見出し画像

父のクローゼットから始まった断捨離

断捨離をした。
父のクローゼット。
ずーっと気になっていた。

なんでこんなとこにシーツが転がってるのかな。
なんで靴下とパンツが同じ引き出しに入ってるのかな。

スーツ、同じようなものが何着もかけてあるけど、こんなにぎちぎちで取り出せるのかな。

ベルト、こんなに必要なのかな。

前を通る度にずーっと気になってた。

でも諦めていた。
私が手をつけたら、なんか喧嘩になりそうで。

父が亡くなってから、一気に捨てればいいや。

そう思っていた。


父は私が小さい頃はよく「家が汚い!」と言って怒っていた。

夜中に帰ってきて、怒鳴り散らしながら床に落ちてるものを全部ごみ袋に入れて、母を叩き起こして説教する、なんてこともしていたらしい。(私はぐっすり眠っていて覚えていない)

この時は兄が起きて応戦したらしい。

父と母が離婚して大分時が流れ、今の家に引っ越して来てからも、リビングや廊下などを「汚い!物が多い!」とよく怒っていて、私はなるべく家具を置きたくなかったのに、天井まである収納家具をある日突然勝手に買ってきて「これに物を入れなさい」と言われたりしていた。

そんな人だったので、父の部屋の掃除に私は手をつけていなかったし、クローゼットも全然触らないようにしていた。

たまに洗濯物を入れておこうとしても入らないので諦めてた。

父は干されている洗濯物の中からその日着るものを選ぶようになっていった。


そんな父が緊急入院したのは去年のこと。

救急車で病院に運ばれ、「パジャマとか下着持ってきて」「やっぱりジャージ持ってきて」などと言われ、クローゼットに入るも、パジャマもジャージも探すのにとても苦労した。

引き出しという引き出しはパンパンに詰まっていて開けづらい。

開けたと思ったら前述のように下着も靴下も冬用のセーターも夏のズボンも全部ごちゃまぜに入ってる。

やっとの思いでジャージとパジャマを探し出して父に届け、「クローゼットの整理しておくね」とだけ伝えて取りかかった。

とりあえず引き出しから始めて、父の退院までにどうにか引き出しは終わらせた。

引き出しといっても侮ることなかれ、なんと20段もあるのだ。

ちまちまちょこちょこ、明らかにカビが生えてるものや年季の入ったシミがついてるもの、デザインが古いものなどは迷わず捨てた。

夏のシャツ、夏のズボン、Yシャツ、ポロシャツ、冬下着、普段の下着、冬のセーター、夏靴下、冬靴下、、等々と仕分けして、取り出し易いよう並びも変え、ラベリングもした。

真夏だったので我ながら暑い中よくがんばったと思う。

ネクタイも余りに趣味が悪いものは捨ててしまって、色ごとに分けて並べた。

ネクタイも驚くなかれ100本近くあったのだ。

片付けながら私は「こんなクローゼットの人から整理整頓!整理整頓!言われてたのか」と思うとムカムカしたけど、同時に父も年を取ったのだろうなと思ったりもした。

人は鏡とはよく言ったもので、自分ができていないことをできてない人のことが人は気になるのだという。父はまさにそれだったのだろうと思う。自分が「整理整頓」できてなかったから子供や妻が整理整頓できてない姿を見るとイライラしたのだと思った。


退院してきた父は私が捨てたものについては特に何も言わなかった。

きれいに仕分けした引き出しについては珍しく何度も「ありがとう」と言っていた。

が、いざ使い始めると、下着の引き出しを開けて「なんでシャツが入ってないんだ」などと言う。

その度に「ラベル見て?シャツはここだよ」などと手助け?していた。

秋の終わりにもまた入院、そして手術。

秋の入院はちょっと長めだったので、引き出しの上に無造作に乗っていた布団類と、背広の整理もできた。

布団は夏、冬、中間、シーツ、掛け布団

背広は夏、冬、春秋、上下、上のみ、下のみ

で仕分けして分類ごとに並べるだけなので、私は全然苦にはならないのだが、さすがに背広は勝手に捨てられず、父の判断をあおぐことに。

しかし父は捨てられない人だった。

「まだ使える」「いつか使うかも」などと言いつつ全然捨てない。

背広は相変わらずぎちぎちに詰まっている。

でもとりあえず秩序が現れて床も見えたので、父のクローゼットに関してはこれで終了とした。

そこから、家中が気になり出すようになった。

物置、納戸、自分の部屋、自分の部屋の押し入れ、キッチンの食品ストック、昔兄が使っていた部屋、、

去年の年末から少しずつずーっと断捨離を続けていて、ゴミの日は毎回4~6袋のゴミを出し、粗大ゴミなどは直接清掃センターに持ち込んだ。

今日もゴミ袋2袋分のゴミをまとめた。

ついでに自分の部屋の模様替えもして、快適に過ごせるようになった。

家の中がきれいになり、どこに何があるか大体把握できている状態というのは、ストレスがかなり減るのだと知った。

余計な買い物も減る。

BSでずっと『ウチ、断捨離しました』という番組を観てきたのが良かったのかもしれない。

押し入れの中などもぎちぎちに物を詰めず、お店のディスプレイのように余裕を持って配置するのがコツらしいので、それに従って今回の断捨離は遂行していった。

この余裕を持った配置の仕方は、私の大嫌いなゴキブリが出た時にも役に立つと思った。

奴らの逃げ場所を減らし、どこに行ったかすぐに分かりやすくなるように心がけた、と言っても過言ではない。

ゴキ対策として考えると、やはり大きな家具というのはいただけない。

裏に入り込まれると動かすのにも一苦労だからだ。

ソファなども足がついてて床が見えるようなものがいい。

ソファも猫が爪とぎにするからもうボロボロだし、買い替え時かも。

新しいソファは絶対に足付きのものにするんだ…

などと考えるとワクワクする。

断捨離をしたおかげで、猫の洋服やカーペットなどもたくさん発掘できて、これが猫の手術後の寒さ対策と粗相の際にとても役に立った。

猫の手術後の粗相で、毎日のようにカーペットを洗っていたので、断捨離してなかったら、新しくコタツのカバーやホットカーペットのカバーなどを買い足して、余計なお金を使っていたかもしれない。

断捨離はモノやお金を大切にすることなんだな~と改めて思った。

「断捨離」という言葉を作ったのは、やましたひでこさんという元ヨガインストラクターの方で、YouTubeチャンネルもあるので、興味のある方にはオススメです。

BS朝日で月曜夜8時からテレビ番組も放送されてるので、そちらもオススメ!



この記事が参加している募集

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?