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感想『貞観政要』呉兢

YouTubeの解説動画を見て、ストーリーの面白さから読みたくなった本。歴史ものは背景が分かると登場人物が身近に感じられて面白いと思う。
一方で組織人として考え方を学ぶ面もありの一冊なので、勉強にもなる。帝王学の本としても有名らしい。動画から入ると背景が分かりやすかった。
視聴したYouTubeの動画はこちら。
https://youtu.be/1maFifzZ6RY

本書は唐の太宗李世民と、その家臣との問答をまとめたもの。李世民は国で一番偉い人なのに、家臣の助言を素直に聞く人として描かれている。「どう思う?」って家臣に聞く様子も多い。例えば、「国を建国するのと維持するのはどちらが大変か」と聞いたりもするし、「食器にこだわることをどう思うか」と聞いたりもする。そして質問に回答する家臣が結果として李世民を批判しても、「よくぞ申してくれた」と、肯定的に聞き入れている。感情的にならずに家臣の意見を取り入れようとする姿勢が、李世民の秀でたところだと思うし、後世にも名君として語り継がれている所以だと思う。

また、登場人物がみな歴史を引き合いに出して物事を判断していることが新鮮に感じた。行動の理由として「●●の時代の▲▲は〜」と発言している様子があり、過去の出来事を反面教師にしている場面が目立つ。そう考えると、歴史を知るということは、いわゆるメンターを増やすことなのかなあと思ったりもする。

ストーリーの面白さだけでなく、歴史を学ぶ意義まで再考できた学びの多い一冊だった。今年1番好きな本かもしれない。


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