見出し画像

日航123便墜落事故を考察する『火炎放射器は使用された?』

この事故で結構言われてるのは、墜落現場に〇〇〇がやってきて火炎放射器で被害者たちを焼いたんだ。

その証拠に、ジェット燃料から検出されないベンゼン環や硫黄が検出された!骨まで炭化してるなんておかしい!現場に着いた人は、ガソリンとタールが混ざったような臭いがしたって言ってた!

といったモノが出回って、火炎放射器を持ち運んで焼いたんだ。という人が居らっしゃいます。

そういうわけで今回は、火炎放射器を本当に使ってたのかどうか考察してみました。

結論から言うと、火炎放射器は使ってないと考えられる

画像1

引用元:携帯放射器wiki

理由は3つ

●火炎放射器の威力が強すぎて炭化は難しい
●装備できる燃料では足りない
●やる事が回りくどい

火炎放射器の威力強すぎ

こんだけ離れてる人でも熱を感じるくらいの威力です。

骨まで炭化する以前に、表面だけ焼けてしまう、生焼けになるのがオチ

\いやいや、威力調整できるよ/

という人居る?知らんけど

そんな機能、備わってないんですよ。

燃料足りない問題

たかだか11kgの燃料で、しかもあっという間に無くなる火炎放射器です。

骨を炭化するまで燃やすなんて1基じゃムリ。

燃料満載で合計31kg 一体ナンボ用意して持って行かないといけないんでしょうか。

現実的に無駄が多すぎる。

回りくどい

画像3

リアルに火炎放射器で焼く理由があって、やったとしたら・・・

そこまでして人を黒焦げにする動機はなんでしょうか?

それとも機体に残された証拠を消すためにやった時のオマケですか?

あんだけの威力で墜落して、どこに何があるか分からないだろうに、適当に焼いたってか?

なんか、もうちょっとちゃんと考えたら?って思ってきたんですよね・・・

骨を炭化させるには

動物の骨を炭化させたものである「骨炭」というものがあり

こいつの製造方法は800度以上の温度で、蒸し焼きにします。

皮膚の炭化は、割と簡単でⅣ度の火傷にすればいいんですが

骨は、そうそう炭化する事は難しいと言われてます。

それこそ、じっくり焼きながら気を付けないと、砕けるだけです。

ベンゼン環と硫黄の検出

人体由来で出て来ますし、個人貨物も搭載されてる航空機です。

熱による化学反応で何が起こるか、分かったもんじゃない。

クロロホルムも出たぞ!とかどっかで見た気がしますが、だから?って思います。

タール臭もねぇ、木が燃えたら出ないこともないと思いますが?

それだけで火炎放射器で焼いた。という証拠にはならないですよ。

墜落時に機体に残ってた燃料は、どれくらい?

画像4

推定ですが

19,255.749kgくらいの燃料は最低でもあったと考えられます。

あくまでも推定値ですが

これは、事故調発表の「離陸時重量」などを参考にしました。

離陸時重量は527,333ポンド(239194.2252kg)
搭載燃料は3時間15分(195分)JET-A/40

B747SR-100の仕様で、燃料容量は181,940リットル
参考:https://www.ana.co.jp/group/company/ana/fleet/detail.html

ジェット燃料の比重・単純平均で満載は146,916.55kgです。

このSR機、3時間くらいの航行を想定して作成されていて、それでも燃料を満タンにする事は無いのが普通。

つまり、3時間の1.5倍~2倍の燃料を積んでも満タンにならない設計だと考えられます。

123便の搭載燃料(時間)は3時間15分(195分)です。
※事故調発表 JA8119-01.pdfに記載

そして大型機の燃料効率は、ざっくりですが1時間で1万リットル(7750kg~8400kg)とされてます。

燃料は多ければ多いほど良いというわけがなく、必要最低限だけ積むのが常識・・・・

とすると、実際に3時間ちょい積んでたのは、ちょっと不可解な点ですが・・・ほぼ満席状態である事や、真夏の夕方発(上空待機用)という事も考えると妥当なのかもしれません。

さて、B747-100の仕様・空虚重量は375,000ポンドです。

1人あたりの重さを個人貨物と合わせて単純平均70kgとすると、合計で80865.558ポンド

80865.558ポンド+貨物+燃料+375,000ポンド(空虚重量)=527,333ポンド(離陸時重量)

あくまでも、ざっくり計算です。

貨物+燃料=71,467.442ポンド(32417.086kg)

仮にこの重さの比率、燃料が99%としましょう。(ゆうて航空機の重さの半分は燃料とも言われてる)

32092.915kg(離陸時の燃料重量)となる。

SR100機の搭載できる満タンの重量・単純平均は146,916.55kgでしたね

つまり、飛ぶ前に乗ってた燃料はタンクの21.84%は最低でもあったと思われます。

何度も言いますが、あくまでも最低値で推定です。

こうしてみると少ないかもしれませんが、32トンもの燃料を積んでるんですよ。

飛行時間は48分で搭載燃料・換算時間の25%強ほど。
ただし、エンジンの吹かしや低高度での操縦も含めて考えると、搭載した分の30%は使っててもおかしくありません。多くても40%くらいでしょうか。

とすると、最低でも残りは飛ぶ前の60%近くは残ってたでしょう。

19,255.749kgのジェット燃料が残った状態で墜落した。と仮定しましょう。

残ってた燃料のエネルギーは

画像5

19,255.749kgのジェット燃料で計算します。

ジェット燃料のエネルギー量は10,170 - 10,220 kcal/kg

最低でも8億1800万J(195.5TNT換算トン)のエネルギーを持ってます。

どのくらいかというと

●マグニチュード4.7クラスのエネルギー

らしいです・・・なんかケタおかしくて、自信なくすんですが

ジェット燃料は燃えにくい?

と思うなら、この動画を見てみよう。

瞬時に爆発してますよね。

また、川上村の住民証言もあります。

川上村・中嶋初女さんの証言

『機体が山の向こう側に行って、その後煙と赤い炎が上がった』

そんだけの威力、熱量なので、いくら森が湿気ってようが、関係なく森林火災が起こります。

実際に、上空から墜落現場付近の写真を撮影してた自衛隊員も居ましたね。

まぁジェット燃料はあっという間に燃焼されてしまうんですが・・・その威力で森が焼けてしまうのが必然でしょう。

その結果として炭化してしまったのは、ごく自然な事ではないでしょうか?

今回のまとめ

画像2

日航機123便墜落事故で、よく言われる火炎放射器でご遺体を焼いた説

私は、否定的な立場を取ります。

理由としては

●火炎放射器での炭化は科学的に難しい
●隠滅行動にしては、回りくどいし動機も不明すぎ
●残ってる燃料のエネルギー量がかなりある

以上の理由から、火炎放射器説は否定します。

ご意見、ご感想(まともな内容で)あれば、コメント欄にどうぞ。

それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?