重要なのは仕事を可視化すること

例えば、自分が抱えているミッションは何なのか?は、自分と自分のチームには理解できていたとしても、クライアントや敵対的関係にある企業には、具体的施策が見えにくい場合が多い。

リモートワークが隆盛の現在、チーム毎の連携にSlackが普及しZOOMの利用が急増した背景には、ネット環境下における業務の高効率化が急がれた、と言う現実的な理由の他に、リアルタイムで、同時進行で進むことで問題点の解決、新たなミッションの再構築、敵対的企業へのアプローチ、クライアント企業との連携が迅速に行われるという利点が新たに生まれてきた。

これは、僅か数年前では考えられないほどの革新であり、我々は、急速な時代背景への対応を迫られている。

Appleが初代Macintoshを発表した際、同時期に開発を進めていたWindowsに先駆け、GUI(Graphical User Interface)を採用したAppleは、今にいたるPCと人間を繋ぐ境界線を取り払うことに成功した。

ビジュアル化されたPCの性能や機能は、我々の生活をより便利なものへと変えていくに十分なものだった。その歴史の集積が今に至るスマートフォンやタブレットへと通じている。この中で最も重要なのは、自分が何をしているのか?という当たり前に大切なことを、自分で目で見て確認しながら、行えるということだ。

直感的に 操作を行えるGUIの出現は、人間の自由な発想を具体化する大きな役割を果たし、更にリアルタイムに柔軟な発想を生み出すという、人類の革新とも言える技術だ。

しかし、未だアプリケーションはもとより、PC環境下における自由な創造性を形にするには、プログラミングという技術の習得が必要となる。この記事内でも指摘されているように、アメリカにおける革新的な企業の多くの創設者や経営者は、プログラミング言語を習得している。

世の中に無いものを生み出すには、或いは自分の中の創造性を可視化させるには、コンピュータの助けを必要とするだろう。それには、自分の思考をコンピュータに理解させなければいけない。そのソフトインターフェースがプログラミング言語だ。

仮にスタートアップ企業が革新的な創造性を発揮するにおいても、同様に、自由な発想を具体的に形に落とし込むための作業が必要となり、事業のアイデアを如何に具体化する為に、エンジニアを確保し、プロジェクトの完遂に向かってチームを組み構想を練り上げるかが、大きな課題であり、そこには人件費も設備投資も必要となる。

人間は耳と目で情報を伝達する。人間同士のコミュニケーションの際、言葉と図式化されたもので情報共有を行い、意思疎通を図る。

そのボトルネックとして存在していたプログラミング言語という技術的な課題を、或いは障壁を取り除くことの重要性を、この記事は指摘している。プログラミング言語の習得、つまりコンピュータ側に合わせた言語をこちらが習得するのではなく、コンピュータに我々の思考、ベースになる言語化された指示命令を理解させればいいでは無いか?という、当たり前の時代の到来とその重要性を指摘しているのだ。

その意味で、いずれ日本語版のリリースが期待されるアプリは、数多く存在する。

また、集積されたデータ、各地に散らばったチームがプロジェクトを遂行するためのツールとしてのソフト、その最も巨大で革新的な技術の先頭を走るのが、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Sirvices)であることは、以前の拙コラムでも指摘した。

同様に、既に多くのアプリがリリースされていることでも分かるように、我々の主目的たる業務遂行の簡素化と、よりタイムリーな開発過程に特化した利便性を追求するためのソフトは、アプリの開発者の意図にユーザーがシフトする時代の終わりを告げている。

人間の側が必要に応じたアプリ開発を行う時代が到来したのだ。

革新的コンピューティングデバイスの誕生から、コンピューティング機能を掌に載せる時代を経て、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)の更にその先であるプログラミングのノーコード化によるソフトウェアの開発という段階になった。

我々の発想がそのまま、形に現れる時代は、余計な機能を排除したソフトウェアを、より快適に使用できる社会に変える可能性を秘めている。

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