デビートとは1984年の「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」で共演しており、

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1989年のデビート監督作「ローズ家の戦争」では「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の主演コンビが再び集結しました。

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この映画「カッコーの巣の上で」から、今でも役者たちの友情が続いているんですね。



人間が人間として扱われないのが一番の悪ですね。そしてその環境が当たり前になってく怖さですね。

いつのまにか、誰がつくったか知らない常識というもののなかで生きてるんですね。常識からはみ出してる人はおかしいという目でみられる。

でも、みんな何らかの病気でしょ。


映画「カッコーの巣の上で」は役者たちの顔が素晴らしい映画ですよ。

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