しあわせになろうよ──猟奇的でビョーキ的な〈憑き物〉にサヨナラ。
──過日のこと。何年か前に買って読んでいなかった小説をなんとなく手に取ってみると、なかなか面白くて、思わず時間を忘れて夢中になっていた。
ところが、読みすすめていくと、いたるところに傍点や傍線が引いてあるので、驚いてしまった。
あらためて確認したが、古本屋で買ったのでもなければ、死んだ親父の書棚からもらってきたものでもない。私が藤沢のジュンク堂で自ら買い求めた記憶があるし、本自体の佇まいも真新しくシャキッとしている。
私は一瞬ぞっとして、今テレビで観ている〈初恋の悪魔〉