見出し画像

1000円の価値を上げるために考えたこと

先日、feedback saunaというwebサービスを運営しているitaruさんからインタビューを受けた。

itaruさんは自身のサービスで良い作品に対して、受け手の想いが創作者に届くような循環をデザインされている。ある日、彼から届いたDMには「話を聴かせてほしい」という内容が書かれていた。「僕の話を聴いてみたいという人ってどんな人だろう?」と興味本位でお受けさせていただいた。

feedback saunaは、ちゃこさんやなつみさんがコラボレーションしていて、その存在は知っていた。二人とも素敵なクリエイターだし、いい人選だなぁと思っていた。

インタビューでは主に教養のエチュード賞(僕が個人的に開催した文章のコンテスト)についてのヒアリングが行われた。自分が考えていることをお話させてもらった。

インタビューを終えた後、謝礼としてAmazonギフト1000円分をいただいた。itaruさんの感じの良さと、ちゃこさんやなつみさんが関わっている企画が少しでも盛り上がってほしいと思い、このいただいた1000円で何かをしたいと思った(と、思っている間にもフィードバックの企画は終了してしまったけれど)。いろいろアイデアを練った。

「Amazonで本を買って誰かに送る」

そういうことじゃないんだよな。この1000円をもっと価値のあるものに育てたいと思った。別に謝礼がほしくてインタビューを受けたわけじゃない。でも、せっかくくれたのだから、それを使って別の方法で還元することでより多くの人がハッピーになることはないかと考えた。

そこで僕はふみぐら社さんに連絡した。

「僕との対談記事を書いてくれませんか?」

事の経緯を伝えた。記事を書いてくれた謝礼はAmazonギフト1000円。プロの仕事に対してはあまりに少額だけれど、ふみぐら社さんならおもしろがってくれるんじゃないかと思った。

ふみぐら社さんに僕と対談してもらう。それを記事にして、1000円で販売する。利益はふみぐら社さんに全て納めてもらう。ただし、Twitterでfeedback saunaの記事をシェアしてくれた人には記事を無料でプレゼントする。

そうすることで、itaruさんのメディアの宣伝にもなるし、僕もふみぐら社さんとお話しできるし、記事が売れればふみぐら社さんの収益にもなる。Amazonギフト1000円の使い方としてはこれが一番いい。ただ、記事をプレゼントにすることで、ふみぐら社さんの収益はほぼない(謝礼のAmazonギフト1000円のみになると思う)。

この話を、ふみぐら社さんはおもしろがってくれた。

とてもうれしかった。僕がふみぐら社さんに相談した理由は、この記事を読んだことがきっかけ。

「こういう文章をたくさん読みたい」

そうコメントを添えてTwitterでシェアすると、「読まれにくいというのはわかっているんですけどね」というリプライが届いた。僕もわかるような気がした。「自分が好きな文章」と「たくさん読まれる文章」は必ずしも一致しないし、どちらかを否定する気もさらさらない。それぞれの楽しみ方がある。

ふみぐら社さんと手紙を送り合うように、DMでやりとりした。

テキストとして余韻の長いものを提供したいなって思うんです。先日のふみぐら社さんの記事を読んでいても。ああいうものは残しておきたい。

別に全ての人に見えるものじゃなくていいと思うんです。あのような文章や対談は贈り物という概念に近いから。好きな人や手伝ってくれた人に贈ればいい。気になる人は買って読んでくれたらいい。

そういうものをつくりたいなぁ、と。itaruさんもうれしいし、ふみぐら社さんとだったら素敵な対談になりそうな気がして。

このようなきっかけで二人の対談記事が世の中に出るのはおもしろいし、美しいなぁと思った。



ことばのアトリエ

「アトリエ」というのは工房のこと。僕もふみぐら社さんも、ことばを選んだり、磨いたり、くっつけたり、切り離したり、そういうことを積み重ねて「ことばの向こう側」にある景色を描く。インスタントなものじゃなく、職人が工房で手間暇かけてものをつくるみたいに。そういう時間を大切にする二人だと思うから、対談はことばやインタビューに関する内容にしたい。

「ふみぐら社さんと僕の対談記事を読みたい」という人は、下記のitaruさんの記事を「#ことばのアトリエ」というタグを添えてシェアしてください(対談の模様をふみぐら社さんが記事にしてくれます)。形になったら、贈り物としてシェアしてくれた人へ無料で届けます。

※noteの有料記事プレゼント機能を使用します。





「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。