復習『武士道』

新渡戸稲造(旧5千円札の人)著「武士道」

これを最近読み返しました。
元々は英語だ執筆されている本著ですが、僕は岩波文庫さんの翻訳版を読んでます。

新渡戸先生がある時、ベルギーの法学大家ド・ラブレー氏に問われた「日本には宗教教育がないのに、どうやって道徳心を養っているんですか?」という問いに、答えに詰まったところから始まったというのは、結構有名なお話ですよね。
本著はラブレー氏や新渡戸先生の奥さん(アメリカ人)に満足のいく回答をするために、幼い頃から触れてきた「武士道」を紐解いたことから始まったとされてます。

昨今、自然災害の多い日本において、被災者の対応の素晴らしさに海外が感銘を受けたというニュースもよく耳にする中、そんな道徳心あふれる日本人の価値観の骨組みたる武士道。
古臭いとか思われるかもですが、現代人の僕自身も大きく感銘を受けることのできる名著だと思います!

義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義、克己、果てはハラキリから婦女にまで

全17章において、本著は武士道の起こりからその将来を憂うにおいて綴られてます。
「義を見てせざるは勇無きなり」など、誰もが一度は聞いたことのあるような内容を、新渡戸先生は海外の読者にわかりやすいように、共通する思考、事柄、伝達をされた海外の偉人、文学者、哲学者の言葉を引き合いに出しつつも、わかりやすく解説してくれています。
非常に興味深いところは、武士道は男社会のための哲学のように(実際は僕も)思われがちですが、日本という国━━もっと身近には藩、「お家」を守るための指針として、女性の在り様までも解説されているところ。

女性が社会にどんどん出る時代の遥か昔、社会が男のみで回っていた時代の女性の立ち位置や考え方、そしてその特性なども、武士道の視点から解説されているところ。

別に武士道バンザイ! 武士道サイコー!! って言っているわけではなく、あくまで客観的に、いい部分悪い部分を自覚しつつの文章なので共感しやすく、また理解しやすい内容だったと思います。

昔読んだ時には感じなかった部分では、序盤の「義」「勇」「仁」の項目。
義とは正しきこと、ともすれば軍事集団である武士がこれをおろそかにすると、本当に恐怖政治状態になってしまうし、「勇」とはそれを為す心、そしてそれは「仁」━━弱い立場の人のためという部分。
僕もそういう大人にならねばなと感じた次第。

時間をおいて読み返すと、新しい発見があるのは嬉しいものですね。


温故知新! 令和にこそ必読の一冊だと僕は思う

初めての投稿のため、ものすっごく硬い文章になってしまったと思う。
けれど、この「武士道」はノーベル平和賞受賞者でもある米セオドア・ルーズベルト大統領が大絶賛して、自身で何十冊も買い込んで布教したっていうエピソードもあって、個人的にほっこりする部分もあります。

昔の書籍なので、少し日本語が古く難しいところも確かにありますが、哲学書よりは難易度は低いかと笑。

是非一度、読んでみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?