あるミャンマー人女性の「心」が凄い!

今日の話は、カッチンというミャンマー人女性の話。

何かの会話をしているときに、彼女がこんな事を言っていた。

「私がミャンマーにいるときは、出来る限り
日本人のお店に行きます」

と。

それがマッサージでも、美容系でも、お土産屋さんでも何でもだ。

なぜ、彼女がそうするかと言うと
日本の品質の良さに惹かれてではない。

彼女は、言った。

「なぜなら、日本人がせっかくミャンマーに来て、何かをしようとしたのに、上手く行かなくて落ち込んで日本に帰ってしまったら、悲しいから。」

「だから、値段の問題じゃないくて、高くてもそうしています。」

・・・・・

彼女が日本に来てから10年くらいの月日が経った。

日本に留学で来たというと、裕福な家庭を想像するかもしれない。

しかし、彼女の家は、決して裕福ではなく
逆に彼女が働いて家族を養わなくては
ならないくらい色々な問題がある家庭だった。

だから、彼女は、本当に大変な借金をして
それでも夢を諦めたくなくて人生をかけて
日本に来たのだ。

留学のために、日本語家庭教師をして一生懸命
お金を貯めても、それは、家族のために
使うことになってしまう、

その繰り返しで、全然お金が貯まらない。

そして、年齢制限がある留学資格の
最後のチャンスのとき、彼女は、
大変な借金をしてそれでも日本に来た。

自分がいなくなったら、家族は大丈夫だろうか?

という不安はもちろんあったけれど
それでも、自分の夢を諦めきれなくて
彼女は、騙されても良いと思って
お金を借りて最後のチャンスにかけた。

そして、日本に来てからも、留学の借金返済は
もちろん、家族への仕送りはずっとしてきた。

今ももちろん、その借金を返済しつつ
日々慎ましく、質素に暮らしている。

(現在、日本の病院で働いていて、
その病院がミャンマーに進出するため、

その責任者として、この数ヶ月
ミャンマーに戻っています)

そんな彼女が、

「なぜなら、日本人がせっかくミャンマーに来て、何かをしようとしたのに、上手く行かなくて落ち込んで日本に帰ってしまったら、悲しいから。」

と、言っているのだ。

すごく重い言葉だと思いませんか?

この言葉を聞いたとき、本当に感動したし
なんというか、気持ちが美しすぎて
圧倒されてしまった。

彼女は、本当に日本が好きで、日本人が好きで
ミャンマーも好きなのです。

(真ん中は、パートナーの英語学校をしているアーターさんの奥さまで学校経営を取り仕切っているジェニさん。左は私たちチームの美容番長、浅井さん)

カッチンは、今回も本当にアポの調整から
送迎から、全部やってくれて、

「カッチン、本当にありがとうね」

と別れ際に伝えたら

「いえいえ、逆に、今回は何も
ごちそうできず、すみませんでした」

と、笑顔で言われた。

仕事の関係で、夕方に別れた日があった。

そのときも、タクシーを呼んでくれて
行き先を伝えて、そして、素早く
タクシー代も払ってくれていた。

もう、本当に感謝しかない。

だから、いつも

「本当に申し訳ない、本当にありがとう」

と伝えるんだけれど

「いえ、伊勢さんたちこそ、
ミャンマーのために、やってくれて
本当にありがたいです。

全然、お役に立てていなくて、
すみません。」

と言われてしまう。

「今度、日本でごちそうさせてください。」

と、エレベーターにのっているときに
今回も言われた。

だから、

「それは、10年早い」
と言っておきました(笑)

彼女には、夢があって、それを実現しようと
今、動き出している。

それに対して、お金を出すという人たちが
たくさんいて、みんなカッチンなら
良い経営者になるし、応援させて欲しい
と言っている。

それは、やっぱり彼女という人の生き方
やってきた事の結果だと思う。

そういう話を聞いても、ビジネスで
人生で大切なことは何かを
思い出させてくれる。

そうそう、

彼女が日本に興味を持ったのは
日本のテレビドラマが
ミャンマーで放送されて
いたからなんだ。

何のドラマだと思います?

おしん、、ではないです。

正解は、

「ひとつ屋根の下。」

あれが、彼女が日本に行きたいと
最初に思ったきっかけだったのです。

ミャンマーでも大人気だったそうです。

彼女が日本に興味を持つきっかけを作ってくれた
江口洋介さんにも、酒井法子さんにも
福山雅治さんにも、感謝しないとですね。

ミャンマーで私たちが関わっている人たちは
カッチンのように、きれいな心を持った人ばかりだ。

(ミャンマーナンバー1の英語学校の経営者で、プロジェクトパートナーのアーターさん)

(元経団連副会長のキャプテン)

(12名の生徒たち)

それから、もちろん日本チームのメンバーも。

信じられないくらい人に恵まれている。

それもカッチンを始め、繋いでくれた人たちが
素晴らしいからだ。

やっぱり、人は、同じような人のところに集まる。

逆に言えば、どういう人たちのコミュニティーに
所属しているか、

どういう人たちとつながるかで人生模様は
随分と違うものになる。

例えば、

人から奪うことばかり考えている人ばかりいる
コミュニティーにいたら、自然と、自分も
生き残るために、奪う思考になっていく。

与えることや、人を大切にすること、
応援することが当たり前の
コミュニティーにいれば、

自分もそうなっていくし、
人生の夢もどんどんかなっていく。

だから、私は、お金という
物差しではなく

本質的に尊敬できる人と
一緒にいるようにしている。

そして、自分がお客さまと
つくるコミュニティーも

与える人、貢献する人、応援する人、
コミットしている人、楽しいことが
大好きな人たちがいるものにしよう
と常々思っている。

人生は、どんなコミュニティーにいて

誰とつながっているかで変わるとつくづく思う。

今回のミャンマープロジェクトにしても
私の力ではなく、本当に繋がった人たちの
おかげで全てが進んでいます。

それにしても、カッチンの心にはいつも
圧倒されっぱなしです。

そんなカッチンに日本人について
どう思うか聞いたところ、

「知っていると思いますが、私は日本も
日本人も大好きだし、尊敬しています。

街の綺麗さを見ても、戦後の復興を見ても
日本製品を見ても、日本人の優しさを見ても
本当に凄いと思います。

ただ、何か言えと言われれば、
日本人はもっと、ハングリー精神を持って生きたら良いのにとは、思います。

私の国の人より、ずっとチャンスがあって、それに挑戦できる環境もあります。

ミャンマーの人たちは、望んでもできないです。

だから私は、伊勢さんのように海外で社会貢献しようという「野心」があったり、ミャンマーで頑張ろうとしている人を見たら、やっぱり応援したくなります。」

との事でした。

そうか、、彼女は、私たちが貢献しようと
しているから、応援してくれている、、

だけではなく、

「野心、ハングリーさ、挑戦していることも
含めて」

こんなにも協力してくれているんだ、
と言うことにも気付かされました。

カッチンに胸をはれる人生を生きよう、

と思わせてもらえるだけでも
出会えて本当に良かったです。

伊勢隆一郎


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