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出戻り転職をして3ヶ月が経った


はじめに

今年の1月に4年前まで勤めていた会社に再入社した。

さまざまな苦悩や葛藤を経て決意し、出戻ったわけだが、、、うーん、そこまで深く考える必要はなかったのかもなぁ。

でも、悩むのはしょうがない。

だって気まずいもん。

周囲の目が怖いでしょ。

なにアイツ、一度辞めたくせして厚顔無恥にも程がある。

なんて声が聞こえてきそう。


だからね、もし去年の僕みたいに出戻り転職という選択肢を考慮すべきか悩んでいる人がいるなら、このnoteを読んで欲しい。

転職サイトなんかの空虚な言葉よりも、温度感を持って書けていると思うから。

こっからは、そもそもなぜ一度辞めたのか。

辞めた後の人間関係。

出戻りを決意するまで。

出戻ってから今に至るまで。

この流れで書いていくね。

一度退職した理由

ありがちな理由で申し訳ないが、人間関係と仕事内容だった。

僕は新卒入社してから営業一筋だった。

べつに特段成績が良かったわけでもないけど、白い目で見られることは無いくらいには卒なくやっていたと思う。

土日に取締役や所属長連中とゴルフなんかに行ったりもして、絵に描いたような営業マンライフを送っていた。

転機が訪れたのは入社5年目。

人事異動があった。

いつかは来るだろうと思っていたし、5年目というのは適齢期でもある。

ただ、いざその当事者になると驚くもんだね。

基本的に僕の会社の営業はルートセールスで、担当エリアが振り分けらる形になる。

このエリアというのが曲者で、場所によって当たり外れが多い。

仕事量に差があるわけ。

僕がそれまでやっていたエリアは、そこまで暇ではなかったけど、長年担当していたし顧客とも関係が出来ていたので訪問せずに電話営業で済ませていた。

外回り中に顧客と雀荘に行ったり、並んでパチンコ打ったりもしてた。

そんな自分にとって楽な状況にしてきたエリアを離れて、また一から関係を築いていかなければならない。

すこし落胆したけど、僕はサラリーマンだし内示に逆らえるわけもない。

新しいエリアを謹んで拝命したわけ。

このエリアがきつかった。

基本的に夜は終電間際になる。

今までのエリアと顧客の層がガラッと変わり、扱う商材も僕の埒外。

それでも仕事だからとまあまあ勉強して、それなりに回せていたとは思う。

でも、新しい上司も曲者だった。

詳しく書いても恨み辛みを吐き出すだけで、なんの得にもならないから控えるけど。

簡潔にいうと、僕の仕事内容をまったく理解しようとはせず、管理だけをしようとした人だった。

移動してから半年が過ぎる頃には10キロは痩せていた。

そしてある日、本当にいきなり、プツンて。

切れた。

もう無理だって。

なにか大きな理由があったわけではないけど。

仕事もパンクして。

クレームも増えて。

なんにも考えられなくなった。

その次の日には辞意を伝えた。

引き止められはしたけど、ごめんなさいって。

そんな感じで今いる会社を一度辞めましたとさ。


辞めてからの元同僚との関係性

上記のような状況で辞めてからすぐに、知人が独立するとのことで、そこの下で働かせてもらえることになった。

幸いにも、前職の知識が活かせる仕事で、最初は楽しくやっていた。

ただ、営業職だった以前に比べ、次の仕事はサービス業だった。

べつにサービス業が厭なわけではない。

大学時代はファミレスでバイトしてたし、営業マンの仕事だって言ってしまえばサービス業みたいなものだと思っている。

けど、心のどこかで営業職に心残りがあったんだと思う。

なんとなくモヤモヤした気持ちを抱えながら生活していた時、前の同僚から飲み会のお誘いがあった。

多少の気まずさはあったけど、誘ってくれた嬉しさの方が勝り、参加をすることに。

この飲み会がすんごく楽しかった。

参加者が歳の近い若手連中しかおらず、僕の他にもう一人退職した人間がいたのも心強かった。

昔話に花が咲き、上司の失敗に爆笑し、会社の愚痴を聞かされる。

そして元同僚から「お前戻ってこいよ」と言われる。

正直、この言葉を本気にするわけがない。

酒の席での言葉だし、ペーペーが戻って来いなんて言ったところで会社が動くわけもない。

他部署で出戻りは何人か居たらしいけど、営業部で出戻りはいない。

そもそも自分の中で、出戻り転職=恥ずかしい事、許されない事、という認識だった。

だから、笑って「戻れたらいいねー」なんて流していた。

それからも定期的に飲み会があり、一泊の旅行なんかも行ったりした。

数年が経ち、当時の仕事にも慣れ、サービス業にも愉しさを見出し始めたとある夏の日。

いつものように飲み会に誘われ居酒屋に行くと、とりわけ仲の良かった同僚1人だけしかおらず、後の奴らは遅れてくるとの事。

いつもは外回りを早めに切り上げた連中で先に呑み始めていることが多いので、集合時間オンタイムに到着しても僕は最後の方だった。

まあみんな忙しいのかなと深く考えずその同僚と2人で呑み始めた。

15分くらい経っただろうか、いきなり同僚が店の入り口を見て立ち上がり「お疲れ様です!」

んん?と思って振り返ると営業次長の姿が。

テンパりながらも「お疲れさまです。ご無沙汰しております。」と挨拶だけは捻り出した。

次長はなにも言わずに僕の前に座る。

横でニヤニヤしている同僚。

バカでも分かる。

嵌められたんだ。

しばらく気まずい沈黙があったが、それを壊したのは次長だった。

「もういいだろう?出向終わり。戻ってこい」

僕は大笑いした。

温かい冗談だなって。

変にしんみりするより、こうしてウェルカムな雰囲気で呑み進める方が楽しいもんね。

さすが営業次長だなって。

この人は僕が新卒の頃の上長だった。

面倒見が良くて、仕事もできて、でも部下からイジられる。
でも締めるとこは締めるし、怒ると怖い。

心から尊敬してる人だった。

聞けば今は次長ではなく、なんと部長になったらしい。

営業部のトップじゃねぇか。

そんな偉い人がなんで辞めた人間と飲んでるんですかって聞いたら、「この前お前が夢に出てきてさ。顔見たくなったんだよ。」だって。

嘘でも嬉しいじゃんね。
さすが、営業部長は伊達じゃねぇや。

そんなこんなで酒を浴びまくり記憶も怪しくなってきたところで会はお開きとなった。

そして次の日、携帯に知らない番号から電話がある。

出ると部長からだった。

「お前昨日の戻って来いって話、本気だからな。しっかり考えろよ」

ここから僕の苦悩の日々が続くことになる。


出戻りを決意するまで

そこからは1週間おきに部長から電話がかかってきた。

「早く決断しろ」
「みんな待ってる」
「とりあえず会社に顔を見せに来い」

もはや脅迫。

てか、みんな待ってるは嘘だろ。

でも、お世話になった、尊敬してる人からそんな風に言ってもらえて嬉しくないわけがない。

それでも、出戻りという選択肢は僕の中で取ってはいけないものだと思っていた。

「出戻りなんて出来ないっすよ。会社が許さないですって。」

そう僕が言うと、

「うるせぇ。俺がいいって言ってんだよ」

部長が言うと若干の説得力はあるけど、それでも僕はこの時点でも戻る気はなかった。

転機が訪れたのは秋口だった。

当時働いていた職場の社長に呼び出された。

給料が払えないから少し遅れるとのこと。
理由は社長の使い込み。

論外すぎる。
お話にならねぇ。

ただ、雇われの身なので、ここで揉めても得策じゃない。

しばらく様子を見よう。

そこから数ヶ月経っても状況は変わらず、むしろ悪化する一方。

自分の生活もあるし、辞めようと決心した時、思い浮かぶのは部長の顔だった。


相変わらず電話はくれていたので、こちらからかけてみた。

「あの、お話をさせてくれませんか」

「おせぇよ馬鹿」

口は悪いけど笑っていた。

そこから話はトントン拍子に進んだ。

実は部長は裏で会社に話を通してくれていたようで、僕が出戻った際の人事配置なんかも社長に提言していたようだった。

形ばかりの面接を経て、爆速で選考が進み、すぐに内定が出た。

ただ、ここから僕は病んだ。

部長や、若手の営業連中は笑顔で迎えてくれるけど、それ以外はどうだろうか。

他部署の人たちは?
あまり絡みのなかった営業の人たちは?
そして何より、退職前僕の上司だった人は?

考えれば考えるほど、受け入れてもらえないような気がしてくる。

僕なんかが戻ってもいいのだろうか。

絶対歓迎されないだろ。

ネガティブなことしか考えられなくなる。

そうして迎える入社初日。

心臓を口から飛び出しながら本社のドアを潜った。


出戻ってからの3ヶ月間

結論から言うと、みんながみんな歓迎してくれるわけじゃない。

でも、よく考えれば当たり前の話。

みんなから好かれる、そんな聖人は存在しないわけで。

そもそも、以前同じ職場で働いていた時だって、みんながみんなお前を好いていたわけじゃないだろう?って。

なんでみんなから好かれないのは辛い…って思考に陥ってたんだろうって。

出戻り前は色々とセンチな気分になるかもしれない。

げど、僕が思ってるよりずーっと社会は優しかった。

かつての厭だった上司も最初はギクシャクしたけど、今は普通に世間話程度はできてる。

週末は競馬談義なんかもしてる。

もし、出戻りをしてもいいものなのか悩んでいる人がいるならここで言っておきたい。

人間はすぐに慣れる生き物。
前いた職場でしょ?知らない会社行くよりよっぽど順応速度早いって。
それに、周りだってあなたにすぐ慣れる。
ゼロから人間関係築くわけじゃない。
お互いに慣れるまで耐えればあとはほぼ依然のまま。
あまり深く考えなくて大丈夫。

ただ、2つばかり条件はあると思う。

ますば辞め方がキレイだったこと。
飛んだなんて論外で、ちゃんと会社の規定日には辞意を告げ、引き継ぎもしっかり行っていること。

そして、辞めてからも職場の人間と関係を保っていたこと。

これがクリアできているなら出戻り転職も悪い物じゃない。

あまり深く考えずにまずは仲のいい人間にコンタクトをとってみてほしい。

戻りたいって言われて嬉しくない人間なんていないと思うよ。

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