君たちはどう生きるか

ようやく観ました。
足を遠のかせていたのは、多分難解なんだろうなという先入観。

やはり難しかった。宮崎駿監督作品は、まじめに映画館に観たのは、ポニョぐらいで、それ以外では、ナウシカ、カリオストロ、アリエッティですかね。最近の宮崎作品の傾向を正確に追っているわけではないのですが、きちんと観ている人には割と素直に理解できる内容だったのでしょうか?
観終わってから、おそ昼のチャーハンを食べながら、映画を読み解いている人の書き込みを読んで、なるほどなぁと思い、自分の読解力のなさを改めて感じさせられました。
(なお、キネマ旬報で昨年度の洋画ベストワンとされたTarも、きちんと理解できなかったのですが、一つのシーンにいくつかの解釈があり得ると、断定した上で先のストーリーを追うことができないのが自分のクセなんだと自己分析をしたところです。仕方ない。)

宮崎監督の幼少期を含めた色々な思い、イメージが詰め込まれているんでしょう。池や森、大きな屋敷など。これまでの作品で出てきたものとも重なります。

ネットでの書き込みによれば、宮崎監督の跡を継いでほしいというメッセージが込められているとか書いているものがありましたが、そんな分かりやすいことするのかなぁ、という気もします。
また、主人公の眞人の継母となる女性は、母親が入院中から父親が関係を持ち、妊娠までさせていたので、眞人は継母を素直に受け入れられなかったのだという説もあるようですが、継母と眞人の母親が似ているということ、母親も物語の舞台となったお屋敷にいたらしいことからすると、継母と眞人の母親は姉妹なんじゃないのと思っていました。昔は妻である姉が亡くなった後、妹と結婚することもあったように思われますし、眞人がそんなに継母を憎んでいたとは感じなかったです。

自然や背景の描写は美しいです。日本のトップのアニメーターたちが結集して作られたと記事で読みました。
登場人物や動物たちも、過去の宮崎作品にも出ていたようなキャラクターですが、カエルが沢山出てきて体中を覆ったり、鳥類が何種類か画面をおおうくらい出てきたりして、ゾッとする場面もありました。動物の動きとかも細かく研究しているだろうなぁ。

そうした細かい描写、技術、美しさはすごいなぁと思いながら、後半が難解過ぎて、一度観ただけでは到底消化できない。全体として、映画としての出来栄えがの良さよりも、とにかく宮崎監督がやりたいことを出し尽くしたってことなのでしょう。
それでも、アカデミー賞の長編アニメーション賞が授与されたのはなぜなのか。長年にわたる貢献に対する敬意ということなのでしょうか。

なお、登場人物たちの声は、木村拓哉を始めとする有名俳優たちがやっていて、それなりに違和感はなかったのですが、これまた書き込みで、プロの声優さんたちを使ったらもっと違ったものになったのではという指摘がありました。実写の演技が上手でも、アニメの声優にはそれと異なる表現力があるということなのでしょうか。アニメ通でない私には分かりませんでした。

宮崎監督も、引退されるおつもりかもしれませんが、体力と気力を充電された上で、もし可能であれば、もっと分かりやすい、誰もが見て楽しめるエンターテインメント作品を作ってくれれば嬉しいです。テレビでやったルパン三世のファーストシリーズとか大好きだったので。


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