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note DJ primadonna vol.1

メープルシロップのような雨が降る。

黄昏、窓から差し込む光、窓を叩く雨、全てが乱反射する。窓の向こう側。メープルシロップのような雨が降っている。ケヴィン・エアーズの音楽。曲名はSong for Insane Times。語るような歌声。緩やかな抑揚。この景色が美しいと思った。

ここのところ、湿っぽい文章が続いた。気分を変えるにはケヴィン・エアーズの曲がちょうどいい。地球をぐるりと裏返してくれる。



最近、素敵だと思ったことを書いてみる。noteの中のDJ気分で。音楽はそうだ。ケヴィン・エアーズのSong for Insane Times。飲み物はジャック・ダニエルがあればいい。氷を入れたグラスに好きな気分だけ注いで。ケヴィン・エアーズのなだらかなメロディのせいで少しだけ多めに入れてしまうかもしれない。それでも構わない。メープルシロップに漬けた輪切りの檸檬を、それから少しコーラを足そう。

準備はできたかい?

僕たちはよく知っている。
書くことはデトックスであり、セラピーなのだ。


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先日、マリナ油森さんの記事を読んだ。
胸がときめいた。文章を読んで胸がときめくことなんてなかなかない。
まだ読んだことがない人は読んだ方がいい。



名前には物語がある。

マリナさんの名前の由来はマリーナ・アブラモヴィッチというユーゴスラビア出身のパフォーミングアーティストだった。詳しくは本文を読んでほしい。そこには「人間の本質」への希望と恐怖が描かれている。マリナさんは前者を信じてnoteの世界へ飛び込んだ。

まだ投稿したことがない「見ているだけ」のnoteユーザーがいる。なかなかその一歩が踏み出せないなら、マリナさんのこの記事をぜひ読んでみてほしい。一緒に希望を信じよう。きっといい仲間になれる。


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メープルシロップのような雨が降る。

まだケヴィン・エアーズは流れているかい?リピートしてもいいし、アルバム『JOY OF A TOY』の一曲目から流しても構わない。YouTubeは個人の楽しみのためにいつだって無料で公開されている。
あれだけ濃かったジャック・コークも、そろそろコーラを注ぎ足すことができそうだ。おっと、間違えてジャックを注いじゃいけないよ?もう注いでしまった人は、それでも構わない。チアーズ。二回目の乾杯だ。
「一回目も乾杯したのか?」と上にスクロールする必要は全くない。重要なことはおもちゃになった気分で目の前の歓びを見つめることだ。

名前には物語がある。

僕もペンネームをつければよかった。きっと他のnoteのユーザーも、ペンネームをつけている人はたくさんいるだろう。その中で以前から気になっている名前が一つあった。

「サトウカエデ」

素敵な名前だ。本名だと言われても疑問を抱かない。カエデさんは確か、Twitterで本名は別にあるということを書いていた。

メープルシロップの雨が降る。

「サトウカエデ」と耳にした時、多くのバーテンダーが思い浮かべる酒がある。今あなたが手にしているグラス───ジャック・ダニエルだ。
ジャック・ダニエルはアメリカのテネシー州で製造され、他のアメリカのウィスキーのほとんどが「バーボン・ウィスキー」と呼ばれることに対して、ジャック・ダニエルは「テネシー・ウィスキー」と呼ばれている。

原料と製法はバーボンとほぼ変わらないのだが、一つだけ大きく違う工程がある。それはチャコール・メローイングと呼ばれる製法だ。
原酒を樽詰めする前にサトウカエデの炭に通してそれらを一滴一滴、濾過するのだ。サトウカエデの炭を通った原酒はまろやかな口当たりとなり、独特の風味を獲得する。



それはまさにカエデさんの文章のようだ。目の前にある光景、胸の奥に湧き立つ感情、それらを濾過して洗練された言葉に落とし込んでいく。
まろやかな口当たりと、カエデさん独自の風味。



黄昏、窓から差し込む光、窓を叩く雨、全てが乱反射する。窓の向こう側。メープルシロップのような雨が降っている。

名前には物語がある。

それは後付けかもしれない。でも、それが物語の持つ力なんじゃないかと思う。
気付いた人がいるかもしれないが、僕はマリナさんの記事にも、カエデさんの記事にも「世界を肯定する」というキーワードを入れていた。

メープルシロップのような雨の煌びやかな光と同じく、世界は美しいのだ。


vol.2があれば、また会いましょう!



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。