キャロルキングが良すぎた

 どうもです。シンガーソングライターの佐野です。引っ越し日が迫ってきていますが、まだ何も荷造りしてなくてヤベェけど知らないっす。
 ここひと月くらい、人から教えてもらったアルバムをスーパー聴きまくっていたのですが、そのラインナップの中でも「キャロルキングはやべぇよ」と言われました。一回聴いたことあるような、ないような、と思いながら名盤「Tapestry」を聴くや否や、終始ニヤニヤが止まらない。71年のアルバムなので、下手にシンセサイザーは入っていない。ピアノ主体のバンドサウンドで、キャロルキングの声がいつでもしっかり聞こえるような優しい編曲となっている。無駄な音は一切なく、日本でわかりやすく言えばユーミンの昔の曲を聴いているような感覚。
 まず特筆すべきはその声。彼女が歌い出した瞬間に、70年代のアメリカの民家の風景が浮かび上がる。佐野は平成生まれなのでもちろんそんな風景は見たことないが、ラジオから彼女の歌が流れてきて、テレビはブラウン管で、携帯なんか無くて、車は排気ガスが酷くて、みんな一生懸命働いていて、、、見たことのないはずの「懐かしい」風景が浮かび上がる。ずるいよキャロルキング。声そのものに時代が宿っている。シンガーソングライターとしての格が違う。
 アメリカのアーティストなので、当たり前だけど歌詞は英語。海外旅行もジェスチャーと気合いで乗り切る佐野からすれば、一発で聞き取れるはずがないのだが、なぜか心に入ってくる。サビに持ってくるメッセージが、ひとことで全部わかるような言葉選びなので、中学くらいの英語の知識があれば何を歌っているのかわかる。私が特に好きだったのは「You’ve Got a Friend」と「A Natural Woman」。前者は多分「一人じゃないよ」っていう普遍的なメッセージの曲だと思うんだけど、意味がよくわかっていないのに涙が出た。後者は「あなたと出会って私は生まれ変われた」という趣旨の楽曲だ。ほら、日本語でそれっぽく一言で言うと本当につまらない。それをダラダラと言葉を並べて「A→B→サビ」と作ってみても、商業音楽みたいでつまらない。それをだよ、「You make me feel like a natural woman」と表現する彼女の才能たるや恐ろしい。「あなたが私を女にしてくれたの」って、女性の一時の感情をしっかりと切り取って、それを歌を通してメディア越しに我々に語りかける。懐かしくて素朴な声に乗せて、まっすぐなメッセージを歌うその破壊力は尋常ではない。もし私が音楽オタクとして当時も生きていたなら、この曲を聴いてびっくら仰天するだろう。

 ありがたいことにここ2週間くらいにわたって、USENさんのHIT SNSコーナーで私の楽曲「おもひで」を流しもらっている。昨日だったかな、「ラーメン屋で流れてて来ました」とyoutubeにコメントをいただき、スーパー嬉しいです。私もキャロルキングのようにメディア越しに人の心を動かす作家になれるだろうか。そのためにもたくさんの楽曲を聴き作曲する日々。自分の心が折れない事を祈るばかりです。
 大体自分の中で毎週末にnoteを更新するルーティンができつつある。いつまで続くかわからないが、気合いで続けるつもりではある。

 今日はそんなところで。


 Tapestry/キャロル・キング:https://music.apple.com/jp/album/tapestry/747087657?l=en-US

 おもひで/佐野諒太:https://youtu.be/VBXSxD17A9E?si=UKsTW1ijsDWgrDfl


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